「友カフェ」というワークショップ

1. arz2beeさんコメント有難うございます。支持率調査は「糠に釘で建てた道標のよう」というのは面白い表現ですね。
政治批判については「地道に働いている人」ほど、批判したくなるお気持ちはよく分かるような気がします。
まあ、政治は何と言っても権力を求める人の集まりですから、お互い、そういう世界に無縁に生きてきた幸せを感じてよいのではないでしょうか。


2. 今回は、前回にちょっとふれた、21日{土}恵比寿での「大震災とソーシャルビジネス」をテーマにした小さな「ワークショップ」について触れておきます。

参加した方がブログに紹介してくれました。
http://d.hatena.ne.jp/hotken105/20110521
勝手ながら引用しますと
・・・・・これからどうしようと考えているのか?社会とのつながり、「豊かな社会」から「よい社会」へのパラダイム転換、日本人論、企業の役割と価値、ボランティアとNPO活動、地域、絆、自らの生き方など、さまざまな課題について約3時間、熱い意見交換がなされた。
本日のキーワードは、
・自助、自立 ・これから求める豊かさ ・ネットワーク・絆・ヨコ関係 ・世界標準尺度(での考え・行動)・・・・
とあります。


3.「カフェ」と名のついているので私としては、京都での活動や私流のゼミの進め方をもとに、以下のようなことを考えながら皆さんと話をしました。

(1) ワイワイガヤガヤ言い合うことを大切にしたい。
(2) まとまった結論や方向づけあまり気にしない。参加者がいろいろな人の話や意見を聞いて、その中から、1つでも2つでも「参考になった」「考えさせられた」「自分とは違う話を聞いた」と感じてもらえればそれで十分。
(3) 皆が参加意識をもって、「違い」を大事にして(意見を無理にまとめようとしないで)、何よりも参加して楽しかったと思う(自分と違う、知らない人を知る楽しみ)ことが大事ではないか。


4.21日{土}のセッションは、人数は14人で、出た意見をすべて十分フォローするには多かったですが、中高年の男性、元気な女性、若い人といろいろと多様性に富んだメンバーで面白かったです。ヤマト民族ではない日本人もいて、貴重な意見が出ました。初対面が大半ですが、皆さんなかなかインテリです。


幾つかご披露しておきます。

(1) 企業に勤めながらNPO活動を始めている若者が数名。
最近は、こういう若者が現れているのだなあと印象に残りました。

(2)1人は、建築士でマンション設計をやっている。仕事は面白いが、設計をやっていて、マンションがあまりにも閉鎖的な空間を作ろうとすることに疑問を感じて、並行して「きずなと居場所」を大事にするNPOを立ち上げた・・・・

こういう気持ちは良く分かるような気がします。

もちろん、居住者が、同じマンションの他の居住者と関わりたくないという意向が根底にあるのでしょうが、ちょっと寂しいですね。


マンションの中に、誰でも集まれる「居場所」をつくる、そこで時々、集まりたい人は、お茶を飲みながら、「友カフェ」のような「ワイワイガヤガヤ」をやる。そして「弱いきずな」を作っていく・・・・・・

夢物語でしょうか?


(3)もう1人の若者は、NPO活動を通して今後も長く被災者を支援していきたい。
その1つとして考えている中に、「被災者とNPOのメンバーとが相互に個別に手紙のやりとりをする」というアイディアを話してくれました。本人は、ITのソフトウェア開発の会社で働いていて、なおかつ、こういうアナログの発想を大事にしたいというところが印象に残りました。

5.あとは、まったくの断片的なコメントを幾つか紹介します。

(1) 義捐金が、必ずしも本当に困っている人のところに行っていないという話をよく聞く。
(2) コミュニティや地域共同体の「負の側面」にも気をつける必要がある。
(3) 「よい社会」とは「こころの在りよう」と「関係性」が大事ではないか。
(4) 日本人が世界の情報の谷間にいることも心配。
(5) 震災で日本人のいやな面もみたように思う。
(6) そもそも日本語は「ヨコ」の人間関係の構築には適していない言語ではないか。
(7) ワークライフバランスというが、働きがいを感じて働いている人もいる。「私にとっては“ワークライフバランス”より“ライフワーク”」と言う女性もいた。
(8) NPOにとって最大の課題はやはり資金の問題、いかに稼ぐかが大事。
(9) NPOと政府との会合に出て震災支援について話あっているが、いまの政府の対応はマスメディアで報道されている姿だけではない。意外にしっかり対応している面もある。
(10)自分がやっているビジネスのうち、一部でも少しでも「ソーシャル」に持っていければよいのではないかという発想に勇気づけられた。


6.まあ、以上のように多種多様なコメントが出て、「まとめる」というのは難しいですね。
私としては、「ヨコのネットワーク」「つながり」「共感」「居場所」「ソーシャルとビジネスは親和性があるか?」といった日ごろ、語っている言葉がすこしでも参加者の心に残れば嬉しかったなと感じた次第です。