文化の秋ー芝居を観、音楽を聴きました

ksen2009-11-02

10月31日、11月1日の週末は、大学祭でしたが、
日曜に東京で身内の結婚披露宴があり、ほぼ割愛しました。

東京行きの前に、京都では、31日午後、芝居見物。

「芝居」というより、「演劇」」というべきでしょうか。
北村想作「十一人の少年」(1983年岸田国士戯曲賞受賞)、演出:二口大学、劇団ひまわり青年部公演、
場所は下鴨にあるアトリエ劇研、観客は150人ぐらいいたでしょうか。


こういう芝居を観たのは多分始めてで原作者の名前も初めて聞きましたが、
野田秀樹あたり(この人も名前しか知りませんが)と並ぶ作家で、
「十一人の少年」は代表作とのこと。


話の筋を紹介するのは、筋より枝葉が大事な、こういう芝居の場合、
簡単ではありませんが・・・


区役所の清掃部に勤め、演劇のサークルに入っている青年が、
目の見えない少女と出会う。「十一人の少年」というのは劇中劇で、
北村想ならぬ「へたむら・ぞう」の作だが、結末を書かずに
モヘンジョダロに失踪してしまう。


その結末を、青年が少女に語って聞かせるところで、
想像力がどんなに大事かを確かめあう。

他方で、「思う保険」と称して、人間から「思う力」を奪うことで
幸せを約束するグループが現われ、2人は人間の尊厳を賭けて、
彼らに立ち向かう・・・


とまあ、これだけでは、読んでも理解していただけないでしょうが、
ミハイル・エンデの『モモ』や(これは作中、言及される。
少女の名前は「スモモ」という)、
村上春樹の「1Q84」もちょっと思い出させる仕掛けです。


実は、観劇に出かけたのは、4年生のゼミ生が出演しているからで、
少女のお兄さん役を熱演しました。


彼は、劇団ひまわりに所属しているのですが、卒業したら上京して、
プロの俳優を目指します。芝居で一人前になるのは、厳しいことでしょうが、
若者の想い・夢、何とか成功してほしいものです。

当日は、狭い芝居小屋が満員でしたが、もちろん知り合いや身近な人たちが
観に来ていたのだと思います。

当日は、いろいろな演劇公演のチラシを、どさっと貰いました。
その一部を写真に載せますが、これだけ公演があるということは、
それだけ演劇に夢中になっている若者も居るということで、
金儲けやビジネスだけとは違った生きかたを選択しようとする
多くの若者たちのことを考えました。


たまたま、東京の、身内の披露宴は新郎がプロの作曲家兼ピアニストで、
披露宴というより演奏会の趣きでしたが、ここでも、「芸術」の香り高い人たちが
大勢集まっていました。

私は、洋楽もさることながら、洋食のメニューの中に、つまみのように
「銀座・九兵衛」の2貫だけの「紅白寿司」というのが挟まっており、
「九兵衛のすしを食べるなんて、これが最初で最後だな」と息子と話ながら
賞味しました。

平井元喜さん
芸術家として、ますますの精進を祈ります。