すでに大きな話題になっており、ご存じの通りですが、タイム誌の12月25/1月1日号に発表された、同誌選定の「06年今年の人・Person of the Year」は「YOU(あなた)」です。


昨年は、「良きサマリア人」という副題でゲイツ夫妻とロック歌手のボノの3人が選ばれたことは、私のブログでも3回にわたって紹介しました。

06年は、まさに「ウェブ進化論」で「梅田望夫氏が主張する「総表現社会」を象徴する流れでしょう。


共同通信の記事は以下の通り。

・・・米誌タイムは16日、年末恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」(今年の人)を発表、世界中の各個人がインターネットを通じて情報や動画を自由に発信し、世界に大きな影響を与える時代に入ったとして、一般市民を指す「あなた」を選んだ。
 同誌は、世界中から毎日おびただしい数の動画が投稿されるサイト「ユーチューブ」や誰もが書き込めるネット上の百科事典「ウィキペディア」が社会に与える影響力の大きさを強調、市民1人1人が「デジタル民主主義」の一員だと指摘した。


タイム誌の文章は以下のリードではじまります
・・・歴史は偉人によってつくられるという思想はスコットランドの哲学者トーマス・カーライルが言い出したと言われている。「世界史とは、まさに偉人の伝記である」とは彼の言葉である。カーライルは、人類の総体としての運命を形作るのは、少数の有力な著名な人たちであるという信念を披瀝した。

そのような思想が今年、深刻な敗北にみまわれることになった(That theory took a serious beating this year)。


記事は、続けて、そのような現象を可能したツール(道具)がワールド・ワイド・ウェブであること、 人々が、見るだけではなく参加するようになったこと、問題点も多くあるが、新しい人間相互の交流が世界的に生まれる可能性があることを指摘しています。


結論部分の原文は以下の通りです。

This is an opportunity to build a new kind of international understanding , not to politician to politician, great man to great man, but citizen to citizen, person to person.
It’s a chance for people to look at a computer and really, genuinely wonder who’s out there looking back at them.


16日は少人数の2回生とともに学ぶ「現代応用演習」の今学期最後の授業でした。

私は、選定理由を説明したタイム誌の2頁のコピーをとって、「君たちが主役なんだ」というメッセージをどう思うか?いろいろと意見交換しました。

若者も携帯でブログを作ったり、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに参加したりYoutubeを見たりしているようです。


問題だと思うのは彼らの英語力で、どうも彼ら自身の能力というよりも中高の英語教育に大きな問題があるのではないかという気がしてきます。

「英語は好きでない」「英語は苦手」という発言が多く、英語の文章を読んで(細かい内容はいいから)大意を理解するという楽しみを訓練されていないと思います。

語彙の少なさも問題で、たとえば上記の文章で、"opportunity"や“politician””という単語について誰もが、習ったことがない、或いは覚えていないそうです。


(6割でも7割でもいいから)英文(の大意)を理解しそこに日本文を読むとは違った世界観が広がる・・・という経験を若い時にしてほしいのですが・・・