コロナに負けずに頑張っている友人たち

1.コロナがいまだに収まらず、同世代の友人たちはどのような日々を過ごしているかなと、時々思うことがあります。

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2.今回は、80歳前半になっても、コロナ禍の中で頑張っている元気な友人を紹介します。

(1)まず、神奈川県の中高一貫校で、ロボットプログラミングの授業を担当している中高時代の友人岡田君です。

いまは1月から3月まで計10回、一日2回の授業を担当している。もう10年も続けている。所属しているNPOの活動の一環。

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 私にはどういう授業か想像もつかないのですが、ロボットプログラミングとは、「ロボットを活用してPCのプログラミングを学ぶ学習」。2020年からプログラミング教育が義務教育で必修化されて、ロボットの活用が注目されているそうです。

 

高齢者の社会貢献で、実に立派なものです。若者に教えるのが上手なのでしょう。

 

(2)やはり中高で一緒だった佐藤君(実は妻の兄でもあります)は、昨年コロナの中で開催されたベートーベン「第九」の合唱メンバーとして、2回も参加して歌いました。

1回は、母校が8月15日にサントリーホールで実施した、卒業生も参加してのコンサートで。

2回目は年末、住まいのある川崎市の市民合唱団の「第九」でした。

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コロナの中で、参加する人数も観客も減らし、マスク着用で歌うなど充分な感染対策をしての実施だった。インターネットでも配信されたので、孫たちも楽しむことができた。

母校の主催なので校歌も歌った。6年制の男子高だから、女声と一緒になる機会はまずないが、この日は、

サントリーホールで、オーケストラをバックに、女性も一緒に校歌を歌ったのは初めての経験で、感動した」。

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3.最後の例ですが、ごく最近、小説の翻訳を完成して出版した、もとの職場で一緒だった友人が2人います。

(1) 一人は、1年先輩、スペイン語の翻訳―― 『鏡のある館』(アントニオ・ムニョス・モリナ著、大河内健次訳、水声社、2021年11月刊行)

 著者はまだ現存のスペインの作家。訳者の紹介によると、「本書は1986年発表の処女作」「著者はスペイン語圏で最もノーベル文学賞に近い人物の一人と言われている」。

 

帯には、「フランコ政権下の1969年、左翼思想を持った大学院生で作家志望のミナヤは、27年代の幻の詩人ハシント・ソラヤの散逸した作品の調査を行い、博士論文にすることをおもいつくが・・・」とあります。

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(2) もう一人は1年後輩で、ポルトガル語の翻訳――『大使閣下』(エリコ・ヴェリッシモ著、澤木忠男訳、文芸社、2022年2月刊行)

  著者はブラジル人で故人ですが、1965年刊行されて「ブラジルで最も権威ある文学賞を受賞した」。

 1959年アイゼンハワー政権下のアメリカの首都ワシントンとカリブ海にある架空のサクラメント共和国を舞台に、同国から駐米大使として赴任した男の破天荒の一生を軸にした物語です。一種の「ピカレスク(悪漢)小説」と呼んでもいいでしょう。

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4.両方に共通するのは、

(1)訳者は、スペイン語ポルトガル語の専門家ですが、もともとは銀行員です。翻訳は初仕事の筈だが、コロナで自宅にいる時間を利用して、「日々、愉しく作業した」そうです。

(2)作品も著者も現地では評価がきわめて高いが、日本では知る人もなく、本邦初訳である。

(3)ともに大作である。『鏡の~』は410頁、『大使閣下』に至っては740頁もある。よくも訳したものだと思う。

(4) どちらも贈呈して頂いたので、有難く読んでいるところです。

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5.以上,紹介する私の方は、日々ぐうたら過ごしていますが、このように、コロナに負けず、中には病苦に負けず(『大使閣下』の訳者は、がんの手術を克服しながらの快挙です)、楽しく努力している高齢者がいます。