まさに三寒四温の日々ですね。

横浜寿町についてもう少し書いておきたいと思います。

(株)ファニービーの事業は、寿町の活性化をめざして、簡易宿泊所(いわゆる「ドヤ」)を「横浜ホステルビレッジ」と呼んで、安い値段でバック・パッカーなどの旅行者に泊まってもらおうという趣旨で始まったものです。

スタッフは谷津倉さんと上野さん、あとはボランティアに依存しています。
建物の所有者との契約を取り交わした上で、宿の運営管理を担当することになりますが、オーナーとの交渉は結構たいへんなようで(改修コストの問題もあるでしょうが)まだ1軒、約30室しか確保されていません。これではペイしていくのは難しいので、早急に客室を増やす必要があります。


需要の方は期待できるようで、例えばこの8月に横浜で開催される「世界エスペラント大会」から大量の予約照会があったが、残念ながら断らざるを得なかったというような話があるようです。


そういった、ビジネスをどう育てていくかが最大の課題なのですが、他方で、ここがさまざまな「交流の場・出会いの場」として利用されている姿はいいなと感じました。


また、ボランティアの熱心な活動も印象に残ります。(1円)株式会社にボランティアというのは、不思議に思われるかもしれませんが、彼らからは「ここの空間に居るのが楽しい、自由な雰囲気を感じる」という答えが返ってきました。そういう魅力が、この(失礼な言い方ですが、汚い・ややいかがわしい)町にあるということでしょうか。もっとも、宿泊の部屋の掃除などなかなか重労働で、やはり人集めには苦労しているようですが。



昨年12月27日の日経新聞が“「社会起業家」各地で芽吹く”という記事で、「横浜のファニービー:労働者の街に観光客誘致」と「徳島のいろどり:高齢者の力で過疎地振興」の2例を紹介しています。
記事は「社会貢献と事業的成功を持続的に両立させるビジネスモデルの確立が急がれる」という言葉で終わっていますが、もちろん実態は、きれい事ですむ話ではなく、だからこそ当事者は日々たいへんな苦労を重ねている訳です。


ただ、谷津倉さん(某女子大の院でハンナ・アーレント修論のテーマに選んだという女性)に会っていると、「横浜ホステルビレッジ」に集まる人たち(日本人も外国人も)との出会いを本当に楽しんでいて、その思いが支えになっているのだということがよく分かります。