本を読む

詩集「わが涙滂々――原発にふるさとを追われて」

1. 前回のブログでは雑誌「道標」に文章を載せている友人を紹介しました。ほぼ同世代の仲間の中には、文章だけでなく、絵を描いたり、合唱を続けたり、漢詩をつくったり、民謡や詩吟を教えたり・歌ったりと多才な人たちが居て、元気に活動しています。まとま…

司馬遼講演「キリスト教文化と日本」や雑誌「道標」&「あとらす」

1. arz2beeさん、有難うございます。まだ『沈黙』をめぐって話が続きますが、「神を忖度するのは異端に思えます。神は絶対で・・・問答無用の存在と感じる」という指摘を興味深く読みました。前回の、我善坊さんの「遠藤周作のいう「和服のキリスト教」はや…

遠藤周作「沈黙」とスコセッシ監督「沈黙」

1. 我善坊さん、コメント有難うございます。お気持ちはよく分かりますが、「議会から独立して」というのは立法権に対する例外措置、憲法の改正が必要で、実現は難しいでしょうね。 国家権力が、自らの権力基盤を揺るがすような制度設計を率先してやるとは、…

『資本主義の終焉と歴史の意義』(水野和夫)を読む

1.(はじめに) 世田谷区の有志がボランティアで5年前に始めた読書会は、順調に続いています。 8月を除いて月1回の土曜日、梅ヶ丘の区民会館に20人ほど4時間も集まり、事前に多数決で選ばれたテキストを推薦者が発表し、皆で話し合います。 9月は、『…

『保守主義とは何か』(宇野重規、中公新書)を読む

1. (JR東海からの「制裁」)についてここ2回書いてきました。 まだ友人から親切なメールが来ますので、感謝とともに報告します。 彼は、JR東海ジパング倶楽部・事務局に電話してくれて以下の回答があったそうです。 「車内での点検を強化するようになったの…

京都:披講と『砂漠の青がとける夜』

1. 7月11日から京都に2泊して水曜日に帰京しました。 祇園祭のハイライト、17日の山鉾巡行にあわせて鉾や山が立ち始めていました。 主目的は叔父・叔母の霊祭出席であり、古くから続く「和歌」の家なので、神主さんの祝詞に続いて、参列者の玉串奉奠の前に…

桜が咲く前に司馬遼の『本所深川・神田界隈』を読みながら

1. 東京の桜は明日にも開花宣言とのこと。我が家のは、道路に大きく張り出してあぶないので一昨年、残念ながら枝をほとんど切ってしまいました。それでもほんの少し残った枝につぼみが膨らんできました。 2.前回のブログのコメント有難うございます。平野さ…

増補『日本語が亡びるとき、英語の世紀の中で』(水村美苗)を読みながら

1. 冬らしい寒い日が続き、年寄りは暖かい室内に閉じこもる時間が多くなります。 幸いに、東大の駒場キャンパスが歩いて10分ほどなので、図書館やカフェで過ごし、持ってきた本を読んだり、備え付けの雑誌を読んだりします。 今はキャンパスは関係者以外でも…

イシグロの『忘れられた巨人』再びと小説を読むこと

1. かわうそ亭さん、コメント有難うございます。 http://kawausotei.cocolog-nifty.com/easy/ ブログを拝見しましたが、たまたま同じ日にイシグロの『忘れられた巨人』について、同じような読後感を書いておられるのは、同志がいたという思いでした。 かわう…

再び、「曲学阿世」と南原繁の「現実的理想主義者」のこと

1,今年の梅雨は、いままでのところ、東京と蓼科では長雨しとしとではなく降るときは短時間に激しくという傾向のようですね。 雨降りに散歩するほど勤勉ではなく、屋内で過ごす時間が増えますが、テレビは好きでないのでいきおい本を拡げることになります。 …

東京新聞,反知性主義,そして鷲田清一さんとオルテガ

1. 前回のブログで、もう梅雨だというのに快晴の1日があり、蓼科高原は蓮華つつじが満開で、北アルプスから富士山まで丸見えだった、と書きました。 同行した友人がその折りに撮った写真を送ってくれましたので載せておきます。 こなしの花も山々も美しく写…

『それでも日本人は「戦争」を選んだ』を読む

1.我善坊さん再度のコメント有難うございます。エリート論やオルテガの名著『大衆の反逆』についてブログで話し合ってもう4年になるのですね。相変わらず同じようなことを考え続けているなと懐かしく思います。 2.忘れずに、愚直に考え続けるというのは、せ…

『夢との対話、心理分析の現場』(滝口俊子)や『国家の暴走』(古賀茂明)

1. 海太郎さん有り難うございます。イタリアの「子供の読書運動」面白く読みました。 日本は、前回紹介した斉藤美奈子さん(文芸評論家)の言によると「子供より、むしろ大人が読んでいない」のだそうですが。2, 「大人でも読書会をやってみたい」とのコメン…

『インフェルノ』と『神曲』とフィレンツエ仮想旅行

1. ベストセラーのダン・ブラウン『インフェルノ』が扱うのは(1)人口過剰問題(2)ダンテ『神曲』(3)仮想旅行、の3つだと前回書きました。(1) については、高齢化も同じように大問題という指摘をFBで頂きました。確かに長寿は人の願いでしょうが、70億皆が…

ダン・ブラウンの『インフェルノ』が提起する人口過剰問題

1. 昨今の異常気象もあるのでしょう。「この夏は全国的に大気不安定」とはテレビの気象予報が繰り返し伝えるところです。 しかし、いつも書くように「日本は自然はきれいだし水は豊富だが、昔から災害大国である」上に、70年前の戦争でも悲惨な目に遭いまし…

シドニー赴任する後輩と『さようなら、オレンジ』(岩城けい)

1. 6月28日の土曜日、京都で一緒に活動した若者との集まりに出るため、青山の居酒屋に向けて渋谷の道玄坂を歩いていたら、デモ行進がありました。 「移民関連法案絶対阻止、緊急国民運動」というメッセージと「頑張れ日本!全国行動委員会」という名前が先頭…

五月晴れと『ペスト』(カミュ、宮崎嶺雄訳)の再読

1. 5月10日&11日の東京は、まさに五月晴れの気持ち良い週末でした。世田谷羽根木公園を歩いたり墓参に行ったりしましたが、新緑もつつじも鮮やかでした。六本木の国際文化会館ではまだ武者人形を飾っていました。 庭に居る時間も含めて、日中はもっぱら外で…

まだスティーブン・キング『11/22/63』とマリーナ・オズワルド

1. 4月が始まり、東京の桜満開。ブログやフェイスブックでもあちこちの桜の写真で満開のことでしょう。 当方も負けずに拙い写真を載せますが、いつも散歩する北沢川緑道と東大駒場キャンパスです。今年は冬が長く寒かったせいか、殊のほか結構な風情です。 2…

『11/22/63』(スティーブン・キング)とネット時代の読書

1. 柳居子さん、京都の銭湯の状況についてのコメント有難うございます。 書いておられるように京都も減ってきているでしょうが、それでも銭湯は「江戸のしぐさ、昭和のぬくもり」だそうですから、まだまだ東京より「ぬくもり」が残っているのではないだろう…

雪の日に『コミュニティを問いなおす』(広井良典)を読み返す

1.このところ東京都内も2度にわたって積雪。 久しぶりの大雪の日。 日本ではなぜか、「オーバーシューズカバー」を履いて歩いている姿をあまり見かけないような気がするなと、NY時代を思い出しました。 写真のように、靴の上にただかぶせるだけのゴムのカバ…

「ネット時代のはじまり」は「本の時代」の終焉か?

1. 友人3組の夫婦6人で1泊の温泉旅行人からで帰宅したばかり。伊豆高原から翌日、伊豆スカイラインを走って芦ノ湖経由で帰りましたが、良く晴れて風が強い日で富士山がまことにきれいに見えました。 明日からは3泊で京都に行きます。2. 海太郎さん、イン…

『冷泉家八百年の「守る力」』(冷泉貴実子著)を読みながら

1.1週間ぶりの更新でお礼が遅れましたが、さわやかNさん、我善坊さん、南十字星さん、コメント有難うございます。 「藤城清治さんのファンのページ」というのがあるのですね。前回触れた影絵のある銀行支店の写真もたくさん載ってます。インターネットの…

図書館と読書と小説いろいろ

1. 我善坊さんコメント有難うございます。 ご指摘のように、教育と勤勉が日本の発展を支えてきたのでしょうね。 現状はどうか?福沢諭吉の『学問のすゝめ』を多くの人が読み直したらどうかと思います。 2. 前回、茅野市の快適な図書館の話をしましたが、…

立憲主義と『憲法と平和を問いなおす』(長谷部恭男ちくま新書)

1. さわやかNさん、コメント有難うございます。 前回は、中国が建国100年を迎える2049年にはアメリカと対等あるいは越える世界一の軍事国家を目指す「チャイナ・ドリーム」を主張する人たちが居るという記事を紹介しました。軍拡競争に力を入れる両国の姿…

『小説論、読まれなくなった小説のために』(金井美恵子)

1. 海太郎さんコメント有難うございます。漱石の「永日小品」とは渋いですね。 書棚から取り出してみましたが、ピトロクリの谷というのはスコットランドだそうですね。行ってみたいものです。 2. 海太郎さんは謙遜しておられますが(アメリカのミステリ…

「エコノミスト」2月2日号特集「次なるスーパーモデル北欧」(その2)

1. 我善坊さん、柳居子さん、有り難うございます。 今回はコメントのお礼だけにさせて頂き、「エコノミスト」記事の紹介が途中ですので これを先に終えたいと思います。お許しください。少し長くなります。2. 今回は本論、即ち、 (1)「新・北欧モデル…

「エコノミスト」2月2日号特集「次なるスーパーモデル北欧」(その1)

1. 下前さん(FB)さわやかNさん、コメント有難うございます。 「我々は生まれた時から死刑宣告されており、人生とは執行猶予中の諸々であろう」とはまさに心に沁みます。 ただ、法律の「執行猶予」は執行されずに刑期が終わるのが普通ですが、人生の宣告は…

『バグダッド・バーニング』と『大村はま、優劣のかなたに』(苅谷夏子)

1. 我善坊さん、加藤わこさん、貴重なコメント有難うございます。 マキアベリがそんなことを言っていましたか。 せめて「君主論」もう一度読みたいものです。わこさんが我善坊さんの、「市民を腐敗から解放するという回り道こそが必要」に触発されて、「愚…

蓼科高原の秋と『福翁百話』

1. 柳居子さん、いつも的確なコメント有難うございます。「人との巡り合い・・が人の営みの殆ど全て」の言葉は身に沁みますね。 しかも、月並みですが、出会いは別れの始まりでもある。 前回お話した、コロボックル・ヒュッテの主・手塚さんも逝って、霧ヶ…

「自由の気風はただ多事争論の間に在りて存するものと知るべし」

1. 古いブログに、お2人から初めて、全く別のコメントを頂いたので驚いています。 こんな昔の拙文を読んで頂いたことに、まずお礼を申し上げます。かねて、頂いたコメントへのお礼と再コメントは本文に載せることにしていますので(実は他のやり方を知りま…