シドニーへ。ラッキー・カントリーと「Take it easy !」

1. 中島さん(FB)柳居子さん我善坊さん、コメント有難うございます。
まずは我善坊さんが、23日付けブログの「(日本人は)過去は水に流す」の理解について、
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉(孔子でしたか)を書いておられますが、
これ確かに難しい言葉ですね。
さまざまな凶悪事件が相変わらず新聞を騒がせていますが、「罪は憎むが犯した人は憎まぬ」とはどういうことか?
そんなことが本当に出来るだろうか?刑罰とは何か?


2. ローマ法王については、
中島さんが『神の代理人』(塩野七生)を読み返している由。
そういえば私はまだ読んでいなかった。我が家にも置いてあるので早速拡げてみるつもりです。

柳居子さんの、法王退位のような前例は日本だけではない、ブータンでは自ら国王定年制を引いているという事実は知りませんでした。興味深いですね。
退位すると日本で一部の「上皇法皇」が権勢を持ったのとは違って本当に隠棲してしまうのでしょうか?


ベネディクト16世の場合は前例が無いので何とも言えないが、「名誉法王」(Pope Emeritus)
としてそれなりの影響力を持つのではないかと推測する向きがあること前回も書いた通りです。


そう言えば、前にブログで紹介したかもしれませんがあるアメリカ人が教えてくれたジョークを思い出しました。

「世界にいま、永遠に退位しそうもない女王が2人いる。
1人は英国のエリザベス2世!
そして、もう1人は、トランプの女王・・・」


3. 話は変わりますが、3泊4日という本当に短い旅ですが、シドニーに行ってきました。
1991年〜94年の3年半仕事をした場所ですが、当時一緒だった駐在員の仲間2人と男性3人でのセンチメンタル・ジャーニーです。
20年ぶりですがその後、短い出張等で訪れており、4年ぶりでした。
南半球は夏の終わり。
今年の夏は気候不順で、猛暑や大雨に苦しめられたそうで、数日前のシドニーも大雨・大風に見舞われたそうですが、幸いに、3日間とも晴れ時々くもりで一日中20度〜27度ぐらいの気候でまことに快適でした。

私たちにとっては馴染みの街なので、新しいことは何もせず、
昔からの友人・知人に会ったり、昔のオフィスを訪れたり、昔よく行ったレストランで食事をして友人との会話を楽しんだり、ということで殆どの時間を過ごしました。


観光としてはシドニー湾をめぐるクルーズに乗って、船上からの眺めを楽しみましたが、シドニー世界三大美港の1つと言われるように、まことに穏やかで海岸線の美しい内海に抱かれています。
昔、週末に友人に誘われて、ヨットに何度も乗ったことを懐かしく思い出しました。

たまたまだったかもしれないので、何とも言えませんが、この日は日本人観光客が1人も船に乗っていませんでした。

20年前であればいつ行っても、日本からの観光客で混雑していたのですが・・・・ちょっと寂しい気持ちでした。


4.オーストラリアを評する象徴的な言葉が幾つかあります。
例えば
(1)「ラッキー・カントリー(幸運な国)」
気候が穏やかで、資源が豊富で、自然が豊かで、土地の広さの割に人間が少なく、中東のような紛争には無縁で、あまりあくせく働かなくても生きていける・・・・という国。

オ―ストラリア人を評する言葉は
(2)「easy going(気楽に、のんびり、くよくよせずに)」


オーストラリア人がいちばん好きな言葉は
「Take it easy ! (無理せず、堅苦しくなく、肩に力を入れずに行こうぜ)」
ということになります。

中でもシドニーはこういった側面をいちばん持っている場所の1つでしょう。
(何せ、この街を最初に造った西欧人は、例えばメルボルンと違って、英国からごく微罪で送られた罪人たちですから、それこそ「罪を憎んで人を憎まず」でしょうか)
フランクでフレンドリーな人間が多い。
形式やしきたりを重んじない


そう言えば、柳居子さんが本日のブログで、「患者様」という言い方など、日本の、良く言えば上下関係を意識した丁寧な、悪く言えば、慇懃無礼な、「タテ社会」の人間関係について書いておられます。
http://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/

シドニーはまさにその正反対。あまりにも丁重さに欠けるのではないか、と時に思うぐらい「ヨコ社会」の人間関係が普通で、それだけにわずか3日間滞在しても、実にストレスがなく過ごせます。


5. それは当然に、行儀作法や「畏怖・畏敬」には欠けるが、自由闊達で、リベラルで、寛容な人たちと雰囲気をつくります。
そういう文化・風土が影響しているのでしょうか。
ゲイのみならず、同性婚もおおっぴらです。
たまたま電車の駅の広告(スポンサーはGAP)にこんなのがありました

モデルは音楽家と音楽ディレクターの2人の男性で実名も載っており、「恋愛結婚した某氏と某氏」と紹介されています。


「愛は、どんな形ででも可能である。
輝いてあれ ! ギャップ」とは写真に添えられた広告の文句です。

ウィンヤードという市内の駅から郊外まで15分ほどの乗車でしたが、それほど混んではいないが立っている人が何人も居て、私は早速席を譲られましたが「近いから」と丁重に(?)お断りしました。

もちろん「優先席」なんてありません。
中年の女性が乗ってきたら直ちに若い男性が席を譲り、その後から赤ちゃんを抱いた母親が乗ってきたら、くだんの女性は直ちに立って、母親に席を明けていました。
こういう国はやはりストレスは少ないだろうな、と感じました。