楽しい京都と、あまりに官僚的ではないかJRさん

1. 京都に2泊して、気楽な割烹に2日通い、新人賞受賞の若い作家に会ったことを前回書きました。

2日間とも飛び込みの外国人観光客が現れて、初日はイタリア人の姉弟、弟はミラノ工科大学の学生。
2日目は家族5人のフランス人で父親はパリの銀行勤め、母親はインテリア・デザイナー、3人の子供はカナダ、ベルギー、ドイツと離れ離れに暮らし、今回の夏休みを日本で集合したとのこと。

こんな人たちに会って、楽しく、常連さんと一緒に「一期一会」の会話を楽しみました。
彼らもよほど楽しんだのでしょう。姉弟は、私が帰京した後、祇園祭の宵々山の夜にまたお店に食事に現れて、いわゆる「裏を返して」くれたそうです。
しかしこの話は陽気な女将がすぐにフェイスブックにアップして沢山の写真を私のサイトにも、いわゆる「タグ付け」をしてくれたので付け加えることはありません。


2. 今回、長々と記録しておきたいのは、京都到着前後の・あまり愉快でない出来事です。
こんな話を載せるのは、私のブログ方針には反するのですが・・・・

JR「ジパング倶楽部」の会員になっていて、東京・京都往復の新幹線はいつもこれを使って「ひかり」で(のぞみは使えない)の3割引きを有難く利用しています。
3月7日以来4カ月ぶりの新幹線の、7月11日の車中で検札に来た車掌さんに切符を見せたところ、ジパングの会員証を見せろと言われて、持っていないと答えたところ、規則で携帯を義務付けているので見せない場合は差額料金を払わないと京都で出られないと言われました。
こんなことは初めての経験だったので、ちょっと驚きました。


そこで即OKはせず、結局車掌さんとの会話ではらちが明かないので京都駅に着いてから3人の助役さんと話をしました。

やりとりは以下の通りです。
(1) 会員手帳に「駅もしくは車内で係員から会員手帳・・の提示を求められたときは必ず提示してください」とあることは知っている。携帯しておらず提示できなかったのは、私の落度・過失であり、その点は謝る。
しかし、忘れたりして提示できなかった場合は、差額料金を払えとは手帳に書いていない。

(2) しかも、ジパングは65歳から有効で、私は12年以上使っており、2011年までは京都で仕事をしていたので今までに200回以上、品川・京都を往復しているが、一度も手帳の提示を求められたことはない。

ということは、規則は実際には実施されていなかった。つまり、紙に書いた規則はあるが、運用はそうではなかった。かつ仮に提示を求めて持っていなくても、「差額を払え」とは言わなかったのではないか?つまり、運用が変わったということではないのか?(そして私はそのことを今まで知らなかった)。
―――この2点を糺したところ、JRさんは、「その通り認める」という返事でした。


(3) それなら、「何時から、運用が変わったのか?」
「3月26日から」
――「運用が変わる前に、会員に対して周知徹底すべきではないか。
3月7日に、京都から品川まで乗車したのが最後である。その際、乗車券の提示は求められたが、会員手帳の提示は求められなかった。
乗車券をみれば「ジパング利用」は分かるのだから、「3月26日以降からの注意を言ってくれるが親切ではないか。

―――これに対する、JRさんの答えは「おっしゃる通り、事前の周知徹底が足りなかったと私も思います。しかしこれがルールになっており、私の一存では如何とも出来ません」の一点張りでした。

(4) それなら、と私がさらに問い糺したのは、
「ルール・規則というのは不正を防止することにあり、不正によるJRの不利益を正すことにある筈。


しかし、私は不正は一切犯していないし、JRに不利益を何も与えていない。それは会員手帳の記載された記録のコピーを見ればわかると思うがどうか?」
JR 「分かります」
私「それなら、すでに車内で家内に電話して会員証が自宅にあることを確認してある、このコピーを取って、京都駅にファックスする。それを受け取れば、私が不正を犯していない、忘れただけということが立証できる筈だが・・・・」

ここまで言ったら、さすがに納得してくれるだろう・・・・
と私はかなり自信を持ったのですが、結局これでもダメで、JRさんのおっしゃる通り差額料金を払って改札を出させて貰いました。

3. 「運用が変わったことを本日まで知らず、ただ忘れただけで不正もしておらず、不利益も与えておらず、おまけにファックスでコピーを見れば購入記録ははっきり分る筈。
それなのに、「ダメ」と言うのは、これは殆ど「いじめ」ではないか」と思ったのですが、どうでしょうか?

いちばん面白かったのは3人の助役さんの以下のような発言です。
(1)あなたの言うことはよく分る。私だって同じような主張をしたかもしれない。しかし、私の判断では何ともできません
(2)実は、運用が3月26日から厳しくなることについて、事前に周知徹底すべき(例えば、会員に手紙を出すなり、毎月会員宛てに送る月報に通知すべき)ではないかと本部に提案したのですが、返事はありませんでした。
(3)「ファックスについては、あなたの理屈は分かるが本部に照会したら「ダメ」と言われました」
という返事で、これにはさすがに驚きました。


「助役といったら私のような庶民からは相当の管理職と思いますが、それでもそんな判断も自分でできないのですか?」
「そうなんです」
「これが、日本の会社の普通の姿ですか。それともJRさんが例外的ですか。迷惑も不正もないと信じたら(信じると何度も言ってくれました)裁量と融通をきかせる、そういう判断も認められない組織なんですか!」
最後に、そう言わざるを得ないほど驚いた出来事で、
まだまだありますが、こんな話題をいつまでも朝からぐちぐち書くのも我ながらうんざりしますので、この辺にします。詰まらぬ話で恐縮です。

それにしても
「皆さん、文句を言わずに払っています。あなたの言い分は分かりますが、あなただけ例外扱いは出来ません」
とも言われました。日本人ってよほど大人しいのか、私がよほど変わっているかでしょうね。

京都での2日間が何とも楽しかったので、この出来事だけがまことに残念でした。