ksen2006-01-19

我善坊さん、machidaさん、canary-londonさん、活発なご意見まことに有り難うございます。お3人ともたいへん鋭いコメントで私のブログよりよほど内容が濃いと思います。いろいろ考えさせられました。感謝です。
実は我善坊さんの思いは私もかなり共有しているつもりで、前回のタイム誌の紹介、とくに最後の部分はオリジナルの文意にない皮肉を若干こめたつもりです。他方でmachidaさんの冷静なコメントもなるほどと納得しながら読みました。注目すべきは新しい金持ち特にIT起業家の行動様式ですね。そしてcanaryさん、同じ思いでタイム誌を読んだ様子を嬉しく想像しました。それと「イマジン」についてのボノの発言の趣旨はご指摘の通りです。私も書いてからちょっと舌足らずだったなと反省していたところです。
「ソーシャル・アントレプレナー社会起業家)」の定義はなかなか難しくて私も悩んでいるところですが、何れにせよ、ビル・ゲイツについて言えば、私も「ソーシャル・アントレプレナー」というより新しいタイプの慈善事業家(フィランソロピスト)と呼ぶべきではないかと考えています。
もっともその話は出来れば次回以降にということで、今日は、ここ2〜3日大騒ぎになっているライブドア事件と株式市場のことにも少し触れたいと思います。
ちなみに今朝の日経朝刊によれば、こういう言い方は申し訳ないけど、悲喜劇のようなエピソードが載っています。「東京の30歳代の男性会社員は80銘柄ほどの(ライブドア関連)保有株をすべて売却しようと決めた。職場のパソコンから自分の口座を呼び出し、仕事そっちのけで売り注文を出した。約30分で約85百万円分の株式を何とか売り切った」「都内に住む20歳代の男性は16日にライブドアオート株を信用買いしたが急落。売るに売れぬまま、わずか3日間で含み損が1千万円に膨らんだ・・ぼうぜんとするばかりだった・・・」
ホリエモンについて私が唯一思い出すのは、昨年7月末にNYに出張したときに、ある在NYの日本人女性とイェール・クラブで夕食をともにしました。その時も「ソーシャル・アントレプレナーとは?」という話になって、私が「ホリエモンアントレプレナー(起業家)のようだが、彼がそこからソーシャル・アントレプレナーに変身できたら大したものだ。小倉昌男ビル・ゲイツの生き方を見習ったらどうだろうか?」とコメントし、相手に大いに賛同されたことを思いだしました。もっとも2人とも「まあ、無理でしょうね。」と言い加えたものでした。
そもそも、彼は「アントレプレナー」なのだろうか?それとも、単なるgreed(貪欲)にかられたpredator(肉食獣)に過ぎなかったのだろうか?私なりに考えているところです。他方で、このような人種を大いに持て囃したり・と思うと、手のひらを返したように引きずりおろしたりすることではきわめて節操のない、日本社会とマス・メディアの在り方についても考えています。
なおこの事件を海外にいる若いインベストメント・バンカーがどう感じたか?について面白く読みましたので、ご興味のある方は、http://canaryldn.exblog.jp/もご一覧ください。