ksen2005-11-14

10月25日京都での、アリス・テッパー・マーリンのスピーチ原稿を読み返しているところです。
アリスは、日本でNPO活動を続ける・あるいはこれから目指そうとする人たちを念頭におきつつ、「私たちは特別のきずなで結ばれています」と語りかけます。ちなみに彼女は、この人たちこそ「ソーシャル・アントレプレナー」と考えます。「社会起業家」という訳語より「社会改革者、ソーシャル・チェンジ・メーカー」という意味合いが強いように思われますが、「ソーシャル・アントレプレナー」がどういう人たちを意味するか?その定義は?については後日さらに考えてみたいものです。
「私たちを動かしているのは----ともに働いているスタッフや理事会の人たちを含めて----この社会を少しでも良くしたいという強い思い、そして、社会的な課題や環境の問題に対して、新しい・より効果的な解決策を考え出し・実現したいという強い思いなのです」
しかし、NPO活動は困難をともなう、とくに以下の諸点ではビジネスを起業するよりもいっそう厳しいものがある、とアリスは語ります。
・ヴィジョン・夢が大きいだけに焦点を絞りこむ難しさ(私なりに補足しますと、例えば前に紹介したオムロン京都太陽の取り組みです。人によっては、たった130人程度の雇用か、大海の一滴ではないか、と思う人もいるかもしれません。ソーシャル・チェンジを目指す場合に、どこまで夢を大きくできるか?という問題が常にでてきます)
・活動の成果を客観的に評価することの難しさ(自己満足に終わらないためにはどうしたらよいか?)
・資金調達にともなう困難
・そして、組織運営の難しさ・・・・ビジネスの起業家・経営者と違って、ソーシャル・アントレプレナーは組織を所有している訳でもコントロールしている訳でもない
「そんな困難かつ厳しい途を、どうして私が選び・続けているのか?このセミナーを企画した責任者(私のことです)は、この質問を私に何度も投げかけました。
そこで、私は夫のジョンと2人で、この点について十分語りあいました。その話あいから整理されたことごとをお話したいと思います・・・・・・」