宇治川でも鵜飼いがあります。

しばらくさぼっており、6月最初のブログです。

いよいよ夏ですね。
当地では、6月13日から約3ヶ月、宇治川で鵜飼いがあります。


言うまでもなく、鵜飼いは夏の季語。


芭蕉が岐阜滞在時に詠んだ句、「おもしろうてやがてかなしき鵜舟かな」をご存じの方も多いでしょう。



古事記日本書紀にも記述があるという古い漁法。

鵜はペリカン目の鳥で、のどにふくろがあり、ここに鮎などを入れて漁をする。魚に傷がつかず仮死状態に
なるので新鮮なまま料理することができ、貴族や大名へ供するご馳走として珍重された。

今では全国に12カ所、うち漁法として続けるのは1カ所のみ。あとは、観光客を呼びつつ、文化の継承を

図っている。


お客は屋形船からかがり火に照らされた鵜舟の動きを見物する。



京都でも嵐山と宇治川で続けられており、夏の間、原則として
(台風による増水でもない限り)毎夜催される。宇治川の鵜飼いは「蜻蛉日記」に
も出てくるそうで、少なくとも平安時代には行われていた。


年間10万人もの観光客が集まるという長良川と違って、せいぜい5〜6千人の
小規模なイベントだが、宇治川の景観をあいまって夏の風物詩として定着している。




 全国に鵜匠は60人、うち女性は4人いるそうだが、その2人が宇治川にいて、
しかもその1人、まだ30歳、4年目のEさんは、私が勤務する大学の職員でも
あります。


なぜ、この仕事についたのか、彼女から話しを聞きました。


生まれが長良で小さい時から関心があった。しかし長良川の鵜匠は宮内庁式部職を与えられ、
世襲である。京都の大学で美術を学んでいるときに恩師を通して縁ができ、職業として選択した。
宇治川観光通船という会社の職員だが、それだけでは薄給なこともあり、昼は大学で働いている。
一年中鵜の世話をする必要があり、しかも夏の間は毎晩拘束されるので休みも取れない。
しかし、難しいが楽しい仕事で、これからも続けたい。
「鵜はペットと違って仕事仲間。世話をすることで信頼関係が生まれる。そこが面白い」と言う。
 


実は、「季(とき)のことば」というコラムに夏をテーマに800字で書いてくれ
と頼まれていて、鵜飼いをテーマにしようと決めて、このブログはその下書きでも
あります。