ロンドンからの出張者と友人たちの話題の本

  1. 先週は、外出の機会が多かったです。

11日(土)には、英国に住む次女の2年4カ月ぶりの出張でした。

翌日曜日は、我々家族も再会を楽しみました。場所は六本木の国際文化会館です。

 

(1) まずは順調に帰国できたようです。入国時の検疫も時間がかからず、すんなり通過した。但し、ロシア上空を飛べないので、ANAは南回りで、飛行時間は従来より2時間ほど長かった。

 

(2) 全員のマスク姿には、聞いてはいたが驚いた。到着後ホテルのバーに入ろうとしたら、午後9時閉店だった。ロンドンでは誰もしていない。すべて平常に戻った。

(3) 英国は物価高騰のインフレでたいへん。子供の学校の送り迎えがあり、ガソリン代節約のため、電気自動車(EV)に買い替えた。充電も簡単で安く、利用者は増えている。

 

(4) 円安は旅行者には有難い。日本は英国のビジネスマン・ウーマンにとって「行きたい国のトップ」で、人気抜群。入国が容易になって、いまも同じ会社から別の出張者が何人も来ている。

(英国は大陸諸国ほどウクライナに近くはないが、それでも連日の戦争の報道にけっこうストレスがあって、“平和な”日本でおいしい物でも食べて精神的にリラックスしたいという気持ちもあるのか、と考えました)。

 

(5) 孫たちの話で、10歳の男の子が6年生で、あと3年同じ学校で過ごしてからパブリック・スクールに5年進学する(大学はそのあと)。どこに進学できるかが、今年の11月には決まってしまう。

私立校の教育費が高い。日本とはちょっと比較にならない高さで、果たして親の負担が可能だろうか、心配になります。

 奨学金も昔とだいぶ変わって、どんなに成績が良くても授業料免除にはならない。所得のごく低い親だけが例外的に対象になるだけ。

 それでも、よほど教育の質がいいのか不満は少なく、進学競争も激しい。

  1. あとは、友人に会ってお喋りしたり、「源氏物語」の講義を聞いたり、福沢諭吉のゼミに出たりの日々でした。

「源氏」は第40巻「御法(みのり)」に入り、源氏最愛の紫の上が「明けはつるほどに消えはてたまひぬ」、哀切の場面です。

 ゼミは、福沢が生きていたらいまの日本経済・社会について何を言うだろうかも話題になりました。

 

3.真面目な時間の合間には『80歳の壁』(和田秀樹幻冬舎新書)の話が出ました。いま大ベストセラーです。著者は1960年生まれの精神科のお医者さん。

4.この本ですが、

(1) 同世代の友人から盛んに勧められています。

(2) 釣られて買って、妻が先に読み、およその中身を聞きました。話を聞き、本屋で「帯」を読めば、大体のことは分かります。

(3) 主なメッセ―ジは、

・「80歳の壁」は高く厚いが、乗り越える最強の方法がある。

・それは、嫌なことを我慢せず、好きなことだけすること。

・「食べたいものを食べていい。お酒も飲んでいい」

・「健康診断は受けないほうがいい」

・「ガンは切らないほうがいい」

・「血圧、血糖値、コレステロール値は下げなくていい」

・「運転免許は返納しなくていい」・・・・等々。

 

5.友人たちにこの本が好評で、推薦したくなる理由を訊くと、

(1) 要は、我が意を得たり。日頃自分が考えていたことを、専門のお医者さんが言ってくれたという、満足感・安心感が大きいようです。

 

(2)また、「この本では、高齢者でなく「幸齢者」と呼ぶ」だの、「老化より「朗化」が大事だの」、「高い壁を低くするヒント50音カルタ」だの、巧みなメッセージを考えています。

(3)年寄り向けに、とにかく活字が大きくて読みやすく、細かい・難しい活字は後回しという向きの読書層には実にうまく作られています。

 

何事もこういう、便利な、悪く言えば安直な時代になりました。