土曜日、京都は冷たい雨が降っています。

キャンパスは静かで、昨日の慌ただしい空気(4回生約400人の卒論締め切り日)がうそのよう。教員は私ひとりの様子。25日からしばらく京都を留守にするので残務整理です。


私自身の12人のゼミ生を含めて全員が無事、提出することができて、ほっとしているところです。昨夜は同僚の某教授と祝杯をあげて、いままでの苦労や心配を吹き飛ばしました。


この2週間、ゼミ生は1人ずつ、最低でも5回は研究室にやってきて、やりとりがありました。
結果、論文と言えるほどの内容になったどうかはいろいろ意見や批判があるでしょうが、皆がそれなりに作品・足跡を残せたという意味では、彼らにとってもいい経験になっただろうと信じたいです。


読むこと・書くことに全く慣れていない連中を指導する教員のエネルギーがあまりに大変なので、ついに隣の学科・文化人類学科は来年度の入学生から卒論を必修でなく選択にすることに決めました。

当・現代社会学科でも「必修を維持すべきか」の議論が出ています。

しかし私個人としては、どんなに大変であっても彼らが4年間、大学に居た証として、必修として残すべきではないかと考えます。
それと、1期生にある彼らにとっても我々にとってもとにかく始めての経験で、来年からはもう少し効率よく進められるのではないか・・・甘い希望かもしれませんが。

集中して取り組んだのはこの2週間ですが、面白いと思ったのは、携帯メールの威力です。私は携帯を持っていないので研究室のPCからのメールになりますが、彼らはもちろん全員が携帯人間。


そこで、
「これからの行動予定は?」
「3限の授業が終わったら図書館に行きます」
そこで、図書館のPCコーナーに出向いていって進捗状況をチェックしたり、アドバイスをしたりすることができます。

午後5時が締め切り厳守(これを超えると、教務課は絶対受け付けず、従って卒業できない)。ブービーメーカーの某君が、当日、予定の午後1時を過ぎても研究室に現れない。
「いま、どこに居る?」
向島の駅です。もうすぐバスに乗ります」
これで、何とか最終ランナーも間に合いそうだとほっとする・・・・


やはり携帯によるコミュニケーションの力は偉大なものです。