“Va penciero(行け我が想いよ)”と「第2の国歌は?」の続き


1. 前回のブログの続きです。上記のテーマにFBを含めて9人の方から17のコメントを頂き、何れも面白く,とても勉強にもなりましたので今回お礼を兼ねて整理したいと思います。


その前に、“Va penciero(行け我が想いよ)”についてしつこく補足しておきます。
(1)前々回のブログで、リカルド・ムーティの2011年3月ローマ歌劇場での「感動的」な出来事に触れました。
http://www.youtube.com/watch?v=gaXE0v0bJoE
これを録画したのが上記のYoutubeですが、これが最近になって、「著作権の問題で見られません」という表示が出てきました。
事情はよく分かりませんが、詳しい人に訊くと、よくあることだそうです。

(2)そこで、ご興味があるかどうか分かりませんが、”Va penciero”の別のYoutubeサイトを以下にご紹介いたします。

(1) 同じムーティが指揮するのを見つけました。
http://www.youtube.com/watch?v=06I5iqqN_0I

2009年スカラ座で、ムーティがまだ若く、2つの指揮ぶりを比較するのも面白いです。
この演奏でも、8分23秒のYoutubeのうち実に2分半、聴衆がアンコールとブラボーと拍手を続けています。(この時はアンコールはしましたが、観客と一緒ではありません)


(2)英語の歌詞が載っているのに、以下のサイトがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=jEKbxmmsd5k
ブロンドの可愛い女性も歌っています。

(3)アルプスの風景を見ながら聴きたければ、以下の独唱もあります。
http://www.youtube.com/watch?v=vBqsFPXfqLo&NR=1&feature=endscreen

以上ご紹介までです。


2. そこで皆さまのコメントですが繰り返しにもなり、紙数の制約もあり、要約だけになりますが整理すると
(1)「幸せなら〜」
(2)イタリアとは?
(3)日本の場合はどうか?と「君が代」や、なぜ日本に「第2の国歌」が無いか?
(4)日本その2−「私の第2の国歌は?」
の4つになるかと思います。

まず(1)の「幸せなら手をたたこう」ですが、
十字峡さんに教えて頂いた「MLBの中継でこのメロディがイニングの間に流れる」は知りませんでした。しかもこの歌、Youtubeには「アメリカ民謡」と出ますが、沢崎さん(FB)によればウィキぺディアには「スペイン民謡」とあるそうです。面白いですね。

(2)のイタリアについては、
・FBのコメントその1−国外で活躍するイタリアのスポーツ選手を「シチリア人」だの「ロンバルディア人」などと紹介される由。
・その2−イタリアという想像の共同体を成立せしめるものがこの歌ぐらいしか無いのではないでしょうか
・・・・何れも「なるほど」ですね。


(3)については
・我善坊さん「歌が皆の心をまとめる役割を果たしているというなら、似た話は「長野県」にもある。長野は今でも「一つの心」になっているとは言えないが、「信濃の国」という県民歌はだれもが歌えるそうだ」も面白い。
http://www.youtube.com/watch?v=F-VWrBooua8
のサイト、早速聴いてみました。山河や物産や偉人が歌詞に織り込まれています。
山で名前があがるのは、御岳、乗鞍、駒ケ岳、浅間の4つで、残念ながら私の好きな八ヶ岳が出てきませんが、半分は山梨県だからでしょうか。

・「国民皆が歌う歌」については、FBで中島さんが、「極めて西欧列強的国的な産物ではないか」という指摘。
また木全さんから「日本に”第二の国歌”がないのは単一民族だからだと思う。イタリア、ドイツ、アメリカ全て色々な民族が入り混じっているからこういう歌が歌われる」という指摘も示唆的です。
「在日にとっての“アリラン”こそ第2の国歌ではないか」という逆説的なコメントも非常に考えさせられました。


・「君が世」についても野田さん(FB)等からコメントがありました。
「海外で聴くと涙が出る」というコメントは実感がありますね。他方で、中島さんによるとこの曲には明治のいわゆる「お雇い外国人」の手が入っているという話も面白い。
あと歌詞にある「さざれ石」は出雲大社にも京都の下鴨神社にあるそうです。知りませんでした。


3. 最後に、「第2の国歌と呼べるような、私の好きな愛唱歌」について、いろいろとご紹介を頂き、有り難うございます。名前だけあげますと、
(1) アニメソングは?「宇宙戦艦ヤマト」など。「アンパンマンのマ―チ」はどうか

(2) 「5つの風船」というグループが歌っているという「翼をください」。
http://www.youtube.com/watch?v=3q8M68qw46g

(3)「さくらさくら」「荒城の月」「ふるさと」「里の秋」など

(3) 第2の国歌と言えるのは学校で歌った「われら愛す」(arz2beeさん)
http://www.youtube.com/watch?v=_FqmylguBJ0

(4) 知りませんでしたが、平和条約締結=日本の独立を祝って、1952「国民歌」を一般から募集したそうですが、上もそうですが、「緑の山河」というのもそうらしい。
http://www.youtube.com/watch?v=EudgegV1s2Y

等々です。
いずれも面白く、「翼〜」「われら〜」「緑の〜」何れも知らなかったのでYoutubeで聴きました。それにしても、PCがあれば殆どの歌が聴かれるのですから、何とも便利な時代になりました。
“Va penciero”が歌われるヴェルディのオペラ「ナブッコ」だって(というより殆どのオペラ)全曲をPCDで聴くことが出来ます。


4. 実は、私は、どんな歌でもそれが「第2の国歌」的なものになるためには、「歌」だけではなく、その背後に何らかの「物語」が必要だろうと考えるのですが、その点を具体的に触れる紙数が無くなりました。
「物語」は、もちろんVapencieroのように皆が共有する「出来事」が望ましいですが、個人の「物語」であってもその「体験」を皆が想像力によって追体験することが出来れば、それでもよいでしょう。

その意味からも、木全さんの「アリラン」の指摘には心動かされました。