さすがに新年度初めは慌ただしく過ごしており、更新も遅れ気味です。

まずは、8日付け我善坊さん、6日付け海太郎さん、コメントまことに感謝です。何れのご意見についても今回だけでなく、フォローしていきたいと思っております。


我善坊さん、「学問の有用性」と「学問のための学問」について見事に整理して頂き、これで元会社員さんの問題提起と合わせて私の頭もだいぶクリアになりました。中世以来の学問についてはご指摘の通りでしょうが、それこそギリシャの昔、学問が余暇から始まった・・・そのあたりとどうつながるのか?私なりに考えてみたいと思います。それと前にも書いたように、私としては典型的な教師像というと(もちろん漱石風にデフォルメされているとはいえ)『猫』の苦沙弥先生が思い浮かぶですが・・・


海太郎さん、日本電産永守社長の講演とそこから派生する企業の貢献について、興味深く読ませて頂きました。いわゆるCSRについては、長くなりますのでこれからフォローしたいと思います。ご承知のように永守さんにしても、京セラの稲森さんにしても、毀誉褒貶(これワープロでないと漢字で書けませんが)の多い人物のようで、そこが面白いですね。日本電産という会社も、私の昔の職場の同僚で同社に移ってたいへん苦労した人を何人も知っています。それだけ人物のスケールが大きいということにもなるのでしょうか。



本日は、もう1つ京都企業ということで「イノダのコーヒ」について少し触れたいと思います。
京都では知らない人のいないブランドで、映画の舞台にもよく登場する、町屋づくりの有名喫茶店(最近はカフェという言い方がはやるようですが)です。映画では『夜の河』(1956年吉村公三郎監督)で、上原謙山本富士子のデイトの場面が印象に残っています。「京都の朝は、イノダコーヒの香りから」のキャッチ・コピーで知られています。

私の住むところから2〜3分のところにあるので、週に数回は、朝の出勤前に珈琲を飲む、おなじみの場所です。常連が多いのと、全国的にも知られているので観光シーズンになると行列ができます。このところの桜のシーズンは、朝早くから並んでいて、入るのを諦めたことも何度かありました。


珈琲の味は酸味の強い独特なので、好みでない人もいるようですが毎朝座っている常連も大勢います。1杯442円と決して安くないし、軽食もそこそこの値段です。にも拘わらず、どうしてこれほどの人気スポットなのか?私なりに考えた理由は以下の通りです。

1. 雰囲気とコンセプト:町屋のつくりを残し、ゆったりしたスペース。小さいながら中庭があり、季節には梅の花が咲き、窓から庭を眺めながら飲む珈琲は、家にいるようなくつろぎを感じさせる。

2. サービスの良さ:社員教育が行き届いているのか、ウェイター・ウェイトレスがどなたも実に感じよく、私も8年以上通っているが、不愉快な経験がいちどもない。

3. 珈琲の飲みたい時は元旦でもやっている:1年中365日、本店(中京、堺町の三条と六角の間)であれば、朝の7時から夜の8時までやっている。いつ行ってもオープンしているという安心感。

4. 京都にしかない:京都には本店の他、三条店、京都駅内等あちこちあるが、全国的には何故か、他に広島・札幌にしかない。つまり、京都に行ったら「イノダ」というインセンティブ

5. 同じメニュー:これは良くも悪くも、ということだが、基本的に、珈琲の味も軽食のメニューも全く変わらない。つまり、イノベーションがない。朝食を本店でとることも多いのですが「ロールパンセット」というのがあって、ロールパンにはさんだ小さなえびフライにソースがかかっている、キャベツとポテトのサラダが添え物。珈琲とセットで735円。このメニュー、私の同僚の・京都育ちの夫人が女子大生時代からあったというから、相当なものです。


まあいろいろあるでしょうが、取り敢えずこんなところです。もちろん個人企業で数字等公表していないのでどんな財務内容の会社か、どんな社会貢献をしているか?さっぱり分かりませんが、非常に興味をもっている京都企業の1つです。

4日ぶりなこともあり、長くなりました。