前回、先週はイベント3つと書き、その1つ「カスタ君の町家」について触れました。

今回は、27日(金)「現代社会入門」の授業の報告。


1回生向けの必修授業は,
多彩な講師陣が現代社会を語る内容ですが、
この日は、有限会社ビッグイシュー日本の代表佐野章二氏を招き、「社会起業家とは?ビッグイシューの起業
と経営の試み」と題して講演をしてもらいました。


佐野さんに会うのは2年ぶり。前回はゼミ生を連れて大阪の事務所を訪れ、活動内容を伺いました。
ブログにも書きました。

2年前と同じく、ビッグイシューのTシャツとジーンズ姿で元気に大学に現れたのを見て嬉しく思いました。


ご承知の通り、ビッグイシューは、月2回発行する若者向けのオピニオン誌をホームレスの
販売員に路上で売ってもらい、彼らの自立を支援する組織です。

ホームレスをビジネスのパートナーと位置づけるところに特徴があります。


英国で生まれた活動を日本でも根付かせようと、4年前、佐野さんが退職後ほぼ独力で立ち上げました。

当初、若者の活字離れ、フリーペーパーの横行といった現状に加えて、ホームレスは怠惰で働かないという
固定観念もあって、100%失敗する、お前自身がホームレスになるのがおちや、と反対された。

それが、まだ累損を抱えてはいるものの、3月期にはわずか百万円弱ながら初めて単年度黒字を計上したと。


今年9月には5周年を迎える。1人が平均で1日20部程度を路上で販売する。
部数は3万部と横ばいだが、昨年10月に1冊200円から300円に値上げしたことが収益面でプラスになった。

購買者の4割が20代の女性で(「男はだめですね」)、固定客が多いという。

昨年7には平行してNPO法人ビッグイシュー基金も設立、ホームレスのためのスポーツや文化活動に力を入れている。
ホームレスはホープレス、希望を失った人達に喜びを与えたい、
「市民が市民を助ける敗者復活応援事業」を目指している。



 この12月には67歳になる佐野さん。困難にもめげず、老いを感じさせず、Tシャとジーンズがよく似合います。

その姿は、若者にも何がしかのインパクトを与えたのではないでしょうか。
もちろん志と情熱が支えているにせよ、根底には、まずは自分が楽しむという精神の余裕がある、
と言ったら失礼でしょうか。

なぜ、こんな苦労を買って出たのかと、会場からの質問です。ホームレスは推定で全国約2万人、
大阪がいちばん多くて5千人と言われている。大阪で生まれ育った私としては、
何もしないのは恥ずかしい、アホな大阪人やから、やってやろかと思った。そんな答えが返ってきました。