英国は不便な国

我善坊さん、柳居子さん、遅くなって恐縮ですが、的確なコメント有難うございます。

まだまだ英国の話が続きそうですが・・・・

1. 我善坊さんの指摘、日本の美しい自然と醜い人工景観との対比、まったく同感です。



ただ、長年住んでいる京都の街は、それでもまだ東京よりはましではないか、という印象もあります。

私見ですが、その理由の1つに行政の対応と同時に、「住民の意識と周りの目」ということが大きいのではないか。よく言えば、京都市民の意識の高さ、意地悪く言えば、他人への厳しい姿勢・批判精神、他人に構う態度のせいでしょうか。
私たちは、もう少し、他人に構ってもよいのではないか。

前に触れたサリー州ヴァージニア・ウォーターに住む佐藤夫妻の話ですが、ここでは家を建てる場合、デザインについて行政の許可と同時に、周りの住民のOKが必要だそうです。

周りと調和しない家を建てようとしても住民が許さない。結果として、美しい町並みが維持される・・・・

コミュニティは、住民それぞれの自由とエゴだけで成り立つものではありませんね。


2. 柳居子さん、「長い歳月に熟成されたワインのような国民性」ですか、いい表現ですね。
 確かに、時間感覚が違うのでしょうか。どうせ火事で燃えてしまう、地震でいつ壊れてしまうか分からないと思えば、100年単位で自分の住まいや街並みを考える意識は薄れるかも・・・・なるほどです。


3. その分、日本人は、現在(いま)をできるだけ便利に、快適に、正確に、清潔に、速く暮らしたいという思いは強いのでしょう。


日本の電車はじつにきれいで、速くて正確だとあらためて感心します。

ロンドンの地下鉄は、東京なみの便利さではあるが、汚いし(昔よりよくなったが)狭いし、まったく快適ではない。

地下鉄は便利ではあるが
一般に英国人は不便や正確さをあまり気にしない。
というか、便利であることを大事な価値とは考えない。

荷物を配達する会社が「午前中に来る」といって、午後になっても来ない、場合によって理由もなく「今日は来られない」という電話が入ったりする。

宅急便の「時間指定」なんていうシステムは英国人には信じられないでしょうね。

幸いに私の滞在中、電車の遅延はなく、いつも時間通りでしたが、娘に言わせれば、かなり頻繁に遅れることがある、もちろん謝罪のアナウンスもなぜかの説明もない。


帰国して、自宅に近い東北沢から新宿まで小田急線に乗りましたが、4分ほど到着が遅れた。乗車時間10分弱の間に2回もアナウンスがあり、理由の説明と「ご迷惑をお掛けして、まことに申し訳ありませんでした」と。

4分遅れで「迷惑がかかる」時間のすごし方、時間通りに進まないと合格ではないという文化と

「今日は時間通りに到着した、ラッキー」と思う文化。

この違い、大きいでしょうね。


4. ところで、何度も触れた、英国の「ラウンドアバウト」ですが、日本にもあることを発見しました。


一般道路ではなく、東京都小平霊園の中です。

ラウンドアバウト」ではなくロータリーというのでしょうが、無事帰国の報告に墓参に行ったときに気づきました。



いつも見慣れている筈なのに、不思議に今まで気づきませんでした。英国でたびたびお目にかかったから再認識したのでしょう。


ただし、「ラウンドアバウト」は前述のように、「中に入って廻っている車が優先、右側から入ろうとしている車」が優先というルールが徹底しています。

小平霊園では、見ていたら、直進の車に、右から廻っている車が譲っていました。これが日本の交通ルールでしょうか。