「京都の朝はイノダコーヒから」

1. 今回は、京都の話の続きです。

昨年12月中旬、2泊したときも2日続けて朝食は「イノダ」に行きました。

常連の飯島さん、岡村さん、下前さんに会うのが主目的です。

  1. 岡村さんはいつも颯爽とバイクに乗って登場しますが、何せ祇園町の会長さんですから忙しそうです。

――2026年春に帝国ホテルがオープンする。

改築中の祇園甲部歌舞練場が3月に完成し、3年ぶりに「都おどり」が再開する。

そういった地域の活性化計画は、お茶屋さんを初め地元の人たちも意見を出しながら進めていく――という話を聞きました。

祇園には、地域を良くするために住民が自主的に参加して物事を進めていく文化と伝統が根付いていますね。

(2) なお、帝国ホテル京都は、

 「祇園甲部歌舞練場敷地内にある「弥栄会館」の一部を保存活用する。

登録有形文化財で歴史・文化的価値のある弥栄会館をホテルとして再生するとともに、耐震改修をはじめとする敷地全体の一体的な整備も目的としている」。

――京都らしい取り組みでしょう。

 

3.下前さんも現役の理髪師ですから、毎日多忙です。

(1)その上、365日ブログを書いています。

2006年以来、毎日途切れず6千回書き続けたお祝いに40人以上が寄稿した冊子が、ちょうど12月に完成しました。

私も光栄ながら寄稿させて頂いたので、タイミング良く頂戴しました。

(2) 2016年にも10年間続いた記念に「冊子」を出されました。

「柳居子徒然を読んだ」は、2冊とも書家による表表紙の題字も裏表紙の写真もデザインが同じです。

この点がいかにも京都人らしい感覚でいいなと感じながら、手に取りました。

4.下前さんは京都の理髪師として、世界中に有名です。散髪する様子をある外国人が30分の動画に撮ってネットにアップしたところ、6百万回再生されたというから驚異です。

外国人客は、日本在住者と観光客の両方ですが、リピーターもいます。

彼らとの応対についてたびたびブログで拝見しますが、以下は直接朝のイノダで伺った話です。

(1) 最初の外国人客は6年前。英国からで、顔をきれいに剃り上げたところ、「ミラクル」と言われた。

外国人は得てして、肌が薄いのに髭は濃い。従って剃るには細心の注意力を要する。

(2) 以来、鳩居堂で求めた御朱印長に、サインと短いコメントを書いてもらうことにしている。すでに5冊目に入った。友人の書家に頼んで「遠来」と題した。

「遠来」をイノダに持参されたので、見せてもらいました。世界各国から、英語や自国語で書いています。

あるオランダ人は「何と驚くべき黄金の手の持ち主だ!」とあります。

浙江省の中国人は「3年ぶり先生と会って楽しかった。またまいります」と日本語で書いています。

水際対策が緩和されて、一時途絶えたお客さんが戻ってきていることは、最近のブログが伝えてくれます。

(3) あるフランス人との会話を紹介してくれました。

  「もう一度日本に来る。そのときは必ず戻ってくる」というので

  「何年ぐらい先か?」

  「3年、いや5年後になるかな」

  「そのときには引っ越してるかもしれない」

  「どこに?」

  そこで下前さん、おもむろに指を天井に向けたそうです。

  フランス人は“天国だよ”というジョークを理解したらしく、大爆笑になったそうで        す。こういうユーモアあふれる対話もネットで話題になっているでしょう、

(4) これだけ外国人が訪れる理髪店は京都ではここだけだそうです。 

そのうち京都親善大使に任命されるのではないでしょうか。