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荒川選手の金メダルで日本中が沸いています。
私はこの快挙についての日本以外の報道に興味を持ったのですが、それほど暇でもなく、かつ情報も限られていて、アメリカの報道３つをネットで検索した程度です。だからまことに限定的ですが、その中でニューヨーク・タイムズの記事には正直言って腹が立ったのでここに記録しておきます。2月24日Lynn Zinserの署名記事です。

まあ、アメリカ代表コーエンが2位になって悔しい気持ちは分かりますがそれにしても素直でない。まずこういう文章です　――「荒川のスケートはまことに優雅ではあったが、オリンピックにふさわしい、卓越した金メダルの演技ではなかった。だから、この試合は、誰が金メダルを得たかよりも、誰が金を取れなかったという点で記憶されることだろう（Although Arakawa skated an elegant program-----it was not the transcendent gold medal performance the Olympics often produces. So,ultimately,this competition will be remembered as much for who did not the gold medal as for who did.））」。
まるで自分が審査委員みたいに傲慢ですね。

こんなことも書く必要ありませんよね　―――「荒川のあとの選手が彼女より低い得点をあげるたびに、彼女がコーチ陣と笑っているのをカメラが写していた（As each skater after Arakawa failed to top her score, cameras showed her smiling and laughing her coaches backstage）」。

NY Timesの記事には、今回だけでなく、時々こういう意地の悪さを感じることがあります。私は全くの偏見かもしれませんが、アメリカ人というより、ユダヤ人の性向ではないかと疑っています(NY Timesは別名Jewish Times）。Zinserなんて名前もJewishではないでしょうか？何れにせよ、アメリカにはこういう意地悪さもある（とくに自分が劣勢なときに）ということは知っておいた方がいいと私は思います。
これに比べて、CNN.COM. と　USA TODAY は素直に絶賛していて、この素直さが本来のアメリカ人ではないかなあ・・・・。

以下CNNです。
“At the end as the crowd cheered, Arakawa bowed her head with her hand on her chest, a far cry from the air punches that usually go with a spectacular performance.(演技が終わって歓声にこたえて、彼女は胸に手をおいて頭をたれた。それは、すばらしい演技をしたあとで選手がよくやるガッツポーズとは、全く異なった仕草だった)”―――NY Timesが伝える、他の選手の得点を見て笑っていたなんていう文章に比べてはるかに品がありますよね。

うまい文章だなと思うのはこんなところです　――“The 2004 world champion performed to the strains of “Nessum Dorma” from Puccini’s opera Turandot which ends the tenor singing a triumphant “Vincero” or “I will win! “ By the end of her four-minute display, there was no doubting that she had lived up to the message””

日本の新聞記者もこんな文章を書いてほしいですね。テューランドット第3幕冒頭のテナーのアリア「誰も眠らせない」は、テューランドット姫が出す謎（いままで誰も答えられず、何人もの挑戦者の命を奪った）に挑戦する王子が自分は謎を解いてみせる、「自分は勝つ」と高らかに歌い上げます。荒川選手の演技はまさにその誓いにこたえるものだった、とアリアをふまえて賞賛しているのがCNNの記者です。こんな風に、洒落て書いてみたいものです。

USA TODAYになると・・・・「ひょっとして荒川の勝利は日本の時代の到来を告げるものかもしれない"Perhaps,too,Arakawa's win　is a sign Japanese dominance has arrived.”」

欧州やアジア・オセアニアの報道については全く知りませんが、どうなんでしょうか？・・・