京都亀岡訪問(続き)とソーシャルビジネス

1. ちょっと出ていることが多く、更新が遅れました。
柳居子さん、前回ブログへのコメント、有難うございます。
暴君ハバネロ」の社長・高田さんは後輩ですか。さすがにのネットワークですね。なかなか頑張っておられるのに感心しました。

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2. 少し遅れてしまったのですが「ハバネロ」のソーシャル・ビジネスだけではなく亀岡訪問を今回も続けます。
初めに、商工会議所を訪問して伺った話です。

・ここは人口9万5千人だが、農業と観光を軸に人を増やしたいと考えている。
・農業は「スローフード」運動であり、収益性は厳しいので何とか「第6次産業化」に持っていきたい・・・・第6次産業とは1次(生産)+2次(加工)+3次(販売)の一貫した扱いということで前回紹介した篠ファーム・高田さんの発想にもつながります(高田さんは「農業」を頭を使った「脳業」にしたいと言っていました)

・観光については、目玉は大河ドラマの誘致とサッカーの京都サンガの球場誘致だそうです。
ここはご承知の通り、明智光秀の居城のあったところで、彼は悪人扱いされることが多いが当時としては珍しいインテリ武将であり、領民にも慕われていた。細川ガラシャの父でもあり話題性は大きいと思う。


・因みに、大河ドラマは2012年は平清盛、2013年は会津出身の新島八重同志社創立の新島襄の夫人)が主人公に決まったそうで、2回とも京都が主な舞台になるので、すぐには難しいにかもしれませんが、ぜひ実現してほしいものです。


・あと、一般受けはしませんが、亀岡は、日本画円山応挙石門心学石田梅岩の生まれ故郷として知られています。


3. そんな話を伺いつつ、2つの事業を続けて頑張っている元気な女性に会ってきました。
1つは「青空ふれあい農園・ハーブ倶楽部」というNPO法人です。
http://www.k-herbclub.com/

ここは、12年前から活動を開始し、5年前にNPOにしました。
地域の老人に、働く機会と交流の居場所(ふれあいサロン)を提供するという活動で、1反ばかりの自分の農地でハーブを育てて、それをお茶にして「道の駅」などに売っています。また「クイ―ル」という盲導犬や亀岡のキャラクターを使ったクッキー(亀岡産の米粉を使用)も作って同じように小売販売しています。

緑の豊かな土地柄ですから、ハーブづくりも楽しい作業ではないかと思います。完成品も少し購入して帰宅してから妻に入れてもらいましたが「おいしい」と好評でした。代表者久保さんのこだわりもあって、きわめて良心的な製品づくりをしているようです。


とても大事かつ良い活動だと思いますが、もちろんビジネスとして持続していくのは厳しい。何とか多少なりとも収益性のある事業にしていけないかということで、同行した株式会社カスタネットの植木さんはアイディアマンですから、いろいろと意見交換をしました。


「ふれあいサロン」の方はまあ社会貢献という位置付けで、地方自治体他の応援もあるようです。こういう活動にはやはり補助金を含めて、さまざまな団体・個人からの支援が今後とも欠かせないだろうと思いますし、それだけの意味があるのではないでしょうか。

他方で、素人考えですが、「ふれあい」の中身をいろいろと工夫している余地はあるのではないかなという印象も持ちました。



4. もう1つは隅田農園という主として果樹を栽培している農園です。
ここも栽培して売る普通のビジネスだけではなく、ご夫婦で、広大な緑の土地を維持・活用するためにさまざまな事業を行っています。



1つは子どもも大人も楽しめる野外スペースを「そとベンチャー」と命名して開放している。ここは放課後の子ども達の遊び場として、その日も楽しそうに駆けまわっていました。

自然遊び場として「ちびそと」という農園のスペースもあり、ここは母親が乳幼児を連れてきています。いわば、自主的な野外保育の場所として、「森のようちえん・そとっこ」もごくあります。
http://kameoka.org/company/2009/10/post.html

また、「市民農園・ながくつファーム」も有料で開放しています。
この手の「サポート付き体験農園」は経産省の「ソーシャルビジネス事例集」にも取り上げられたマイ・―ファームが全国版で知られていますが、隅田農園も、マイファームと提携してホームページに掲載してもらっているとのこと。月5250円の利用料で、手作りの野菜が作れてサポート体制もあるということで、これは小規模ながらビジネスとしての持続性は期待できそうです。


しかし、「そとベンチャー」や「ちびそと」などのスペースは、利用料を高く取る訳にはいかず、福祉事業にならざるを得ない。
これもまた、久保さんの「ふれあいサロン」同様、金銭的な支援やボランティアに頼らざるを得ない点は否めない。


このように、意義のある・想いの強い・社会の役に立っている活動をどうやって持続させていけるか、小規模であってもビジネスとして成り立たせていうことができるか、いろいろな知恵とネットワークを活用していく必要があるように思います。