宇治っこさん、海太郎さん、コミュニケーション能力に関心をもって頂き、有り難うございます。

海太郎さんのコメントが宇治っこさんへの答えにもなっているような気がします。


昨年秋、1回生向けの「現代社会入門」の授業で「現代社会とコミュニケーション」と題して1コマ費やしました。

そこで、大学生向けのメッセージとしてはいささかレベルが低いかなとは思ったのですが(
本当は格好つけてユルゲン・ハーバーマスの名著「コミュニケーション的行為の理論」についてでも話した方がいいかもしれませんが)、コミュニケーションのABCは、まずは、・あいさつする ・返事をする(相手の話をよく聞く、「有り難う」という、頷く・・を含めて)・笑う、の3点ではないかと話しました。


ついでに、「ソーシャル・アントレプレナー社会起業家)」の大事な資質の1つに「センス・オブ・ユーモア」があると言う人が多いという話もしました。


海太郎さんが言われるように、笑顔が大事ですね。
前に連載している某誌のエッセイで紹介したことがあるのですが、アメリカでの実験があるそうで、ショッピングセンターの来店客に向かって、ほほえんだ場合は40%強が、しかめ面をした場合はたった6%が同じ反応を返したそうです。

この実験をふまえて調査は、「君が笑えば、少なくとも世界の半分が笑いを返してくれる」と呼びかけています。

宇治っこさんの「現代若者のコミュニケーション能力」についての質問ですが、たしかに個人差もあるでしょうし、家庭や部活のしつけも大事でしょうね。


ただ、このごろ考えるのですが、そもそも日本人の多くは「コミュニケーション」が何か?理解していないのではないでしょうか。


明治になって、英語の「コンペティション」を「競争」「ディベート」を「討論」「カンパニー」を「会社」・・・と新しい日本語を作ったといいますが、「コミュニケーション」はいつまで経ってもこのままですね。


「コミュニケーション」というのは、「そもそも人間というのは一人一人自分と違っていて(だから素晴らしいので)、夫婦といえども親子といえども、完全な相互理解なんて出来ないのだ。だからこそ少しでも相手を理解しようと努力しないといけないし,かつ、違えば違うほど、そこに(ああこういう考え・こういう人間もいるんだという)新しい発見があって面白いのだ」という思想に裏打ちされているのだろうと思います。

これ、日本人には苦手な発想でしょうね。