「週末いかがお過ごしですか?」から早くも1週間経ってしまいました。

また同じ質問を投げかけるしかないかもしれませんが、私はといえば、

毎日、代わり映えせず、アパートと研究室を往復しています。

この間、「サンダカン八番娼館・望郷」を観ました。
文化博物館で、丸紅所蔵の「シモネッタの肖像」(ボッティチェリ)を展示していた最終日でもありました。


つい最近亡くなった熊井啓監督、1974年作品、同年度「キネマ旬報賞第1位」、主演の田中絹代は65歳で、ベルリン映画祭女優演技賞を受賞。

戦争前の、いわゆる「からゆきさん」の話で、しんどい内容ですが、いい映画です。

1つだけ気になったのが、原作の基本的な姿勢についてです。

原作を読んでいないので何とも分からないのですが、映画では栗原小巻演じる女性史家が、島原を訪れて、自分の身分や取材目的を隠して、「からゆきさん」から話を聞くという設定です。

最後に、彼女は、田中絹代演じる「からゆきさん」に涙とともに事実を打ち明けて詫びる、「いいよ、いいよ。どうぞ公表してくれ」と後者はあたたかく許す・・・・


山崎某という女性の原作ですが、仮にこれが事実としたら、これは基本的に、フィールド・リサーチのマナーに反する行為で、研究者として許せないと考えます。
仮に、最後に、この女性が本当に許してくれたとしても、それは全く別の問題でしょう。

そんなことが気になって、名画なのでしょうが、いまいち没入できませんでした。

文化博物館の観客は、年配者が多いのですが、エンドマークが出て、拍手する人が多かったです。


そして、
1週間後の先週末は、国立近代美術館に「福田平八郎展」を観てきました。

大評判の、相国寺承天閣美術館の「伊藤若冲展」、何れも6月3日が最終日。

いままで時間が取れず、妻が京都に来たこともあり2日(土)にあわてて出かけたのですが、開館20分前に出向いたところ、すでに「入場まで90分待ち」と言われて、切り替えたものです。「福田平八郎」の方は、静かでした。


若冲展」は全国から観に来ていて、10万人を突破したとか・・・日本人の文化度の高さの現れと言うべきでしょうか。

いま愛知でやっていて7月から東京でやるという、若冲の絵画を中心とした「プライスコレクション展」は、すでに昨年秋に京都であり、こちらを観たときは、それほどの混雑ではなかったのですが・・・