今回は紐育でなく京都の話です。

1. フェイスブック経由見て頂いた「いいよ!」の皆様有り難うございます。
柳居子さんのブログですが、ご指摘のとおりアメリカの医療が皆保険でないために、新薬テストの実験台やNPOの支援などいろいろ対策を考えるでしょうね。

たまたま9日の京都新聞に健康保険の特集記事が載っていました。
「世界的にみても素晴らしいシステムである国民皆保険は日本の財産である」。
その通りでしょうが、これからも維持していくことの課題も多いですね。私たちが病院に行く費用(年間30兆円!何れ50兆円を超えるとの予測)の9割から7割は税金だと意識することが大事だろうと思います。


2.関西も梅雨入りしたという8日、1カ月ぶりに京都に行き、1泊しました。

泊まりは、柳馬場蛸薬師上る「コープ・イン」。大学生協の経営。
ここが気に入っているのは安くて便利な場所にある他、
(1) チェックアウトが午前11時と遅め
(2) パソコンが、空いていれば時間制限なく自由に触れる
(3) 細かいサービスだが、傘を貸してくれてこういう雨の日は助かる。


翌9日の朝は「イノダ」に行き、合い席OKの5番丸テーブルに暫く柳居子さんがひとり座っていたので隣に座らせていただき、厚かましく「京都人専用(?)席」でしばらくお喋りしました。
朝の1時間ほどを過ごせる、多少は勝手を知った「居場所」がすぐ近くにあって、しかもそこに行けば知り合いが必ず座っているという「変わらない安心感・日常感」というのはなかなか良いものです。
東京は、とくに盛り場は言うまでもなく人が多く、歩く速度が速く、若者が多く、ますます苦手になります。
東京スカイツリーも渋谷に新しく出来た「ヒカリエ」と称する高層ビル(昔の東急文化会館)も、行って見る気は毛頭ありません。

「京都はやはり、時間の流れがゆっくりして、あまり変わらず、年寄りにはますます落ち着きます」というような話をしました。


9日の土曜日は東京に夕方帰るまで何の予定もなく、のんびり過ごしました。
いったんホテルに戻ってテレビで暫くアメリカ大リーグの野球実況を見ました。
ニューヨーク・ヤンキースと同じくニューヨークのメッツとの対戦で、ヤンキースの黒田投手が7回まで1安打無失点と好投しました。
黒田は6回二死までノーヒットで記録の期待も出てきたところ安打を打たれました。
そのあとを抑えてベンチに戻る彼に大勢の観客の拍手がありました。

ノーヒットノーランの記録が消えて残念だったね。しかしここまでよく頑張ったね」とねぎらう拍手だったでしょう。
久しぶりにテレビ観戦をしましたが、よくご存知のとおり、アメリカの野球観戦は基本的にまことに静かです。サッカーとは(日本の野球観戦とも)違い、これまた年寄り向きの感じがします。

黒田は7回も無安打に抑えて交替したので、観戦を切り上げ、小雨の降る中、近くを歩きました。
六角堂にお参りし、錦市場を歩き、京都の佃煮を買い、冨美家でうどんを頂きました。

たしかに時間が静かにゆっくり流れていくように思いました。


3. 新幹線で帰京するために京都駅に着くと、とたんに騒音が多くなるような気がします。
いつもうるさいなあと思いながら、エスカレータに乗って改札口に向かうのですが、
エスカレーターにお乗りの際は、手すりにつかまり、ステップの中央に・・・・・」から始まり「良い子の皆さん、エスカレーターのそばで遊ばないようにしましょう」で終わる甘ったるい女性のアナウンスが切れ目なく、繰り返し聞こえてきます。

日本人はいったい、何時まで、エスカレーターの乗り方まで繰り返し注意してもらわないといけないなどという習慣を続けるつもりなのでしょうか。これを無意味な騒音だと考える人は少ないのでしょうね。


4. 今回の京都滞在は実は仕事ですが、仕事をしたのは8日(金)の90分だけです。古巣の大学の1年生向け授業「現代社会入門」で1コマ、「これからのビジネスとは?ソーシャルビジネスとは?」の講義をしました。

これからのビジネスは営利と非営利がつながっていくのではないか。
スモール・ビジネス(中小企業)に未来があるのではないか。
新しい資本主義の在り方は?これから「働く」ということは?
そんな内容をテストや事例を交えつつ喋りました。まだ18,19歳ですからごく易しく話したつもりです(学科長に言わせると、私は見ていないのですが池上某の番組で経済問題について分かりやすく解説し、芸能人が下らない質問をする・・・そんな番組のレベルでちょうど良いとのことでした)

事例では7年前に慶応義塾など5人の学生が起業した「タダコピ」を主力商品とするスモール・ビジネスも紹介しました。
タダコピ」専用のコピー機を大学に設置してもらう。学生は無料でコピーが取れる。コピー用紙の裏面に広告を載せて(例えば、中央選挙管理委員会、中央酪農会、多くの企業)それが収入になる。
というアイディアで、7年間に社員17名、売上3億円弱。全国で約160の大学が設置してくれて、いまやアメリカ(ニューヨーク)中国にも進出しています。

受講生は総合社会学部約260名の1年生で、必修の授業なため、出席せざるを得ず、従ってモチベーションの低い、後方の席であまり聞いていない学生もかなり見かけました
「注意しても虚しくなるだけなので、放任しています。うるさいかもしれませんが、お許しください」とあらかじめ、学科長のお詫びがありましたが、現代の学生気質、私としてはさほど気になりません。
それでも、まあ半分ぐらいの学生は真面目に聞いてくれたようです。
終わって、女子学生が2人、教壇まで来てくれて「面白かったです」と言ってくれました。
たった2人ですが、悪い気持ちはしませんでした。
誰かに何かをしてもらったら、「有り難う」という言葉が大事。日本人は本当に「有り難う」を言わなくなったね、というコメントを講義の途中に入れたので、それを記憶していたのかもしれません。