金沢のホテルで「従兄妹会・かるた会」と金沢逍遥

1. たいへん遅くなって恐縮ですが、4月13日付の海太郎さん、我善坊さんのコメントまことに有難うございます。
我善坊さんのご指摘、「ワード」の漢字転換には学習機能があるとは知りませんでした。PCは妙な具合に頭がいいところがあるのですね。「はなし」で「噺」が出てくるのは面白く読みましたが、私は今だに「歯無し」で、これはないよ、とPCに言いたくなります。


2. 海太郎さんには「関西人の福島見聞録」をお読み頂き有難うございます。
応援の意味にもなりますし、福島旅行をお楽しみください。

「関西人の福島見聞録」は前に書いたように、年下の従妹が福島を気に入って住みついているのですが、私の亡くなった母は8人兄妹で、従っていとこが大勢居ります。
私事ですが、8人の伯父・叔母のうち1人だけ健在の叔父が今年米寿を迎えるということで、そのお祝いにかけていとこの交流と「かるた会」をやろうと金沢に16人ほどが集まりました。


3. かるた、つまり小倉百人一首藤原定家卿が100首を選んだと言われますが、私どもは子供の時から、従兄妹のどこの家でも「かるた遊び」が盛んでした。

今回は久しぶりに高齢になった従兄妹たちが一堂に会し、多少衰えたとは言え、60代、70代の年寄りが童心に返って、源平に分かれてバトルを繰り広げ、「私の手の方が先だ」の何だのと興奮し、「ああ面白かった」と感想を述べ合いました。
もう老い先短いこともあり、早速「来年もやろう」と決まりました。

私の「おはこ」の1つは定家卿の
「来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに、焼くや藻塩も身もこがれつつ」ですが、
幸いに、5回のうち4回をとることが出来て、まあ満足でした。
(そう言えば、百人一首には我善坊さんご指摘の「ご当地歌」もありますが歌碑に彫られるのと違って、何れも調べの美しいと思います。


4. 金沢に集まったのは今年還暦の年下の従弟が当地の某ホテルの責任者をしているのが理由です。京都からが多かったですが、九州からも東京からも集まりました。

実は私は金沢は生まれて初めて訪れる街で、楽しみにしていましたが期待に違わず、とても雰囲気のよいところでした。

翌日は、自由行動でもあり、金沢が初めてというのも私ぐらいなので、ひとりで過ごしました。宿が香林坊という便利なところにあり、歩いて、成巽閣、兼六園まで行き、そのあとは話題の「金沢21世紀美術館」を訪れました。
兼六園は、さすがに美しいお庭ですね。
平日ながら修学旅行の子供たちや観光客、特に中国からのお客さんで賑わっており、結構なことです、聞けば小松空港には中国からの直行便も入る由。
武家屋敷あとのある資料館のお手洗いに入ったところ、日本語と並んで中国語・英語の使用注意書きが貼ってあり、英語はない、というのにちょっと驚きました。

5.「21世紀美術家」は2004年開館。通称、丸い建物の美術館であることから「まるびい」とも「21美」とも愛称されるそうです。
建物もガラスを多く使い低層の開放的かつゆったりした空間で、中の展示は現代アートでしたが、素人なりに面白かったです。
知っている人はとっくに知っているのでしょうが、中庭にあるレアンドロ・エルリッヒという人の「スイミング・プール」という作品はとくに楽しい。

外から見ると普通のプールですが、「実際は、透明なガラスの下に深さ約10センチの水が貼られているだけで、ガラスの下は水色の空間になっていて、鑑賞者は内部にも入ることができる」


作品解説には「自己や他者の感覚、存在が、時間をかけてゆるやかに交差する場と言い換えられよう」とありますが、そんな難しいことは分かりませんが、この「遊び」感覚はいいな、と思いました。

5. 言うまでもなく、金沢は
(1) 江戸時代を通じて前田家が藩主で大藩であるだけでなく、この間、一度も国替えが無かった(いわば、世渡りのうまさ)
(2) 富山や福井と異なり、戦災を受けなかった。
(3) 幕末のときに、徳川・朝廷の何れにも組みせず、どっち付かずの方針をとった(そのため、明治新政府では前田藩は重用されなかった)
とのことで、これは、資料館のボランティアでガイドをしている人に教えてもらいました。
因みにガイドはここでは「まいどさん」と呼ぶそうで「まいどさんが無料で案内します」と書いてありました。
古い街ですから落ち着きがあり、ガイドさんだけでなく道を訊いた通行人の人たちも、何となく、丁寧だけれどフレンドリーな印象で気持よかったです。



前の日のお昼は、せせらぎ通り沿いのお蕎麦やに入り、翌日は、従弟に勧められた近江待町市場「ひら井」で海鮮丼を頂きました。
どちらもおいしかったですが、そば(「信州産のそば粉を使用しています」とある)を頂きながら、金沢は関西に近いのでうどん文化だろうか、それともそば文化だろうか?
というようなことを考えました。