- 前回は,タイム誌の表紙になった大谷翔平選手の写真を載せました。以下、記事の一部をご紹介します。
(1)「すべてを備えた男(Mr.Everything)」と題する記事で、まずは「昨シーズン彼は、米大リーグの歴史で今まで誰も見たことがないことを成し遂げた」と評価します。
投げて・打って・走って、それぞれに素晴らしい実績をあげた。
比べられるのは100年前のベーブ・ルースだが、彼は比較的早く投手をやめたし、脚が速かったとは誰も言わない。
(2)その結果、大谷の存在によってアメリカの国民的スポーツである野球が蘇った。彼が再生させたのだ。
いま野球は人気をバスケット・ボールとフットボールの下位に甘んじている。試合時間が長い・遅い・マンネリなどがその理由に指摘される。少年野球のチーム数も減っている。
そこに来て、ショウヘイ・オータニの出現である。野球場では相手チームを応援する観客でも、彼に声援を送る。韓国や台湾でも抜群の人気度である。
(3)さらに、
・エンゼルスのジェネラル・マネージャーは、「彼は、”really, really intelligent”」と語る。「物事を素早く把握し、修正できる。彼の“気付く力(awareness)”はレベルが違う」。
・記事は、「大谷はマドン監督と同じく、「野球のリベラルアーツ・スクールの卒業生である」と言います。「彼は、好投手&強打者であるだけでなく、“small ball (機動力や小技を重視する戦略)”を愛する。一試合に二塁と三塁と両方盗塁したこともあるように」。
この、「野球のリベラルアーツ・スクール」という表現を面白いと思いました。
(4)大谷自身はタイム誌にどう語ったか?
――「単年度の成績よりも、続けることをもっと大事にしています。だから、今シーズンはとても重要です」
そして「今シーズン、チームがプレイオフに出たいし、ワールド・シリーズで優勝したい」と夢を語ります。
- 話は変わりますが、連休前の好天の日、六本木の国立新美術館まで出向きました。
(1)ここは日本最大の美術館で、自らのコレクションを持たず、様々な展覧会の同時開催が特徴です。いまはニューヨーク(NY)のメトロポリタン美術館展がメインです。
(2)私が行ったのは同時開催の一つ、「光風会展」という公募展で、昔の職場の友人S君から、「昨年に続いて入選した」と案内状を頂いたので、観に行きました。
100号の大作の出品が多く、これらが並んでいる光景は壮観です。
彼の絵もやはり大作で、立派なものです。
(3) 昨年の入選作は「吹雪く夕べ」と題して、NYのマンハッタン南端にある歴史の古いトリニティ教会に雪が舞う様を描いたものでした。
今年は、「収まりゆく吹雪」と題して、パリのエッフェル塔に、止みつつある雪の景色です。
(4) 観ていて、フランスの画家クロ―ド・モネの「ルーアン大聖堂」連作を思い出しました。
モネは1892年から94年にかけて、この大聖堂の、日により、時間により、天候により、光の加減によって変わる姿を合計30枚描きました。
作品は全世界の美術館に散在していますが、1990年、ロンドンの王立芸術院で、すべてを集めた特別展覧会が開かれました。実に圧巻で、そのとき買い求めた画集は今も時々眺めます。
(5)S君の2枚の絵は教会とエッフェル塔の二つが題材で、対象は異なりますが、柔らかな色調は同じで、連作のように見えます。
但し、昨年は雪が「吹雪く」真っ最中の画像なのに比して、今年は吹雪が「収まりゆく」姿です。
悲惨なウクライナの戦争も一刻も早く「収まってほしい」と,誰もが願っていることでしょう。