英国

英国は二日間「暴風エマ(Storm Emma)」の大雪です。

1. 山口さん、遅れましたが2月24日付コメント有難うございます。ご指摘の通り、日本画は写実と装飾性が融合していると、「円山応挙論」にも書いてありました。[「お土産話」ということですが、たいした話はありません。 私事になりますが27日からロンドン郊…

カズオ・イシグロの”Nobel Lecture”と「リベラル」であること

1. この12月は東京だけでなく、ロンドンも寒いようで、クリスマス前にウィンザー城にも雪が降ったと、娘のところから写真を送ってきました。 外は雪でも部屋の中は温かそう。大きなツリーを飾っています。やはり1年でいちばんのお祭りなのでしょう。 ところ…

カズオ・イシグロの「受賞記念講演(Nobel Lecture)」を聞く

1. 東京も寒い日が続きます。さざんかの咲く朝の散歩道、完全武装で歩きます。 もっとも天気は快晴の日が多く、1週間前、日帰りで京都に行ったときもよく晴れて、富士山がきれいに見えました。 ひとり旅をしている中国人の若い女性が「きれいに見えますよ」…

やはりカズオ・イシグロのノーベル文学賞のこと

1. 岡村さん、祇園からのコメント有難うございます。当事者の悩み、お察しします。 「狭義の観光地」を、「料金を払っても、不特定多数に見てもらい・楽しんでもらう場所」と定義できるとすれば、祇園花見小路は該当しないでしょうから、何らかの入場制限の…

『ことばを鍛えるイギリスの学校』(山本麻子)のことなど

1. GWの連休が始まり、老夫婦で田舎に来ています。桜がちょうど盛りで、鯉のぼりも舞っています。 前回はイースター休暇で一時帰国した孫のことを書きました。 英国の小学校のことにも触れたいと思います。 といっても、とくに詳しいわけではなく、彼が通っ…

Brexit(英国のEU離脱)の現状とこれから

1. 連休を利用して信州の田舎に短期間滞在しています。 7日の朝日新聞トップは「野菜高い秋、9月記録的日照不足」とあります。雨・台風の被害を受けた産地は気の毒です。 八ヶ岳山麓は幸いにたいしたことなく、 刈り入れ直前の稲穂が垂れる稲田と、隣にはす…

エコノミスト誌論説「Britain’s one- party state」

1. 雨の多い日々は、金木犀の香りがひときわ匂うような気がします。 近くの東大駒場の銀杏並木を歩いて図書館を訪れることが多いですが、銀杏の実が舗道に落ちて、これはもっと強い匂いです。 昨日は家人と調布市の神代植物公園へ。人は少なく、秋咲きのバラ…

英国のEU離脱――「ブレグジットの地」対「ロンドン人の国」

1. しつこくこの問題を取り上げています。 まずは昔、「シティ」で働いたこともあり、個人的な関心があります。 「シティ」はニューヨークと並ぶ世界の金融センターですが、それぞれの国に拠点がなくてもロンドンから欧州27の国と金融ビジネスができる、いわ…

英国のEU離脱問題とカズオ・イシグロ

1. 前回のブログで取り上げた「Brexit(英国の離脱問題)」の国民投票は、フェイスブック上でいろいろ貴重なコメントを頂きました。 1週間経って、英国は混迷状態にあります。最新のエコノミスト誌は「無政府状態の英国」と表紙に掲げました。 たまたまロン…

EU残留を問う英国国民投票と現役政治家を襲った悲劇

1. 我善坊さん有難うございます。コメントを拝読しながら、学校秀才とは何か?そ もそも教育、とくにリベラル・アーツ教育について考えました。「仰げば尊し我が師の恩」と歌った、私のような古い世代には、教育が人格陶冶の場ではないかという思いが抜けま…

エコノミスト誌「中東特集―内部の戦争」

1. 我善坊さんコメント有難うございます。 「情緒を排して冷静な事実に立って判断をするよう促すのが、マスメディアの役割のはず」というご意見は、マスメディアの役割についてはご指摘の通りと思います。 ただ、一般論としていえば、 オバマさんの言動自体…

「キーワードは多様性」とロンドン市長「市民カーン」

1, 我善坊さん、長文のご説明有難うございます。 諏訪大社については、以下のような研究が定説になりつつあるようですね。 「祭神が建御名方(タケミナカタ)神に固定されたのは明治になってから」、 「柱立てという行為は世界中の原初的な信仰にみられる」 …

英国からの観光客とITの時代

1. 東京の桜は葉桜になりましたが、良い季節で人出も多く、街は賑わっています。3月20日の新聞には「海外からは年間2000万人に迫る勢い、海外に向かう日本人観光客の数を45年ぶりに上回った」とありました。 私も英国からの来客と会う機会がありました。今回…

英国から来たパワーフルな女性たち

1. だいぶ寒くなってきました。しばらくご無沙汰していますが、今年の京都の紅葉はどうかな、と思っています。桜の時期とともに、いまの京都は観光客で大賑わいでしょう。 今回はその観光客の話で、英国からやってきた女性6人と東京で「アフタヌーン・ティー…

メルケル首相は「いま必要不可欠な欧州人」(エコノミスト誌)

1.まずは13日(金曜日)のパリ市中心部で起きた悲惨・残酷ななテロ。 2001年9月11日のアメリカでの同時多発テロを直ちに思い起こします。私たちはいまだに「ポスト9.11」の時代に生きていることを痛感します。 (1)フランスでは右翼の国民戦線がますます支持…

5年ぶりのロンドン雑感

1. いきなり私事ですが、ここ10日ほど末娘が孫を連れて一時帰国し、狭い我が家に滞在し、賑やかでした。3歳半の彼は時差がとれず、午前3時には起きてしまうので、老夫婦も一緒になって付き合い、くたびれました。 ということで一人になってゆっくり本を読ん…

英国の田舎(カントリー)と「保守」について

1.前回、英国の田舎に住む日本人女性を紹介しました。 フェイスブックのコメントで、明治時代に日本人最初の国際結婚と言われる、NYのモルガン財閥の1人と結ばれた、いわば先駆者がいたことを思いだしました。 コメントを頂いたのは、この、お雪さんという…

英国の田舎フルべック村に住む日本人女性のこと

1. 英国に旅立つ直前、年下の従妹から久しぶりに連絡があり、「婚活」の依頼でした。 ドイツ留学の経験もあり、ピアノ講師をしている34歳の素敵な女性の親から頼まれて良い相手を探している由。 当てはまったくないものの、京都に住む同じく従妹と息子にメー…

南ア戦勝利の翌日の「サンデー・タイムズ」を買う

1.十字峡さんたいへん遅くなりましたがコメント有難うございます。ラグビー大ファンの十字峡さんのことですから大いに興奮されたと思います。たしかに殆どの人が勝てると思っていなかったようですね。 日本でも「歴史的勝利」という言葉が使われました。 も…

ラグビー・ワールドカップをTV観戦しています。

1. 海太郎さんコメント有難うございます。5年ぶりの英国、3年ぶりの海外への旅ですが、やはり年相応にくたびれますね。これが最後かなと思いつつ、明日にはもう帰国となりました。 いまは、当地時間の土曜日(19日)の夕方6時前、娘の家でテレビを観な…

旅先からのブログです。英国はサリー(Sutty)州オタショー(Ottershaw)にて

1. 突然ですが、台風と大雨で被害もあちこちに甚大な日本国を離れて、英国に来ています。 高校時代の友人&義兄との老人の二人旅です。 10日(木)の午前中に成田を発って当日の夕方に到着、11日(金)はあっという間に終わって、いまは現地12日(土)の朝10時で…

カズオ・イシグロの『忘れられた巨人』と、「記憶は信頼できるか」

1. 前回は「戦争の記憶」と題して、J.D.サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を紹介しました。今回もやはり「記憶」を扱ったイシグロの小説『忘れられた巨人』です。 今年2月に、映画化もされた『私を離さないで』以来10年ぶりの長編”The Buried …

ローラ・バセットのオウンゴールを英国メディアはどう報じたか

1. 本日のブログは珍しく、女子サッカーの話です。 といっても、「なでしこジャパン」については、山のような情報が流れていると思いますので、1日の準決勝でなでしこに2-1で敗れたイ ングランドの、オウンゴールで敗れた当事者ローラ・バセット選手について…

英国の総選挙と、英国の自民党と・・・

1. 十字峡さん有り難うございます。まさにその通りで「笹離宮」の理事長さん(薬品会社の社長)は安井先生の紹介で京都のHさん宅にお邪魔したと言っていました。連休は田舎でこんな風に過ごし、白樺やカラマツの新緑は日に日に濃くなり、八ヶ岳と青空は連日…

英国人の若い女性と「アメリカの新しい貴族たち」

1. 海太郎さん有難うございます。「鋳掛屋(いかけや)」というのは昭和30年代の東京ではもう下町でぐらいしか見なかったかもしれません。しかし職人さんの「直し」が貴重な仕事だった時代は本当に懐かしいです。 このところ少し春めいてきた気もして、昨日…

2014年最後のブログです、と「童謡」の動画を見る。

1.江戸時代の豊後日田の街並みが同じ高さ・同じ白壁・同じ瓦葺きが整然と並んで美しい、日本にもかってこんな風に統一と調和のとれた街並みがあったのだ、と前回書きました。 我善坊さんから、都市景観の美しさには「パブリックの精神」が必要だというコメン…

スコットランド住民投票の結果と、「寛容・良識」

1. たいへん遅くなりましたが、我善坊さん、海太郎さん、コメント有難うございます。何れも貴重なご指摘で、まったく異存ありません。 実は、遠い海の向こう、スコットランドの住民投票が日本でもこれほど大きく報道されるとは意外でした。 あまり知られない…

いよいよスコットランド独立を問う住民投票

1. 前回は信州の山奥で夏を過ごし、家の周りは夜になると真の闇になることに触れました。 都会人は闇を知らないというタイム誌の記事も紹介しました。 田舎では闇だけではなく、朝の散歩で霧に包まれることもあります。 ずっと田舎暮らしという訳にもいかず…

「傘ポン」から「エコノミスト」中国特集記事と中国人観光客

1. 相変わらずうっとうしい天気で、傘が手放せませんね。デパートなどに入ると(私の場合は渋谷の東急本店内の本屋に行く時が専らですが)、入り口に濡れた傘をビニールで包むという、いわゆる「傘自動装着器」と称する代物を置いてあるところが増えて、これ…

前回は「ごきげんよう」今回は英国の貴族とラグビーの話

1. 先週は、雑用があって3回、六本木まで出掛けました。 うち1回は、六本木の高層マンションの先輩の自宅で年に3回ほど開かれる「Hサロン」と呼んでいる集まりです。夫婦3組プラス男女3人の計9人の高齢者が集まって、コンビニで買ったお弁当を頂いたあと、…