坊主さん、試験も無事に終わったことと思います。長い夏休みを有意義にお過ごしください。
試験についてですが、学校の場で、とくにそれなりの人数を評価する場合、筆記試験に頼らざるを得ませんね。繰り返しになりますが、ゼミの場合は接触の度合いが濃いので、幅広く判断することが可能で、私が少人数のゼミを大事にする理由の1つでもあります。

マキノさん、コメント有難うございます。野中さんの「日経コラム」もよかったですね。これについては、私の友人が以下のブログで取り上げていますのでご参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/rokuai57/d/20070601

小倉昌男さんの『経営はロマンだ』は、本学の推薦図書にと思ったのですが、図書委員会の選考から外れました。


このたび、大学で「http://www.kbu.ac.jp/kbu//gakugaimuke/07-100satsu/2007_100satsu.html
京都文教大学の100冊」というのを発表してホームページに掲載しています。
ご興味があればご参照ください。

・・・京都文教大学の学生のみなさんが、学生生活の間にぜひとも読んでおいてほしい図書を「京都文教大学の100冊」として選定しました。これらの図書はさまざまなジャンルから読みやすいもの、すこし歯ごたえがあるものまで、幅ひろく選定されています・・・・

 
私は図書委員ではないので、どういう基準で選考したのか知りません。

まずは教員から各自10冊程度推薦してもらい(全員が協力したとすれば500冊以上になる)、その中から選んだようです。私の「10冊」は、うち5冊が選ばれました(上記『経営はロマンだ』は外れた5冊の1つ)。


100冊のリストは、本好きの私としてもなかなか興味がありますが、以下、勝手な感想と整理です。長くなりますが・・・


・ 各教員からの推薦というか好みにもとづくものにて、首尾一貫性がないのはやむをえない。臨床心理・文化人類・現代社会という3つの学科しかない大学なので推薦書もとうぜん、これらの分野が中心となる。

・ 1から100冊までの順番になんらかの意味があるのか、不明。難易度は委員会で決めたのであろうが、例えば『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が星1つというのはちょっと不思議。


・ 2冊以上選ばれたのは、最近なくなられた河合隼雄の3冊がトップ(臨床心理の大家である以上当然といえよう)。2冊は、阿部勤也、遠藤周作大江健三郎(但し2冊とも小説でないのが面白い)、塩野七生夏目漱石の5人。


辻邦生(背教者ユリアヌス)高橋和巳邪宗門)、それに、カミュ(1冊なら『シジフォスの神話』もいいが、私なら『ペスト』)、サリンジャー(『ライ麦畑』)があるのは私の好みからは、嬉しい。

漱石が2冊はいいとして、その2冊が『それから』と『虞美人草』というのは、推薦者の好みなのだろうが、特に後者は私個人としては異論あり。学生に読ませたいのだからやはり『こころ』『猫』『三四郎』あたりではないか。


アメリカ文学は、上記『ライ麦』のほかはポーとヘミングウェイの3人。私個人の趣味からすれば、ヘミングウェイ(『老人と海』)は落として、代わりに古いのならホーソン(『緋文字』)あるいは、やはり『グレート・ギャツビー』(フィッジェラルド)。

・ なんと言っても、いちばん驚いた、あるいはショックだったのは、小林秀雄丸山真男が1冊も含まれていないこと・・・・・。もう、60歳台以下にはあまり関心がないのでしょうか?


丸山真男小林秀雄については、私としても反省しきり。というのも、当然に誰かが推薦してくれるだろう、だから、私は(誰も考えないような)少し変わった選択をしよう(例えば『代表的日本人』(内村鑑三)『アンドリュー・カーネギー自伝』(坂西志保訳)『ことばと文化』(鈴木孝夫)など)・・という読みであえて入れなかった。まさか、誰も推薦しないとは!

といったところです。

町田洋次さん『社会起業家』も入っています。