週末、大阪天王寺駅近くの安いビジネスホテルに2泊したのですが、夕食を同僚と終えてホテルの部屋に入ると何もやることがない。PCもDVDもCDもない。部屋はやや暗いので読書も長時間は疲れる。ということでTVを付けていたのですが、これがNHKはトリノでの冬季オリンピック一色(ちょうど開会式だったせいもあり)。
たぶん相当のひねくれ者だと思うのですが、私はテレビとくにNHKのニュースだのオリンピックだの、あまり見ません。ましてドラマや民放の番組は何となく疲れる(私のような年よりにはトーンが高く・語調が早すぎる)。
オリンピック報道に関して言えば、アナウンサーのハイというか興奮した語り方に違和感を覚えてしまいます。事実を冷静に淡々と報じてくれれば、こちらも逆に燃えてくると思うのですが・・・・


それと、異論も出てきそうですが、オリンピックなるものは、19世紀後半の近代国家の成立(欧州はもちろん、アメリカも真の国家統一南北戦争のあとでしょう)を前提にした20世紀の産物ではないでしょうか?
ネーション・ステートが挑戦をうけていることはご承知の通りで、アジアを取りあげても、タイペイや香港のオリンピックへの参加にもその片鱗が見られます。21世紀のスポーツ競技というのは、オリンピックのような、ナショナリズムを基調にした国別の対抗競技から変貌していくのではないかと思うのですが・・・・
そして、無い物ねだりかもしれませんが、NHKの報道からそのような問題意識や緊張感を一切感じないのが不満です。例えばこれは推測ですが、イタリア全土が燃えている訳ではないでしょう。南のナポリあたり、かなりクールなのではないでしょうか?そういった報道があれば面白いなと期待しているのですが。


ということで、大阪のホテルではテレビを敬遠して、読みかけの『ラ・ロシュフーコー公爵伝説』(堀田善衛)と“NEWSWEEK”を読み、早寝をしました。NEWSWEEKの2月13日号は「Turning Un-Japanese(非日本人に向けて)」という特集で、日本人がいかに日本人らしくなくなってきたか東京駐在員が報告しています。昨年赴任早々、まず、ハロウィーンに大騒ぎしているのに驚いたそうで、いまはヴァレンタイン・デイに驚いていることでしょう。因みに、昨日「Happy Valentine Day」のカード・・と書いたのですが、送り主から指摘を頂き、「Happy Valentine’s Day」の誤りでした。

ひねくれ者の私は、昨夜も、オリンピックを敬遠して、京都のアパートで、衛星放送で昔の映画『炎の人ゴッホ』(1956年アメリカ映画、ヴィンセント・ミネリ監督、カーク・ダグラス主演,原題”Lust for Life”)を観ました。写真はNY近代美術館です。