クリーニング業界の革命児・ハッピーの橋本さん

1. あっという間に1週間が来てしまい、まだ更新していないなと反省してます。
もっとも、そんな反省する前にやめてしまえばいいのですが、所詮自己満足と思われるでしょうが、書きたいことは実は山ほどある、手が追いつかないのが実情です。


イチロー選手についていろいろ取り上げていますが、200本安打未達成が決まった翌日、


「忽然と打てなくなりしイチローをわが身の上に重ねるこころ」(小池光)が日経のコラムに紹介されていました。
当方も、ある日「忽然と」ブログから退場する日が近いのもかもしれません。


2. ということで皆様、コメント有難うございます。
柳居子さんのドナルド・キーン評は「やはり京都人らしいな」と興味深く拝読しました。

さわやかNさん、さわさきさん、
(1) まず、『民族とネイション』の著者・塩川伸明東大教授の講義を、春学期の世田谷市民大学で2回受講しました。
ロシアの現代史が専門のようで、「ロシア史の基本問題」という講義を交替で担当、塩川先生は「ソ連社会主義」と「ペレストロイカ」の話でした。


この本は読んでいませんので、そのうち感想を聞かせてください。

(2) ナショナリズムについては我善坊さんから長文のメールを頂き、実はお3方への転送を頼まれているのですが、まだ未消化のところもあって、メールしておりません。お許しください。

3. ということで(このセリフ、2回目ですが)お礼と前置きが長くなりましたが、


今回は9月29日(木)に放映された『カンブリア宮殿』で紹介された株式会社ハッピーと橋本英夫社長の話です。


この番組、2日(日)のBSジャパンで再放送される由。
とても面白い番組でお勧めです。


4. ハッピーの橋本さんは、2002年にこの会社を作って、「無重力洗浄機」というので特許をとって、ドライでなく(つまり石油性の洗剤を使わず)、水洗いでクリーニングをする。
このやり方で、ドライで苦情の堪えない「落ちない」という事態を解消し、ワインでも長年のしみでも何でも落として、新品のようにきれいにしてしまう。


しかも、独自の技術力に合わせて
「品物ごとに電子カルテを作成」
「顧客とのコンサルを通して納得性を高める」

といった努力もしています。


5. その代わり、「高くて・遅い」。
ワイシャツ1枚で6千円ぐらいする。

それでも評価するお客は増え続け、年間で約1万件、新規が月200件ぐらいで増え、平均の客単価は2万〜2万5千円。中には、年間100万円ぐらい使うお客も10ぐらい居るとのこと。
西武池袋などの販売店5社ともすでに提携し、
「高い衣類を買ってもらうときに一緒にこのサービスを勧めることで、付加価値をつけることが出来る」という店側の発言もありました。



6.「ということで(3回目)、富裕層をターゲットにしているのか?」という司会者の村上龍さんの鋭い質問に対しては、
「必ずしもそうではない。普通の人であっても、少なくとも1つは、いつまでも大事にしたいという思い出の品や高級品があるはず」という回答でした。


たしかに、この値段では、普通の生活者にはちょっと手が届かないなと感じた人もいたと思います。


しかし、橋本さんがえらいのは、並行して洗濯ソムリエというNPOを作って、クリーニングについての自らのノーハウを教える活動を続けているということです。

この日も、学校の教室を使って、大勢に集まってもらって、橋本さん自らが実際に洗剤やクリーニングの仕方、汚れのきれいな落とし方の講習会をしていました。


このように
(1) 石油性の製品を使わない、環境への配慮
(2) ものを大事に、いつまでも使うという価値感の醸成
(3) ビジネスを最優先にしつつも、NPO活動による啓蒙活動


の3つを追いかけているところに、橋本さんの「ビジネス」と「ソーシャル」とをともに追いかけたいという姿勢があると思います。

6. 実はこの会社、宇治市にあり、古巣の大学から歩いて7,8分のところにあります。
橋本さんは、前から良く知っていて、担当していた必修の「現代社会入門」に3回ほど来てもらって学生に話してもらいました。
熱っぽい語りで、なかなか好評だったです。


しばらくご無沙汰していますが、テレビで変わらないお顔、話し方、自然体の応対などに接して、嬉しかったです。


カンブリア宮殿』は人気の高い長寿番組ですから、大きな反響を呼んだのではないかと思います。


7.「自分は貧しい子ども時代を送った。親から常に「ものを大事にしろ」と言われ続けて育った。その記憶がこの仕事の原点にある」
という発言が(前にも伺っていましたが)
あらためて印象に残りました。