核兵器禁止条約が来年1月22日に国際法となる。

f:id:ksen:20201016141812j:plain1. 1週間前の話です。日曜日(10月25日)、アメリカ大統領選挙についての拙いブログをアップしてから、墓参に行きました。帰宅したら、昔の職場で一緒だったニューヨーク在住の友人からメールが入っていました。

「10月24日、ホンジュラス核兵器禁止条約への50番目の批准書を寄託し、同条約は来年1月22日に発効することが確定しました。

ピースボートICAN核兵器廃絶国際キャンペーン)が、お祝いの12時間テレビ放送を生中継中です。長い間運動を続けた関係者達が、発効することへの喜びをシェアしています」。

 

  1. 友人は、コロンビアの大学院を出て、以来NYで暮らしています。

 メールには、「被爆体験を次世代に伝え、核兵器の根絶を目指す「ピースボート」の活動が、乗船して世界を回った人々自身の口から語られていることが印象的」、「若者がそれを支えている姿に感動した」とあります。「自分で動くと自信が持てるし、継続できる、「社会は本当に変わるんだ」と明るい表情で語る彼ら・彼女らに希望を抱きます」とも。

 しかしテレビでは、「関心を持ってくれる日本の若者が少ないのが寂しい。SNSでもっと発信してほしい。海外の若者たちに会うと、普通の人が頑張っているという印象を受ける」という発言もありました。

f:id:ksen:20201025141818j:plain

 

f:id:ksen:20201027093800j:plain

3.ということで、この日はもっぱらパソコンで映像を眺めました。

(1) ピースボートの共同代表&ICANの国際運営委員である川崎哲さんが、東京のスタジオから、広島、長崎、そして世界各国とつながって、過去の活動を振り返り、これからの取り組みと道のりを語り合いました。

(2) このサイトは、https://youtu.be/PAZ_gZiBMtg  です。25日の日曜日,朝から夜9時まで12時間、ユーチューブで放映していました。今でも見ることが出来ます。

サイトには、5785回視聴とあります。「少ない」と思うか、「こんなものか」と思うか。この問題についての日本人の関心は決して高くはないのではないか。

 他方で友人が言うように、自分が犠牲者・当事者でもないのに、なぜこれほどまでに熱心に活動を続ける少数の、特に若者がいるのか。

 彼らがやっていることを、もっと多くの人が知ってほしいと思うのです。

f:id:ksen:20201029162251j:plain

(3) 番組の最初の1時間か2時間は、以下のようなことが取り上げられました、

  • まず川崎氏が、2017年123か国の賛成によって国連で成立した本条約の、今回50か国の批准が成って国際法となり、来年1月に発効することの意味について説明し、
  • そのことへのお祝いを、作詞家の湯川れい子さん、カナダ在住のサーロー節子さん(ICANの2017年ノーベル平和賞の授賞式でスピーチをした)、原爆投下を命じた当時の米国トル―マン大統領の曾孫、ICANのフィン事務局長、秋葉前広島市長、赤十字国際委員会代表など、沢山の人たちの感想とお祝いの言葉が放映され、
  • 映像を見た被爆者から「ずっと泣きながら見ていました」といったメッセージが寄せられ、
  • これらの人たちや団体が核兵器廃絶に向けて行ってきた過去の活動が紹介され、
  • これからどのような活動をしていくか?まだまだ長い道のりだがこれからも頑張るという気持が伝えられた。

 

4.メディアの役割も大事だと思いました。東京新聞の26日夕刊には、もとプロ野球張本選手のお姉さんの話を記事にしていました。

「たった一人で、この2年半、核兵器廃絶を求める「ヒバクシャ国際署名」3481筆を集めた」とあります。「当初の目標は、弟の張本さんが誇る日本プロ野球最多安打記録の「3085」。地道に活動を続け、昨年末ついに追い抜いた。75年たつ今も脳裏に焼き付いているのは、目も鼻も分からないほど焼かれ死んでいった姉の姿だ・・・・・」。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/64293

f:id:ksen:20201027093904j:plain

5.果たして日本政府はこれからも無視し続けるのか。

(1) 「Wish you were here .(あなたにここに居てほしい)」――2017年3月、NYの国連本部で開かれた核兵器禁止条約交渉会議の最終日、空席の日本政府代表部の机上に置かれた折り鶴に書かれた言葉です。

 

(2)他方で、10月24日の報道によると、全国の自治体の4分の1を超える495の地方議会が、日本政府に署名や批准を求める意見書を採択した。「保守系議員らが政府の方針に反する意見書の採択を嫌う」風土の中で、これだけの地方議会が動いていると報じています。

 

(3)  また公明党の山口代表は、今回の核兵器禁止条約の50か国批准について、「国際規範として効力のあるものができあがるのは画期的なこと」と評価したそうです。その上で、日本政府に対し、「締結国会議へのオブザーバー参加を強く求めたい」と述べたとあります。

いままで縁もゆかりもなかった公明党ですが、大いに応援したくなりました。

f:id:ksen:20201029222839j:plain

6.最後になりますが、以下は同じ友人から転送された、「イベント」の紹介です。

(1)NGOピースボートは、この条約の推進に、船旅を通じて貢献してきました。広島長崎の被爆者が地球一周の各地で被爆証言を行いつつ、船内では、国境と世代をこえた核軍縮と平和に関する教育活動を行ってまいりました。

 

(2) このたび、ピースボートの活動を「軍縮教育」の1つのモデルとしてとらえた英語の書籍が国連軍縮部(UNODA)から出版されることになりました。

 

(3) この出版記念トーク・イベントを11月4日(水)に、主たる著者であるピースボートの畠山澄子が、書籍の内容を紹介する形で行います(日本語)。その前日11月3日(火)夜には、国連軍縮部主催で出版記念イベントが行われ(英語)、畠山澄子と川崎哲のほか、中満泉国連事務次長(軍縮担当上級代表)も参加予定です。いずれもオンライン・イベントです。

詳細は以下の通りです。

https://peaceboat.org/35398.html

畠山澄子さんは、ケンブリッジ大学卒、米国ペンシルバニア大学博士課程に在籍。こういう若い女性がこういう分野で活躍する時代になったのですね。