前回ふれた、バラク・フセイン・オバマが「タイム誌08年今年の人」
に選ばれたことについて、補足したいと思います。
1. 同誌は6頁にわたって、「なぜ歴史は待っていられないか?」
と題して、オバマに対する期待と信頼がいかに高いか?
(「待っていられない」と題する所以)が「パーソン・オブ・ザ・イヤー」
に選ばれた最大の理由と語ります。
2.「FDR(ルーズベルト)以来もっとも厳しい就任1年目
を迎える大統領」となるだろうオバマは、
「そのDNAはグローバルであり、考え方はイノベイティブ、
世界はネットワーク化されており、精神は民主主義的な」人物である。
3. 演説のうまさ、言葉やレトリックのうまさが言われているが、
真価は、むしろ実行力・行動力・実務能力にある
(” He gets things done. He is a man about business” )。
大統領選挙において、彼が実現したこと、成し遂げたことは実に大きい。
「明日の“Yes, we can ”が昨日の“Yes, we did ”で裏付けられて
いること」が彼の真骨頂である。
4. しかも、選挙で勝利してからも、その行動力における
スピードと弾力性は変わらない。選挙に勝利した翌日、
勝利に酔う暇も無く、早くもシカゴに参謀を集めて5時間の会議を行うなど
実に精力的である。
というようなことでしょうが、4頁にわたるインタビューも興味深い。
冷静・沈着な人となりが伝わってきます。
5.(「2年後、国民からどのような評価を得たいと思うか?」という質問に対して)
・・・・私は、国民が2年後、こんな風に考えてくれることを期待している。
「政府は完全ではないし、オバマにも十分には満足していない。
しかし、少なくとも私のために働いてくれている。
説明責任を果たし、透明性もある。どういう政策を取っているか、
十分に説明してくれている。
失敗したときは素直に認め、新しい状況に適応しようと努力している。
政治的に都合よいということではなく、事実と合理性に基づいた判断をしている。」
6.(「どんなスタイルで行政府を運営し、政策を実行していくか?」に対して)
・ ・・「別にマジックがあるわけではない。
たぶん私には有能な人物を見分ける点では才能があると思うので、
最良の人材を採用し、信頼し、任せることだと思う。
私はかなり健康なエゴの持ち主なので(“I’ve got a pretty healthy ego,”)、
自分よりはるかに優秀な人間を採用することも全く怖れていない。
ということが分かると、次第に、彼らはお互いに信頼しあうようになり、個人的な不満や野心ではなく、ミッション(使命)の実現に集中するようになる。
そうすれば、物事は成就できると思う。」
なかなか、いい言葉ですね。
誰か、日本の政治のリーダーにも伝えて欲しいですね。
この、「健康な(healthy)なエゴ」という英語ですが、どういう意味か?
ちょっと考えています。
翻訳の専門家のmytopgunさんあたりの意見を聞きたいところです。
私は、思い切って意訳して、「自分を客観的に見つめられる方なので・・・」
と訳してみました。