上七軒近くの「カフェ・フロッシュ」と「居場所」について

さわやかNさん有難うございます。

いまでも父子のコミュニケショーンが濃密なご様子、いいですね。
「蛙」のご質問は、以下の「カフェ・フロッシュ」で開催されたイベント、
KSEN「元気人シリーズ・お出かけ編」の報告をご覧ください。


7月3日(土)午後4時〜6時が正式のイベントで、カフェをオープンした2人姉妹から
活動内容とご苦労をいろいろ聞きました。
そのあと午後9時まで、同じ場所で希望者が残って2次会。


場所は西陣北野天満宮や、祇園先斗町とならぶ花街・上七軒に近く、
町家の並ぶ古い・庶民的な街並みで家の前に小さな公園があるのも気に入って、
他の物件を見ることなく即決したとのこと。


(カフェ・フロッシュについて )

1. さわやかNさん疑問の通り、なぜ、ドイツ語で「蛙」という名前
を付けたの?と私も訊いたのですが、とくに理由はないそうです。かわいいキャラクター
なので思いつき・・・とか。ドイツ語はもとの夫がドイツ人で同国に7年住んでいたので・・・。

2009年5月1日に「京町家カフェ・イベントスペース」としてオープン。1年たったところ。


2. 海外在住11年(アメリカ・
中国・英国の大学で学び、ドイツで働いた)の姉が2005年帰国して、改めて認識したのは、
日本では女性で結婚していてしかも子持ちという存在は、働く場所を見つけるのが
きわめて難しいという厳しい現状。上記のキャリア(因みに私は、こういうキャリアと
バイタリティ・行動力は日本のビジネス社会にきっとプラスになるだろうと思うのですが
・・・日本って本当に閉鎖的だと残念に思う)など、あまり役に立たない。
この点海外の方がはるかにこういう女性にも働く機会があるように思う。


3. 他方で、かねて海外によくあるような、誰でも気軽に入れて、
気取らない、オープンで自由なカフェが京都には少ないのではないかと感じていて、
幸い、手仕事やものづくり(料理を含めて}の得意な妹が賛成してくれて踏み切った。


4. 無料の起業家セミナーに参加したり、カフェで3カ月修行したり、不動産屋、
在京都の外国人ボランティア、たたみ職人さんなどいろんな人の親切に支えられて、
最小の資金(借金)で立ちあげ。カフェ・プラス・アルファを目指して、英語カフェ、
きもの教室、コンサートなどいろんなイベントスペースとしても利用している。
「みんなが楽しくなることにエネルギーを!」をモットーにしたい。


5. 姉の方は、8歳と6歳の子供がおり、学校から帰ってきての2人の居場所
でもあるので(夜になると姉と子どもたちは自宅に帰り、妹が住まいとしても使って
いる)自然に子供連れのお客さんが多くなり、たたみを敷いた「子供達用の遊び場」
を設けている。将来の夢としては、子供たちを自然に触れさせる
「サマー・キャンプ」もやってみたい。


6. 京都は閉鎖的・排他的といわれるが、このあたりはそんなことはなく、
受け入れられていると思う。近所のお客も多い。2人は大阪出身だが、このあたりは、
大阪人のような庶民的な雰囲気もある。


7. もちろん、ビジネスとしては難しい・厳しい面はあるし、2人ともまだ
給与というべきものを得てはいない。


( しかしこの点を補足すれば、参加者一同、お2人の頑張りに感心し、応援する
気持ちを強く持ったことだろうと思います。

まだスタートしたばかりだし、若いのだし、子供を育てながらの日々でもあるし、
しかも「居場所」を提供しているという社会的な意味はあるし、「これも過程」
という視点に立って頑張ってほしい、そんな激励発言もありました。)


(感想その他)

1. 蒸し暑い梅雨の土曜の午後遅く、しかも激しい雨の降る中、運営委員を含めて、
16名の参加。しかも、場所がカフェですから、お2人の話と質疑応答が終わっても、
半数以上が残ってそのまま2次会に移行して、遅くまで、楽しく・にぎやかでした。


2. 参加者16名のうち、2名が、「ブログを見て知ったので来ました」との
ことで、まことに有難いことです。ブログで宣伝してよかったなと思いました。


しかも1人は私とほぼ同世代で、1人でも仲間が居ると思うと嬉しいことです。
もう1人はまだ20代の学生さん。

         前者の女性は、ホームページを持っていて、
http://hwm2.gyao.ne.jp/yy0614/     
後者ははるばる近江八幡から来てくれました。


年配者も若者も来てくれて年齢差をまったく意識しないで交流するのを見ているのは
気持ちのよいものです。


3. あらためて「居場所」ということを考えました。


・人が集まる。
・それも、家族、地縁、職場・仕事、学校の同級生、趣味・・・といった
従来型のつながり
ではないネットワーク・・・・・そこには、利害関係も競争関係も
上下関係も義理も貸し借りもない。
・そういうネットワークを持続させるには、それ相応の「居場所」がいる。
・そして、おそらく「カフェ・フロッシュ」もその機能を果たし、
・実は、KSEN(京都ソーシャル・アントレプレナー・ネットワーク)も、まことに
ささやかながら、同じような役割を果たしているのではないか。


4. KSENの運営委員は、老若男女、年齢も性別も出身も職業も学校も趣味も
全く関係ない。

まあ、「社会起業家」と「ソーシャル・ビジネス」に関心がある、という1点だけで
集まっている、それ以上のしがらみも義理も義務も共通項もない。「出入り自由」で
約束事は全員「さん付け」で呼ぶということだけ。

かつ、イベントは誰かが「こういうの、やってみたい」と言うと、すぐに「やろう、
やろう」ということでまとまる。今回も、運営委員の橋本さんが言いだしっぺで、
彼女がカフェのお姉さんと知り合いで実現したもの。



しかも、常時ではないけど、テーマに関心があれば、上記の2で紹介した2人のように、
その時々に参加してくれる、これまた老若男女さまざまな人たちがいる。

思えば、不思議な、そして小さなネットワークですが、これがなかなか居心地がいい。

ということで、何となく6年続いているわけです。


5. 現代社会、従来のしがらみとは違った、新しいネットワークと
「居場所」とを求めている人が増えているのではないか。

「カフェ・フロッシュ」や「KSEN」がほんの少しでもそんな役割を果たして
いるとしたら嬉しい限りです。