考え事

ハチ公像、そして大岡信の『日本の詩歌、その骨組みと素肌』

1. 今年最後のブログです。前回には渋谷の忠犬ハチ公像の写真を載せました。年末に なっても、外国からの観光客が行列をつくってハチと一緒に写真を撮っています。 コメントを頂いたHiranoさんによると、自分にはこういう外国の友人が何人も居る、愛犬にHach…

米中間選挙、再びリベラリズムとJ.S.ミルについて考える

1.11月に入り、東大駒場の銀杏並木が少しずつ色づいてきて、歩く楽しみです。 2.米国の中間選挙については日本のメディアも大きく報じました。 翌日朝刊一面でほとんどの新聞は「ねじれ」議会という見出しでした。 他方でニューヨーク・タイムズ(NYT)は「…

エコノミスト誌が語る「民主主義はどのようにして死を迎えるか」

1. 関東甲信は早くも梅雨が明けたそうで、暑さが続きます。 朝早くから暑い中、東大キャンパスでは野球部の選手が練習をしています。 こちらは涼気を求めて散歩がてら図書館に入ることが多く、そこで雑誌を読んで時間を過ごします。 英米の雑誌は米朝首脳会…

生誕900年の西行の生きた時代と「紅旗征戎吾が事にあらず」

1. 前回は、和歌の「返しの文化」について、待賢門院堀河と西行のやり取りの実例を紹介しました。 Masuiさんから「男女は単なる平等であればよいだけではなく、その間に強いレゾナンスが生じ、1+1が2になるのではなく、その何倍にもなるところが真の平等で…

『歴史とは何か』(E.H.カー、岩波新書)と岡村さん「世界街歩き」

1. 豪雪地帯はたいへんですが、東京は寒いけど天気はいいですね。 家人が無事にロンドンに出かけ、暫らく老人の一人暮らしとなります。 今回の飛行機は羽田からでしたが、成田に比べて我が家からははるかに便利になりました。 空港まで見送り、帰りは一人で…

サーロー節子さんの「記憶」とエコノミスト誌の「Kポップ対歴史」報道

1. 東京に大雪が降った22日も、目白が寒さをものともせずに、枝にさした蜜柑を食 べに飛んできました。この雪では他に食べ物を見つけるのはたいへんだったでしょう。 前回のICAN事務局長とサーロー節子さんの平和賞受賞スピーチについては、フェイスブックか…

タイム誌、ICAN事務局長そしてサーロー節子さん

1. 冬の寒さには温泉がいちばんと思い、嬉しくも子供たちがチケットを贈ってくれたので、年初早々鬼怒川温泉に行きました。1泊して、翌日は生まれて初めて日光東照宮にお詣りしてきました。陽明門が新しくきれいになっていました。 子供の頃は、「日光を見ず…

「在宅医療を知っていますか?」の勉強会

1. 岡村さんコメント有難うございます。昔ニカラグアの首都を歩いていて日本企業の名前を見て「抱きしめたくなった」という思い出、そういうことってありますね。 Bank of Tokyo の名前も、デビ夫人のように海外でそういう思いを感じてもらえる人が居たとし…

「クオリティ・オブ・デス(Quality of Death)」について考える

1. arz2beeさん、「還暦を過ぎて再び少し小説を読むようになった。小説でしか知り得ない世界があると思う」というコメント、有難うございます。この方は現役のお医者さんです。忙しい人助けの仕事の傍ら、小説を読む時間を見つけておられることを嬉しく感じ…

妻籠に行った方から「正しい観光地ってどんなものでしょう」

1. 1週間に1度しか書かないのでお礼が遅れましたが、山口さんコメント有難うございます。 東京のお庭で野菜作りとはいいですね。 我が家から歩いて数分のところが、空き地になったと思ったら、そこに畑が出来て野菜やら花を作り始めたようで、びっくりしたり…

エコノミスト誌の論説と豪州の二重国籍問題

1.お2人のコメント有難うございます。 名無しさん「田舎にステイタスを感じている馬鹿」とのこと、確かにそうですね。 しかし英国人は「田舎(country)」を実に愛し、大事にします。まさに「ステイタス」です。彼らの方が私よりさらに「馬鹿」なのでしょう…

『アメリカの憲法が語る自由』と日本の「憲法改正」

1. 英国の総選挙も終わりました。メイ首相の思惑が外れてEU離脱の交渉は難航するでしょう。しかしトランプやハード・ブレクジットを支持するか不支持かを問わず、 どちらの国も、2大政党がそれなりに機能して「チェック&バランス」が働いているのは、羨まし…

国連「世界幸福度報告書2017」で日本は51位

1. 柳居子さん長文のコメント有難うございます。見事な「無形資産」を披露して頂き、他の高齢者にも大いに参考になりますね。100歳になるまでチョコレートが届くことでしょうと、長寿を祈りあげます。「幸福な日本人」の1人でしょう。 ロンドン郊外に住む、…

タイム誌の記事「longevity」とダボス会議「人生100年時代」

1. 東京の桜の開花はもうすぐです、いまは散歩コースの駒場民芸館の前庭に、終わり近い紅梅のうしろに白い木蓮が盛りです。 前回は、元気に活動している同世代の人たちに触れました。 たまたまタイム誌3月6日号が、表紙と特集は相変わらずトランプですが、第…

『沈黙』は異端か?日本人にキリスト教は根付くか?

1. 我善坊さんの丁寧なコメントおよび、フェイスブックでもいろいろ有難うございます。 我善坊さんの「『沈黙』はやはり異端ではないのか?」と FBからの「日本人にキリスト教は向かないのではないか?」 の2つは重なり、ともに重要な論点だと思います。これ…

オバマにとっての「レトリック」と「2016年タイム誌今年の人」

1. 今週末は京都に行く予定なので早めにブログ・アップします。前回紹介したオバマ退任演説について、もと職場の友人が「彼のスピーチには、ギリシャ・ローマの修辞技法(レトリック)が実に効果的に使われている」と教えてくれました。格調の高さにはもちろ…

2017年お正月に考える

1. おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。 忘年会も終わって暇になったので、昨年末以来たまった新聞雑誌を読んでいます。 まずは、安倍首相の真珠湾訪問です。 (1) 安倍首相のスピーチは、なかなか良かったと思います。 「不戦の誓い」を確…

アメリカ次期大統領に、「反省」と「失望」と「品性」を考える

1. 晩秋の信州の自然にひたって満足して浮世に戻ると、トランプ次期大統領の誕生です。大喜びしている人たちだけではなく、「ショックと驚き」、そして「反省と失望」を感じた人たちも多かったのではないか。 殆どのアメリカの「予測」が、接戦とはいえヒラ…

じゃがいもを掘りながら「生前退位」と保守を考える

1. 老夫婦2人、田舎の家に過ごし、野生の鹿が闊歩する姿や畑や山々を眺めているとどうも人間社会が遠く感じられて、リオ五輪や高校野球のTVも殆ど見ておりません。 一昨日は、朝早くから2人で、ジャガイモを掘りに行ってきました。 田舎に夏を過ごしている友…

JR東海からジパング会員証不携帯で制裁を受けた話の続き

1. 前々回のブログに書いた「和歌と短歌の違い」について我善坊さんから丁寧なコメントを頂き、お礼を忘れました。周回遅れですが、勉強になりました。俳句の「型からの解放」は芭蕉から、他方で短歌の「(和歌からの)解放」は子規からですか。 「型」につ…

EU離脱を選択した英国国民投票を終えて

「英国と欧州にとって運命の日(Moment of destiny for Britain & Europe)」23日(木)の国民投票の結果は、事前の世論調査で「僅差あるいは離脱派の若干優勢」が伝えられていたとはいえ、実際に起きてみると、衝撃で世界を包みました。私も普段から、エコ…

「文化」は不合理・不便なものであってよいのでは?

1. 前回の拙ブログにいろいろコメントを頂いたお礼が遅くなりました。 京都で少し遊び過ぎたか、 私事ながらインフルエンザに感染してしまい数日間寝てばかりいたためです。 周りの友人からも「やられた!」という情報が多く入っており、かなり流行している…

タイム誌「2015年今年の人」はやはりドイツのメルケル首相

今年もよろしくお願いいたします。 1. 2016年最初のブログは恒例のタイム誌「2015年今年の人(Person of the Year)」を取りあげます。 同誌の昨12月21日号特集で予想通り、メルケルさんが選ばれました。 その前すでに11月には, (1) 米国Forbes誌がプーチン…

年末の「メサイア」、エコノミスト誌「今年いちばん好感の持てる国」は?

1. 遅くなりましたが我善坊さん柳居子さん有難うございます。 前回「私のお父さん」という作文について書いたのですが、コメントを拝見して反省しました。海軍の街で育ったので同級生の2割は戦死、だからこういう作文の題はなかったというのはご指摘の通りで…

テロはパリだけではないが、いま「自由」と「寛容」は・・・

駒場の東大は本日駒場祭。前の日のイチョウ並木を歩きながらいろいろ考えたことです。 1. 前回のブログを書いたのは、パリ市内でのテロの翌日でした。 直感的に感じた問題と危惧として (1) 右翼の国民戦線&ポピュリストは? (2) フランスに住むイスラム系移…

Escape to the Country(田舎に逃げ出す)と英国イートン校

前回のブログで触れた、習さん・キャメロンさん(女王も巻き込んで)の蜜月については、ご意見をいろいろ頂きました。 1. 我善坊さん、丁寧なコメントを有り難うございます。「これこそが「原理原則」に基づく国ではない、つまり保守主義の国なのでは?」 「…

「あなたは国のために戦えますか?(Would you be willing to fight for your country?)」

1. 前回は「英語の世紀の中で」、日本人もIと We (これもIから始まる)で考えることも大事ではないか、と書きました。 フェイスブックで面白いコメントを2つ頂きました。 Aさんは「Iは、個人として神の前に立つというキリスト教と結びつくのではないか」と…

「英語の世紀の中で」(水村美苗)考える

1. 一昨日まで、大学時代の友人2人が田舎を訪れてくれて、愉快な日々を過ごしました。 一日は松本までドライブをしました。清潔で落ち着いた、気持ちの良い街で、道を訊いたりしても、皆さんとても親切でした。 お城の天守閣(国宝)を上がり、開智学校や旧…

「We」と「私たち」は同じか?「過ちは繰返しませぬ」の主語は?

1. 我善坊さん貴重なコメント有難うございます。私もテレビで産経記者の質問を聞いておかしいなと思い、邦訳を再読しました(ネットで読めます)。ご指摘の通りですね。訳知り顔におかしな発言をするジャーナリストには困ります。 ということで、談話と翌15…

まだ反知性主義と「曲学阿世」&南原繁のこと

1. KONO Takeshiさん、コメント有難うございます。朝日と読売を1年ごとに交互に購読するというのは面白いですね。どちらも断りきれないというところにお人柄が出ているのかもしれません。 主義主張の違う両紙を読み比べることは大事だろうと思います。 憲法…