外国人旅行者が集まる谷中と渋谷

  1. 前回は法事のあと谷中ぎんざを歩いた話を書きました。

(1)タイミング良く、24日(木)の毎日新聞は、「コロナ@外国人旅行者が集まる谷中」という記事を載せました。

下町風情が残る台東区谷中周辺も隠れた人気スポットだそうで、「なぜ下町のこんな奥深くまで外国から訪れるのか」と問い、

「この町の人は外国人だからといって指をさすこともなく、特別扱いもしなかった」「渋谷、六本木,銀座などいろいろ行ったけど、騒がしいね。ここはとっても庶民的で落ち着く」といった声を紹介します。

(2)70年以上続く「これぞ、はやりの昭和レトロの」宿も紹介します。

・欧米でいうB&Bで、夕食は「町に任せる」。

・ベッドはないし、英語も十分に話せない。

・「でも特別なことをしなかったのがよかったらしい」。

・ネットの口コミで評判が広がり、92カ国から述べ20万人を受け入れた。

・コロナで来日できなくなった常連客はキャンセルせず、「延期」を選んでくれた。入国者数の上限撤廃が報じられると、「延期」を繰り返していた香港の常連客から予約のメールが届いた。「涙がでそうになりました」と女将は言う。

(3)「酒屋の軒先で日本人と並んで「角打ち(立飲み)」を楽しむ外国人の姿もある」。

「夕焼けに照らされた町並みが美しいことから「夕やけだんだん」と呼ばれる」階段を上がると、ボランティアが紙芝居を読み、ベーゴマの腕を競う古老たちがいる。「フランスから来た7歳と13歳の兄弟が、手ほどきを受けていた。言葉は通じなくてもコマは見事に回り、笑い声がはじける」。

(4) 記事は最後に、こう結びます。

「日本の生活の奥に入り込み、季節の移ろいや人情の機微に触れる世界の人々。旅はもはや非日常を味わうものではなくなったかのようだ。

 私たち日本人は何を再発見するのだろう。出会った人たちから、そう問われているような気がした」。

 

  1. 私も谷中あたりを歩くとほっとした気分になるな、と思いながら記事を読みまた。ただ遠いので、そうは行けません。

私の普段の散歩コースは、駒場から東大のキャンパスあたり。それと、「騒がしいね」と62歳の米国の弁護士が記者に語ったという、渋谷の街です。

 

(1) その渋谷、昔もいまも若者の街ですが、再開発で高層ビルが林立し、お洒落な街に変容しつつあります。

(2) 先週、京都から年下の友人が上京し、昼食をともにしました。

「渋谷の蕎麦が食べたい」という提案で、昔よく行った「福田屋」に入りました。

(3) コロナ以後初めてですが、健在なのに安心しました。

おまけに外国からの旅行者も多く混んでいるのでびっくり。

昔から、高齢者が集まって酒を飲む、蕎麦屋と居酒屋を兼ねたようなところでした。この日はそういう連中と海外からの観光客との混在です。

我々もそれぞれ燗酒を3本空けながら、久しぶりに楽しくお喋りしました。

 

(4) かつて「マドンナ」と呼ばれた明るい女将さんが居ましたが、コロナの前、まだ

60代半ばで急逝しました。

今回行ったら、そのお孫さんの若い女性が元気に働いていました。

常連客が作ってくれたという彼女の「遺影」がレジの隅に飾ってありました。

(5)終わって、近くの喫茶店「シャルマン」で珈琲を飲み、「高齢者が気楽に入れる福田屋のような店と昔風の喫茶店が今も渋谷にあるのに驚いた」という友人の感想でした。

しかし、谷中に劣らず「着流し・普段着」の魅力があった渋谷は徐々に消えていきます。