皆様のコメントと『A DAY ON SKATES楽しいスケート遠足』

1. 更新が遅れ、お礼も遅くなりましたことをお詫びいたします。
時間の経つのが早いこと驚くべきです。
おまけに若い時より1つの物ごとを処理するのに時間がかかります。
2階の書斎に物を取りに行って、はて何を取りに来たのか?忘れてしまい、1階に下りてやっと思い出すというようなことも増えました。
ということで、やっとPCに向い、皆様のコメントを有難く再度読み直しているところです。
以下そんな感想を・・・・


2. 藤田さんの「長年の友情ほどかけがえのないものはない」
本当にそうですね。

問題は、藤田さんの場合はまだまだでしょうが、私ぐらいになると、昔の友情の相手が次第に減っていくという寂しさです。
もちろん仕方がない世の定めですが、思い出すと、悔いや辛いことも山ほどあります。もちろん、それらを含めて、「地上とは思い出ならずや」(三島由紀夫)という想いになるのでしょう。



3. 中島さんの「セルフ・メイド・マン(自立独行の人)=開拓者魂」もご指摘の通りですね。
この話をし出すとどうしても長くなりますが、要は「自分の人生は自分が責任をもつ」という精神の構えだろうと思います。
「セルフ・メイド・マン」で真っ先に思いつくのがフランクリン・ベンジャミンで、マックス・ウェーバーが例の『プロ倫』で近代資本主義の権化とみなしています。

よく言われるようにアメリカという国は本来的には「彼・彼女が、誰かではなく、何をしたかで評価してくれる居場所」でしょう。

福沢諭吉が「福翁自伝」の中で書いていますが、アメリカに行って、
建国の父ジョージ・ワシントンの子孫がいまどうしているか?を尋ねたところ、誰も知らないし、誰も興味を持たなかったことが実に印象的だった、
という有名なエピソードがあります。


「自分で新しい居場所・人生を切り開く開拓者魂」という言葉で、私がイメージを抱くのは古い映画ですが、西部劇『シェーン』に出てくる、シェーンがしばらく厄介になる、語り手の少年ジョーイの父親である、ジョー・スターレットです。

いわゆるホームステッダーと言われる、政府から土地を与えられて入植する開拓者ですが、彼のイメージがまさに、アメリカのある種の理想型だろうと思います。

もちろん、これが行き過ぎるとご承知の通り、
銃規制に反対し、国民皆保険憲法違反だ、というような価値観になってしまいます。

何れにせよ、日本とはまるで違った、ダイナミックな国民だと思います。


4. 長澤さんのコメントも有難く拝読しました。
ご自身のアメリカ滞在と重ね合わせて、思い出を呼び返すきっかけになったとしたら嬉しい限りです。
アメリカの「片田舎」というのは、おそらくどこに行っても同じような作りではないかという気がします。メインストリートがあって、
教会があって、小学校があって、小さなお店があって、広場があって、
歩いていると挨拶をされたりして・・・・
そんな懐かしい経験をされたことだろうと思います。
GEは私も昔、コネチカットにある本社の財務を何度も仕事で訪問しましたので懐かしいです。


5. 最後になりましたが、柳居子さんの
「国と国の関係の大きな幹の1つは、個人と個人・・・の集まったもの」
という言葉は名言だと思いました。

読みながら、柳居子さんが最近のブログで、まことに厳しく批判しておられる、某もと首相のイラン訪問についてのコメントとを重ね合わせて、ああ首尾一貫した主張だなあと改めて感じました。

国を代表するのならやらざるを得ませんが、個人と個人とのコミュニケーションと称して、しかも相手は国の代表者という図式は、柳居子さんの価値観からもっっとも遠い交遊でしょうね。



6. ということで、今回はコメントを頂いた感想で紙数が埋まりそうです。

ニューヨーク滞在の記録はまだ続くのですが、
最後に、滞在中にもらった1冊の本を紹介して終りにします。

本は、ヒルダ・ファン・ストックハムという女性の童話『A DAY ON SKATES』で、邦訳は福音館書店から『楽しいスケート遠足』という題で出ています。
著者は1908年オランダ生まれ、2006年英国で死去。


文も絵もヒルダさんの作品で、1934年という80年近く前にアメリカで出版されて、すぐれた児童書に贈られる権威ある賞の銀メダルを受賞。
この絵本が、初版から60年経った1994年に再版されました。
オランダの子どもたちが寒い冬の日、小学校の先生に連れられて凍った川の上をスケートで遠足をする話で、絵も実にかわいく描けています。


そして、ふなとよし子さんという方がふとしたことから手にして、日本語に訳して、2009年に日本で出版されました。

こんなに古い本が今頃になって、再度出版されて、おまけに初版から75年後に邦訳されたというのは珍しい出来事でしょう。
出版元や調布の図書館のサイトも以下の通りあります。
現在2版まで出ているそうですから、日本でも評判の良い本のようです。
http://www.fukuinkan.co.jp/bookdetail.php?goods_id=20847

http://book.chofu.com/2010/01/post_82.html




私は、作者とも訳者とも何のご縁もありませんが、
ニューヨークでこの本を贈ってくれたのは、2005年にKSENの招きで東京と京都に滞在して講演をしてくれた、NY在住のアリス・テッパー・マーリンという素敵な女性(「企業に社会責任を認知させた人」と評される・長年のNPO活動家)です。

「日本に滞在したときの、あなたの、申し分なく素晴らしいもてなし(absolutely wonderful hosting)に、もう一度、有難うを!」というメッセージをとても嬉しく、受け取りました。


マ―リンさんとこの絵本とのご縁は、また次回にでも・・・・