mayさん、有り難うございます。

辻邦生のファンは、とくに女性に多いようですね。ブログを読んだ姉からもメールが来ました。
彼女には昨年『西行花伝』を貸しました。私のようなおじいさんなど例外的存在かも。そもそも中年以上の男性は、司馬遼とか藤沢周平以外は、フィクションなど読まないのだろうと思います。

私はこの年になって、まことに恥ずかしながら、大昔読んだ、いぬいとみこさんの童話『木かげの家の小人たち』なんかを読み返したりしています。


大学に勤務する数少ないメリットの1つに図書館へのアクセスが容易なことがありますね。
以前、アメリカの大学をいくつか訪問した際、どこでもまずまっさきに図書館に案内してくれたことを思い出します。いかに誇りを持っているか、図書館の素晴らしい大学がいい大学なのだと実感しました。


ところで、忘れないうちに、前に報告した中村哲医師(ペシャワール会現地代表)のフォローをしておきたいと思います。


中村さんは、20年以上にわたってほとんど独力でアフガニスタンの医療活動や、「世紀の砂漠化」に悩む同国で水資源の確保に奮闘している希有な人物です、水路事業は、いまは200名以上の(主として)ボランティアスタッフと年間4億円の予算の大事業で、資金の大半は寄付により、ODAのような政府資金はいっさいもらっていないとのこと。

以下は、質疑応答で印象に残ったさまざまな言葉

1. Q:これだけの資金集めの苦労と大事なことは?
A:ペシャワール会NPOではなく任意団体。どんな組織でも大事なのは、
(1) 活動の実態を伝えること
(2) 継続すること
(3) 会計を明瞭にすること・・・著名な団体で職員の給料に6割が使われてしまうと
ころもある。同会は95%が活動費で維持費を極力おさえている

2. Q:20年以上も独力でやってこられて後継者についてどう考えるか?
A:たしかに(こんな命がけの)苦労をする変わり者はいない。20年経っても出てこないの
だから、それはそれで仕方ないと思っている

3. Q:なぜ、始めたのか?なぜ続けているのか?
A:よく訊かれるが自分でも分からない。格好よく言えば、ここで見捨てたら男がすたるとでもいった、「見栄」「矜持」か・・・

4. Q:尊敬する人物、あるいはロール・モデルは?
A:内村鑑三(ちなみに中村さんはクリスチャン)、宮沢賢治

5. Q:われわれ、何も行動していない(そのことに多少は恥ずかしいと感じている)人間へのメッセージはあるか?
A:あえて言えば、「時代にすりよらないこと、変わらないこと、若い人に寛容であること、失敗をおそれないこと・・・あとはなにわ節と心意気でしょうか・・・」


終始、静かな、聞き耳を立てないと聞き逃してしまいそうな低い声で、おだやかな応対でした。