海太郎さん有難うございます。たいへん参考になりました。

バフェットの件、若者に働いてもらいたい点、ご指摘の通りですね。
学生の就職活動については、いままさにたけなわで気になっているところです。もっとも
授業が終わって、なかなか彼らに会う機会がありません。

本日は、学生のレポートの採点について報告しておきたいと思います。


現代社会入門Ⅱ」という選択科目があって、4人の教員の、いわゆるオムニバス講義です。課題は4人が1つずつ出して、学生はその中から1つ選んで、A4で3枚ほどのレポートを提出します。


私の課題は「ソーシャル・アントレプレナー社会起業家)について論じてください」というもの。

受講生70人のうち20人がこの課題を選びました。20人全員がこのテーマに関心を持って選んだかどうかは分かりませんが、少なくともインターネット等で調べたり、私の教材を読み返したりの努力はしてくれたようです。


1.「事例を挙げて」と明示しました。多かったのはビッグイシュー日本の佐野さんで6人、次いでノーベル平和賞のユナス博士4人、フェアトレードのサフィア・ミニーさん3人・・・といったところ。これらは授業で取り上げたので当然でしょう。


あとは、彼らが書物やインターネットで知った、
ap バンク坂本龍一さん他(apはアーティスト・パワーの略)
ロザンヌ・ハガティとコモン・グラウンド、
社会福祉法人「むそう」と戸枝陽基さん、など。



2.それぞれのレポートにどういう採点をするかは、いつも悩むところです。
教員によって採点の基準に多少の違いや好みが出てくるのはやむを得ないだろうと思います。
私はおおよそ以下のような考えで評価しています。


1. ただ他人の文章を丸写した類のもの ――「可」(今回も、ほとんど『社会起業家―社会責任ビジネスの新しい潮流』(斉藤槙、岩波新書)から丸写しというレポートがありました。参考資料としてあげているのはご愛嬌ですが、引用文であることの記載がまったくない)


2. 多少、論理に乱れがあったり幼稚だったりしても、自分の頭で考え、自分の文章で書いているもの ――「良」


3. 論理もそれなりにしっかりし、自分の意見がクリアで、かつ目配りがよいもの ――「優」


4. 文章に「個性・つや」あるいは「品」があり、自分の意見にオリジナリティがあるもの ――「秀」


 ひとつ、私好みのレポートがありました。
例えば、以下の箇所・・・・

「私はビッグイシューを購入したことがあるのだが、そのとき周りに視線を感じるような気がした。しかしビッグイシューを購入したときの売り手のホームレスの方の感謝の動作や表情を私は忘れることができない。なぜなら私が掲載されているアーティスト目的という軽い気持ちで購入した200円という代金が彼にとっては大きな200円であることを理解したからである。軽い気持ちの200円という代金が彼にとって大きな200円に変化した瞬間だった。このときに小さなお金でも大切なんだということを学んだ・・・・」


こんな文章、レポートではなく感想ではないかと言われそうですし、もちろん他の教員は違う評価を下すかもしれませんが。

ところで写真はゼミ風景で、本文とは関係ありません。