2011年日本文化革命(bring on the cultural revolution)

皆様コメント有難うございます。
私は他のブログと異なり本文と一緒に触れることにしておりますので
時間差が出る点お許しください。

1. Osamuさん、ブログを拝見しておりますが、
素晴らしくきれいな写真に感嘆しております。
特に、「ユーチューブ」まで載せていて技術面でもご指導頂きたいです。
年賀状は年とともに、そろそろやめた方がいいかなと悩みつつ続けていますが、
ご指摘のように頂くのはやはり嬉しいですね。
http://osamu.blog.eonet.jp/weblog/


2. 十字渓さん、だんだん日本語が変わっていく中で、残していきたい言葉が
たくさんありまね。「保存運動」を拡げたい気持ちです。
ご指摘の「トイレの神様」というのは申し訳ありませんが、妻も下の娘も知りません
でした。これから勉強しますね。


3. Yamabetoyomuさん、情報有難うございます。
Libertyもfreedomも「自由」になるように、happinessもwell-beingも日本語だと
「幸福」になっちゃいますね。
抽象的な観念(これも変換できない!)に対応する訳語を作りだすことに明治の
先人がどんなに苦労したか、お勧めの『翻訳語成立事情』を読んでいるところです。

「社会」も「個人」も「自由」も、みんな、「対応する現実がなかった」ところに
言葉を先に輸入せざるを得なかった苦労ですね。

4.ということで、今回は、また英語と日本語を行ったり来たり、ということで、
また「ジ・エコノミストの記事紹介です。前々回に触れた記事(「年を取るのは楽しみ」)
より前、11月20〜26日号が「日本の重荷(Japan’s burden)」という14ページの
長い特集記事を組んでいます。
すでに、あちこちで紹介されているだろうと思いますが、私は正月休みに
やっと読んだので、以下、例によって大いに長くなりますが、自らの備忘録と
して書いておきます。

記事は、日本の抱える課題についての事実の指摘は別に珍しくあり
ませんが、やはり外からの視点であるだけに、問題提起はより鮮明になっている
ように思います。


5.日本の最大の課題は「高齢化」である。
(1)これだけのスピードで高齢化が進んでいる国は、歴史上、日本が
初めてのケース。いわば「未知の世界」に突入しようとしている。
(2)同時に、人口の減少、生産人口の減少をともない、GDPも増えない。
昨年、中国に抜かれたが、ある予測では、2050年には、インド、ブラジル、インドネシア
メキシコ、トルコにも抜かれるのではないか。
(3)これを克服するための課題は山積しているが、どうも「危機感」を感じない。
ある若い日本人起業家の発言だが「若い人でさえ現状に満足してリスクを
取ろうとしない。みんな温泉に入って“いい湯だな”と思ってる」。

(4)実は、日本が困難な課題に本気で挑戦し、克服するかどうかを
他の諸国が注目している。というのも、欧州も、韓国も中国も
「高齢化」は自らの課題であり、日本の先進事例を「モデル」に
(あるいは反面教師に)できるか、彼ら自身の問題意識である。


6.日本は何をすべきか?やるべきことは、
・労働の生産性を高める
・女性の労働力を活用し、働きやすい職場をつくる。
・高齢者や移民の雇用を増やす
内需を刺激し、新しい海外市場を拡げる
・しかも、これら全ての施策をとったとしても、生活水準は下落せざるを
得ない。それに耐える。
等々


7.以上の施策を実現するには、
(1)「政治のリーダーシップ」が重要である
ことは言うまでもない。

(2)しかし、もっと大事なのは、いま日本に必要なのは、
「文化革命を起こすこと」(bring on the cultural revolution)
ではないか。
一人ひとりの「意識」や「文化」、ひいては
「行動」や「システム」を変えることではないか。

例えば、マッキンゼー日本のトップの以下の発言をどう思うか?
変えられるか?(あるいは、変える必要がないと思っている
日本人が多いのではないか?)


「この国では、みんなが「インプット」思考になっていて、
「アウトプット」に価値を置かない。
期待されているのは、“もっと働くこと”“もっと時間を投入すること”
“もっと努力すること”であって“成果”ではない」


6.記事は、高齢者や若者、少子化社会福祉、政治、対外関係、
産業・・・等
さまざまな局面での現状と課題を指摘しています。

(1)例えば、「産業」では生産性の低い会社が生き延びている
特有の「文化」を指摘します。


・・・・日本の自動車会社はトヨタ以下8社。対して韓国は、ほぼ現代1社。

その結果、韓国の人口の2.5倍あるのに、人口あたりの1社の平均市場占有度は
韓国の3分の2に過ぎない。
(2)また「リスクキャピタル」の発想がない金融機関にも批判的です。

(3)そして、携帯電話にいちばん明らかな、他国で使えない「ガラパゴス化」。


7.その中で、いちばん私の興味を惹いたのが「企業文化」
に対する批判で、最後に簡単に紹介します。
「日本の伝説的な企業文化は、労働人口が減り、知識に価値を置く
“知価社会”には適合しない」との小見出しです。

例をあげれば
(1) 会社内の人間関係―狭い・強い・タテの絆
(記事は“tribalism(同族意識)”という言葉を使っています)

(2) ルールと規則の重視、柔軟性の欠如

(3) 内向き志向、閉鎖的な風土


(4) 依然として、女性に厳しい・働きにくい土壌


(5) 雇用慣行―日本はまだ“one shot society(一発勝負でキャリアが
決まってしまう社会)”である。
アメリカでは、みんないつも会社とデートしているが、日本では
結婚してしまう」・・・・・


まだまだ、たくさんの指摘がありますが、この辺にしておきましょう。

2011年は「日本文化革命」の初年度になるのでしょうか。