タイム誌「今年の人」マーク・ザッカーバーグ

1.柳居子さん(20日付、30日付)およびarz2beeさん、有難うございます。
いつか「吉川」のカウンターにご一緒したいですね。

柳居子さん言われる、京都人の距離感の良さ、
arz2beeさんの「違いだけではなく、好みがあるだろう」
何れもご指摘の通りですね。

21時間の集中講義で、“Dare to be different(人と
違うことを怖れるな)”という言葉が好きなアメリカ人についてばかり
喋っていたので、つい、「違い」ばかりを意識してしまいました。


2.今回は、アメリカの授業でも紹介しましたが、フェイスブック
マーク・ザッカーバーグについて報告します。

すでに、あちこちで語り尽くされているかも。
しかも彼を主人公にした(フィクションもだいぶあるようだが)
映画「ソーシャル・ネットワーク」がアカデミー賞候補になって
話題も多く、今更と言われるかもしれませんが、

主として,彼が2010年のタイム誌「今年の人(Person of the year)」
に選ばれたという記事の紹介です。


3.因みに、タイム誌によると最終選考に残ったのは、
第2位:ティー・パーティ
第3位:ウィキリークスジュリアン・アサンジ
第4位:アフガンのカルザイ大統領
第5位:チリ鉱山労働者
です。



4.タイムの「今年の人」について説明する必要はないと思いますが、

このブログでも、
2005年の「ビル・アンド・ミランダ・ゲイツ財団およびボノ」
http://d.hatena.ne.jp/ksen/20060113
2009年のオバマ大統領などを紹介しました。
http://d.hatena.ne.jp/ksen/20090111


とくに今回のマーク・ザッカーバーグの場合は、2006年の
「パーソン・オブ・ザ・イヤー今年の人」
が「あなた、つまり、みんな(YOU)」という非常にユニークな
選択をした流れを踏まえたもののように思われます。
http://d.hatena.ne.jp/ksen/20070117
因みに、上のブログに書きましたが、共同通信
「世界中の各個人がインターネットを通じて情報や動画を自由に発信し、
世界に大きな影響を与える時代に入ったとして、一般市民を指す「あなた」
を選んだ・・・」と報道し、「デジタル民主主義を象徴する」と伝えました。


タイム誌によると、

・・・歴史は偉人によってつくられるという思想はスコットランドの哲学者
トーマス・カーライルが言い出したと言われている。「世界史とは、まさに偉人の
伝記である」とは彼の言葉である。カーライルは、人類の総体としての運命を
形作るのは、少数の有力な著名な人たちであるという信念を披瀝した。
そのような思想が今年、深刻な敗北にみまわれることになった
(That theory took a serious beating this year)。

記事は、続けて、そのような現象を可能したツール(道具)がワールド・ワイド・ウェブ
であること、 人々が、見るだけではなく参加するようになったこと、問題点も
多くあるが、新しい人間相互の交流が世界的に生まれる可能性があることを
指摘しています。


5.さて、フェイスブックの場合はどうか?

タイム誌はマーク・ザッカーバーグ
「パーソン・オブ・ザ・イヤー」
である理由を以下のように述べています。

(1) 5億人以上の人々をフェイスブックを通して結び付けた
(2) 彼らの間に、人間関係を構築する道筋を示した(いままで誰も
やってこなかった)
(3) 新しい情報交換のシステムを作りあげた(やや気がかりな点もあるが、
不可欠なツールに育っている)
(4) 革新的(イノベイティブ)で楽観的なアプローチで人々のライフスタイ
を変えた
・・・諸点をあげています。


6.因みに記事は、
第3位の候補者に選ばれた、ウィキリークスのアサンジと

フェイスブックマーク・ザッカーバーグとは「コインの裏表」
であると評します。


・前者が、透明性を望まない・不本意な大企業や政府を攻撃目標にして
権力のもつ秘密性・隠ぺい性をはぎとろうとする、のに対して
・後者は、個人が自発的に情報を提供し、共有することで彼ら自身に
力を付与しようとする。


・前者が、世界を敵とみる、とすれば、

・後者は、世界を、友達になれるかもしれない存在とみなす



・・・・というようなことですが、少し長くなりました。
また次回にも補足するかもしれませんが、取りあえず今回はここまでにします。


ちなみに前にも書きましたが、
「今年の人」の選考基準は、この年、世界を動かした・
影響を与えた、ということで、よしあしの価値観は
無関係です。
過去に、ヒットラースターリンが選ばれたし、
2010年のティーパーティも別に評価しているわけではありません。