2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年最後のブログです、と「童謡」の動画を見る。

1.江戸時代の豊後日田の街並みが同じ高さ・同じ白壁・同じ瓦葺きが整然と並んで美しい、日本にもかってこんな風に統一と調和のとれた街並みがあったのだ、と前回書きました。 我善坊さんから、都市景観の美しさには「パブリックの精神」が必要だというコメン…

まだ中津旅行と福澤諭吉の1万円札&日田の町並み

1. このところ福澤諭吉ゼミ生による大分中津・日田旅行を記録しています。 旅が終わって1カ月になり、三田キャンパスで12月のゼミがあり、「旅行の報告をせよ」と若い女性軍に言われました。旅行に参加できなかった人も4名居るので パワー・ポイントに素人写…

日田で見た「特攻イチョウの木」と旅を終えての選挙当日に

1. 海太郎さん、KAZの随想録さん、有難うございます。日田に滞在された思い出や大分出身の発言も嬉しく拝読しました。松本清張の著作は知りませんでした。読んでみたいと思います。書いておられる「心優しい」人たちという印象は実際に町を歩いてみるとよく…

中津と日田を比較して考える―漱石も昔日田を通った

1. 柳居子さん、島津斉彬が中浜万次郎から外国事情を克明に尋ねたという事実、面白いです。そう言えば、前回紹介した、出島の商館長からオランダ名を貰ったという奥平昌高は薩摩の島津からの養子です。 福澤の言うように「門閥制度は親の敵」ではあったでし…

中津で考えたこと−福澤諭吉を探して

1. 前回に続いて中津へ、福澤諭吉を辿る旅の記録です。 歴史資料博物館で教えてもらったのですが、 「このあたり、古墳時代から“豊の国”と呼ばれ、そこから豊前(ぶぜん)豊後(ぶんご)という名前も生まれた」 「大分という名前はもとは“多い田”がつまった…

中津の旅―福澤諭吉と黒田官兵衛のまち

1. arz2beeさんお礼が遅くなりました。有り難うございます。 「なぜかをうまく言えませんが」というお気持ちが僭越ながらよく分かるような気がします。私も全くそうだなと思いました。 心理学に惹かれる人は多く、私が勤めた京都の大学は、臨床心理学科を日…

『夢との対話、心理分析の現場』(滝口俊子)や『国家の暴走』(古賀茂明)

1. 海太郎さん有り難うございます。イタリアの「子供の読書運動」面白く読みました。 日本は、前回紹介した斉藤美奈子さん(文芸評論家)の言によると「子供より、むしろ大人が読んでいない」のだそうですが。2, 「大人でも読書会をやってみたい」とのコメン…

読書週間と「最近何読みました?」

1. 我善坊さんarz2beeさん有り難うございます。コメント心に沁みました。 「きけわだつみのこえ」は幾つも改版があると思いますが、学生時代に読んだ本がもう手元にないので原典にあたっていません。ブログは(例えば紀要に書くなんかと違って)どうもこの辺…

「慶応義塾と戦争」展―上原良司氏の場合

1. 秋晴れと曇り日が代わる代わるに訪れるようですが、慶応義塾の三田キャンパスを訪問した10月23日は曇りでした。 「福澤諭吉を読む」ゼミは正式には終わりましたが、4年目に入っても「自主ゼミ」と称して人数は9人と減りましたが、まだ続いています。 いま…

「渋谷で朝食を」とカタルーニアの「鳥の歌」&カザルス

1. 9月初め以来、京都に出掛ける機会がなく寂しく思っていたところ、友人から、来 週数年ぶりに所用で上京するので澁谷で朝食を一緒に出来るか?というメールが来ました。 もちろん久し振りの再会に喜んでOKし、朝8時過ぎには出て行くことにして、「進々堂…

再び日本人とは誰か?人種と国籍と・・・

1. 台風の合間を縫って、信州に短期間滞在し、壇香梅の葉が黄色く色づき、すすきが風に揺れたりするのを眺めてきました。 2. 1週間に1回の更新を目途にしていますので(それにも「何の意味があるかな」と思ったりしますが、自分自身の思考と記録の整理が主で…

ノーベル物理学賞は「3人の日本人」か「アメリカ人と2人の日本人」か

1. 今週はノーベル賞の発表が続き、物理学賞はすでに旧聞になりそうです。 特に本日のメディアは17歳のパキスタンの少女マララさんの平和賞受賞に沸いています。 因みに、マララさんは、米国タイム誌が当時まだ15歳の彼女を「2013年今年の人」の次点に「闘う…

何でも「答え」があるデジタル・ツナミ時代とウィキペデイア

1. 前回のブログでは「デジタル・ツナミ」の時代になり、インターネットからあらゆる問いに答が得られる時代になった、だからこそ、私たちは「何を問うか?何に疑問を持ち、何を知りたいと思うか?」が大事だという話をしました。 もちろん「問い」は自分が…

タイム誌「The Answer Issue(何にでも答がある時代)」

1. arz2beeさん、有り難うございます。懐が深い英国、面白いですね。 同地に長く住む、ある日本人が、「英国を特徴づけるのは、2つのC,階級(Class)と 田舎(Country、カントリー)」と言ったことを思い出しました。前々回の、我善坊さんの言われる、(1)…

スコットランド住民投票の結果と、「寛容・良識」

1. たいへん遅くなりましたが、我善坊さん、海太郎さん、コメント有難うございます。何れも貴重なご指摘で、まったく異存ありません。 実は、遠い海の向こう、スコットランドの住民投票が日本でもこれほど大きく報道されるとは意外でした。 あまり知られない…

いよいよスコットランド独立を問う住民投票

1. 前回は信州の山奥で夏を過ごし、家の周りは夜になると真の闇になることに触れました。 都会人は闇を知らないというタイム誌の記事も紹介しました。 田舎では闇だけではなく、朝の散歩で霧に包まれることもあります。 ずっと田舎暮らしという訳にもいかず…

蓼科高原の夜と「Let there be night(夜よあれ)」

1. 今年の夏は異常気象、天候不順だとは連日のように言われます。当地蓼科の夏も日照時間が少なく、野菜作りの農家は悩みが多いことでしょう。 野菜価格が高騰しているようで、10日ほど前、友人が2人、当地を訪れて2泊しましたが、「安い・安い」と喜んで直…

『インフェルノ』と『神曲』とフィレンツエ仮想旅行

1. ベストセラーのダン・ブラウン『インフェルノ』が扱うのは(1)人口過剰問題(2)ダンテ『神曲』(3)仮想旅行、の3つだと前回書きました。(1) については、高齢化も同じように大問題という指摘をFBで頂きました。確かに長寿は人の願いでしょうが、70億皆が…

ダン・ブラウンの『インフェルノ』が提起する人口過剰問題

1. 昨今の異常気象もあるのでしょう。「この夏は全国的に大気不安定」とはテレビの気象予報が繰り返し伝えるところです。 しかし、いつも書くように「日本は自然はきれいだし水は豊富だが、昔から災害大国である」上に、70年前の戦争でも悲惨な目に遭いまし…

戦後69年目の夏休みとフィレンツェ「仮想旅行」

1. お盆休みがそろそろ終わり、今日(17日)の日曜日が渋滞のピークでしょう。こいいう時期しか休めない現役諸兄はまことにご苦労様と思います。 いろんな夏休みの過ごし方があるでしょう。身内に10日間のクルーズに出掛けた退職者のご夫婦が居ます。 11万60…

「フリーダム・ライターズ」続きと「仮想旅行」の宿題とヒロシマ

1. 前回、女子高校生と、「フリーダム・ライターズ」という映画を観たことを書きました。 4人のうち孫娘が感想をメールで送ってくれて、感激しました。夕食後いきなり映画 を見させられたので最初は戸惑ったようですが、「徐々にハマっていき、終いにはすっ…

京都と茅野の両方で女子学生と付き合いました

1. 久しぶりに京都での5日間の滞在を終えて、また茅野に戻ってきたところです。このブログは、9年前に若い仲間が「京都活動日記」という題名も付けて作ってくれました。 その後京都での仕事も非常勤となり、今の実態は「不活動日記」ですが、不精な性格もあ…

「入りてしまらく」の続きと「言葉を一掃する」

1. 我善坊さん早速再び有難うございます。 「奥深い問題」についての長文のコメントのおかげ様でだいぶ頭の中が整理ができました。 (1) ”近代社会は、「大切なことはアマチュアが良識によって判断し、細部の実行はプロの専門知識に委ねる」という考えで成り…

まだプロとアマチュアをめぐる雑念と「役割」

1. arz2beeさん我善坊さんコメントまことに有り難うございます。お陰さまで勉強になります。 せっかく頂いた丁寧なコメントですので私としてはしつこく考えてみたいです。 こんなことを考えるのは無意味だと言われそうですが、昨今の世の中を見ていて感じる…

岩波ホールで「大いなる沈黙へ」を観る

1. 前回のプロとアマについての雑文にFB上のコメントを頂きまして有り難うございます。 プロかアマの区別は?と考えて、本職か?お金を貰うか否か?で区別するというのもややあいまいになりました。 例えばチャーチル会の会員の場合、今では現役を退職したも…

アマチュアは「明るく」プロは「超越を志向する」

1. 海太郎さん、池田さん有り難うございます。さっそく「アサーション」なる言動パターンに関心を持って本を購入したというのは、まさに「アサーティブ」な対応ですね。感心致しました。 他方で池田さんから「アサーティブ(断言的)」と「アグレッシブ(攻…

アサーションとは?とセガン指揮フィラデルフィア管弦楽団

1. 前回のブログへのコメント、arz2bee さん池田さん、FBの野田さん木全さん等まことに有難うございます。 「最近は医学部でも留学する人は減っています。決めつける前にまずは異文化体験を!」―ご指摘の通り、日本の方が進んでいるから学ぶものが無いと思…

シドニー赴任する後輩と『さようなら、オレンジ』(岩城けい)

1. 6月28日の土曜日、京都で一緒に活動した若者との集まりに出るため、青山の居酒屋に向けて渋谷の道玄坂を歩いていたら、デモ行進がありました。 「移民関連法案絶対阻止、緊急国民運動」というメッセージと「頑張れ日本!全国行動委員会」という名前が先頭…

「傘ポン」から「エコノミスト」中国特集記事と中国人観光客

1. 相変わらずうっとうしい天気で、傘が手放せませんね。デパートなどに入ると(私の場合は渋谷の東急本店内の本屋に行く時が専らですが)、入り口に濡れた傘をビニールで包むという、いわゆる「傘自動装着器」と称する代物を置いてあるところが増えて、これ…

「入りてしまらく」と信濃路の島木赤彦

1. 前回のブログでむし暑い6月の第1週に3度も都心の六本木に出掛けたと書きました。 1度は、国立新美術館で開催された「日洋展」という展覧会に出掛けたものです。年下の友人が、会員の1人で出品しているので見てきました。 ほぼ全員が100号の大作で、それが…