ksen2006-04-26

19日付け我善坊さんコメント有り難うございます。4月から大学院で江戸時代の政治思想を研究されるとのこと。まさに丸山真男がテーマでしょうか。成果をお聞きするのを楽しみにしております。当方は日常業務に追われて、更新がすっかり遅れました。書きたいことは山ほどあるのですが、手が追いつきません。今回は、この間に書き残した一部をぼちぼち書き残しておきたいと思います。


1. 前にお知らせしたKSENの4月イベントを15日(土)無事に開催しました。15名が参加し、良心的なアート系の映画館を京都のど真ん中に作ろうという意気に燃えて活動している、京都シネマ経営者(㈱如月社・社長)の神谷雅子さんからいろいろ話を伺う企画ですが、その前に、神谷さんご推薦かついま話題の映画『寝ずの番』を観ました。


2. 映画は大評判で、その後大型館でも封切られています。神谷さんの営業判断があたったということでしょうか。京都シネマは3スクリーンですが、当日は「ブロークバックマウンテン」「かもめ食堂」という同じく評判の映画も同時にかかっていて、まさに芋の子を洗うような混雑でした。同シネマにとっても初めての経験だそうですが、そのためKSENのイベントへの参加者を見つけるのがたいへんで、上映ぎりぎりまでやきもきしたあげく、私は一番前の席で、仲間の1人は立ち見になってしまいました。


3. この映画、京都シネマの宣伝文句を引用すると以下の通りです。
「落語家・笑満亭橋鶴と一番弟子、おかみさんが亡くなり、しんみりと送るはずの通夜の席・・・が想い出話を肴に次から次へと飛び立つ艶話。洒落で笑って粋で泣く、刺激満載の大人のエンターテイメント。津川雅彦が三代目「マキノ」を襲名、豪華キャストを大勢迎えての堂々の初監督作品である」


私は、観ていていまいちでした。実は京都シネマは私のお気に入りの映画館で、上記の「ブロークバックマウンテン」「かもめ食堂」「寝ずの番」すべて観たのですが(これで忙しいと愚痴っているようでは、楽屋裏がばれてしまいますが),
私の好みは上記の順番です。特に「ブロークバック・・」には、アメリカ映画といってもこれは東洋人監督の感性に支えられているのだろうと、久し振りに感動しました(ご承知のいようにアカデミー監督賞を受賞)。
津川初監督の方はどうも評価が分かれるようで、若い仲間の評判は決して悪くなく、しかもそれ以上に印象的だったのは、尊敬する某学長の評価が高いことです。教授会のあとで呼び止められて「京都シネマで観た『寝ずの番』よかった」というご報告をわざわざ頂きました。某学長は、臨床心理学の大家、クリスチャン、おまけに「全国いのちの電話」を自ら立ち上げ、長年献身的に支えて、現在は理事長をしている、私が思うに、まさに「ソーシャル・アントレプレナー社会起業家)」の代表人です。


4. そういう人物であるだけに、(珍しく)私の感じとずれがあって、面白く聞いたのですが、おそらく、臨床心理の権威かつ宗教学者として、しかもキリスト者としてこの映画に描かれた「死」への姿勢(「死よ、驕るなかれ」の精神を、笑い飛ばすことで表現するという・・・)に強く興味を持たれたのではないかと思います。まだゆっくりその点を確かめる時間がないのですが。

という訳で、書き出すと長くなってしまいます。神谷さんの話については、また次の機会に致します。