ksen2006-06-21



少し時間が空きましたが、5月29日にゼミ生13人に「1冊の本」を選んでもらったことを
書きました。


これを日曜日に偶然会った、KSEN(京都ソーシャル・アントレプレナー・ネットワーク)の若い仲間に話したところ、彼女のブログで紹介してくれました。


偶然会ったというのは、日曜の午後、新京極に近い映画館の中で、同じ映画『花よりもなほ』を見終えて出たところ鉢合わせになったものです。お互いにひとりというのはちょっとわびしい週末というか気楽なひとり暮らしというか・・・


映画は、もともと私は『ナイロビの蜂』を見ようと思っていったのですが、時間が合わずに変更したものです。
従って予備知識がなかったのですが、面白かったです。
気鋭の是枝監督作品。時は元禄15年、赤穂浪士の討ち入りを絡ませながら、仇討ちのむなしさをユーモラスにとらえています。
上記のブログの説明によれば、監督は、2001年9月11日の同時多発テロの直後に着想を得たそうです。そう言えば、今年はあの事件から5年になります。
ちなみに,映画の題名は浅野内匠頭の辞世「風誘う/花よりもなほ/我はまた/春の名残を/いかにとかせん」からとったようです。


ところで「1冊の本」ですが、ゼミの3回をかけて、全員に発表してもらいました。


他のメンバーの「本」を読んでいないため、知識の共有がやや難しく、その点に難点がありましたが、少なくとも、全員が、ゼミのテーマとは無関係に自分で選んだ「本」について発表するという経験をした訳です。


「1冊も読み通したことがない」という若者も、『輓馬』(鳴海章、文春文庫。昨年の東京国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した映画「雪に願うこと」の原作だそうです)という本をともかく読み終えたようです。
「初めて本を読み終えたということは君の人生の中で、ひとつの出来事として記憶に残ってほしいし、残ると思うよ」と伝えたのですが、どんなものでしょう。

もっとも、彼の発表は、「解説」からの丸写しらしく、自分の書いたレポートを読みながら、時々読めなかったりして、仲間と笑ってしまいました。
まあ、彼の場合は、本を読んだだけで評価しており、自分の文章で書くという訓練は、彼と私にとって次なる課題だと思っています。