2017-01-01から1年間の記事一覧

今年も「メサイア」、「エコノミスト」誌の2017年の「Country of the Year」は?

1. 2017年も本日で終わります。(1)皆さまは年末をどのようにお過ごしでしょうか? 私であれば、変わり映えせず、忘年会が少し(恒例で二子玉川の高島屋内の蕎麦屋にも行きました)と、年賀状書き、「メサイア」と「墓参」でしょうか。 「メサイア」は7年前ま…

カズオ・イシグロの”Nobel Lecture”と「リベラル」であること

1. この12月は東京だけでなく、ロンドンも寒いようで、クリスマス前にウィンザー城にも雪が降ったと、娘のところから写真を送ってきました。 外は雪でも部屋の中は温かそう。大きなツリーを飾っています。やはり1年でいちばんのお祭りなのでしょう。 ところ…

カズオ・イシグロの「受賞記念講演(Nobel Lecture)」を聞く

1. 東京も寒い日が続きます。さざんかの咲く朝の散歩道、完全武装で歩きます。 もっとも天気は快晴の日が多く、1週間前、日帰りで京都に行ったときもよく晴れて、富士山がきれいに見えました。 ひとり旅をしている中国人の若い女性が「きれいに見えますよ」…

京都で「国宝展」を観る。「縄文のヴィーナス」にも再会。

1. 前回に続いて京都の話です。昨日(12月9日)も法事があって日帰りしたのですが、ここで取り上げるのはまだ前回の続きで11月23〜25日のこと。「祝賀会」に顔を出すという用事で行ったのですが、紅葉見物もして「国宝展」にも行ってきました。 この時期はも…

京都での「冷泉家時雨亭叢書百巻完結記念」の祝賀会

1,今回は紅葉見物を兼ねた京都の話まで書けるかどうか。その前にコメントのお礼と補足説明からです。遅くなりましたが、前々回のブログへのarz2beeさんコメント有難うございます。 「リベラルがマイノリティとは思えないのですが、サイレントなのでしょうね…

タイム誌でイアン・ブレマーが語る「中国の優位性(Advantage China)」

1. 所用で昨日まで紅葉が盛りの京都にいましたが、そのことは次回にして、東京の我が家では、昨年調布の神代植物公園で小さな苗木を買った薔薇が今年の冬もまだ花を咲かせています。薔薇は英国の国花ですが、逆境にあっても、棘で身を守り、芯の強いところが…

「リベラル」が確固たる存在感のある国のこと

1. 朝の散歩路、東大駒場キャンパスの銀杏並木が色づいています。来週末は駒場祭です。ただ今年は、風が強い日が多かったせいか例年より早めに散った葉も多いようです。 「風に聞け 何れか先に 散る木の葉」とは漱石の句です。 2. 週に1度は朝の散歩に加えて…

「在宅医療を知っていますか?」の勉強会

1. 岡村さんコメント有難うございます。昔ニカラグアの首都を歩いていて日本企業の名前を見て「抱きしめたくなった」という思い出、そういうことってありますね。 Bank of Tokyo の名前も、デビ夫人のように海外でそういう思いを感じてもらえる人が居たとし…

「聖フランシスの平和の祈り(Make me a channel of your peace)」と織部の「沓型」茶碗でお茶を頂く

1. 紅葉が美しい季節になりました。 何れは散るのですが、前回は、医者の助けを得て自ら「散る」時期を選んだ事例を紹介しました。カナダでは法(the medical assistance in dying law)によって医者が患者を安楽死に導くことが認められています。 (ところで…

NY Timesの記事「自分自身のお通夜で(At His Own Wake)」

1. 今年最後の茅野市滞在ですが、八ヶ岳は初冠雪。昨日からは台風の影響で雨です。 前回は友人が教えてくれた「クオリティ・オブ・デス」について。 今回は、NY TIMEESの今年5月25日付の記事を紹介したいと思います。 https://www.nytimes.com/2017/05/25/wo…

NY Timesの記事「自分自身のお通夜で(At His Own Wake)」

1. 今年最後の茅野市滞在ですが、八ヶ岳は初冠雪。昨日からは台風の影響で雨です。 前回は友人が教えてくれた「クオリティ・オブ・デス」について。 今回は、NY TIMEESの今年5月25日付の記事を紹介したいと思います。 https://www.nytimes.com/2017/05/25/wo…

「クオリティ・オブ・デス(Quality of Death)」について考える

1. arz2beeさん、「還暦を過ぎて再び少し小説を読むようになった。小説でしか知り得ない世界があると思う」というコメント、有難うございます。この方は現役のお医者さんです。忙しい人助けの仕事の傍ら、小説を読む時間を見つけておられることを嬉しく感じ…

イシグロの小説を読む「愉しさ」、ノーベル平和賞と「記憶」

1. 我善坊さんコメント有難うございます。ご指摘の点は、まったく異存はありません。「記憶」がテーマとしていちばん大きく取り上げられるのが最新作『忘れられた巨人』ですね。そこでは主人公は、「失われた記憶(例えば、ブリトン人とサクソン人との憎しみ…

やはりカズオ・イシグロのノーベル文学賞のこと

1. 岡村さん、祇園からのコメント有難うございます。当事者の悩み、お察しします。 「狭義の観光地」を、「料金を払っても、不特定多数に見てもらい・楽しんでもらう場所」と定義できるとすれば、祇園花見小路は該当しないでしょうから、何らかの入場制限の…

妻籠に行った方から「正しい観光地ってどんなものでしょう」

1. 1週間に1度しか書かないのでお礼が遅れましたが、山口さんコメント有難うございます。 東京のお庭で野菜作りとはいいですね。 我が家から歩いて数分のところが、空き地になったと思ったら、そこに畑が出来て野菜やら花を作り始めたようで、びっくりしたり…

二人の京都人と冷泉貴実子さんの個展「わたしの楽しみ」

1. 山口さんの「お試しメール」無事届きました。有難うございます。 前回は、国籍法を改正して「二重国籍」を認めてくれないかと願う日本人がいるという話を書きました。 「京都の顔役」とも呼ばれる下前さんからフェイスブックのコメントを頂き、面白いと思…

妻籠の旅、そして二重国籍のこと再び

1. A子様、豪州シドニーからのメール有難うございました。 大学時代の友人2人が遊びに来て、一緒に旅をしました。旅を終えて、すぐに田舎家をたたんで帰京したばかりです。そんなことで、返事が遅くなり、失礼しました。 旅は、南信の昼神温泉に行き、木曽路…

『1941決意なき開戦』(堀田江理、人文書院)を読む

1. 当地も秋めいてきました。稲が実り、蕎麦の花も満開です。 そろそろ山を下りる予定で身の回りを整理しつつ、読書も続けています。 今回は読み終えたばかりの『1941決意なき開戦、現代日本の起源』(堀田江理、人文書院、2016年)についてです。なかなかの…

エコノミスト誌の論説と豪州の二重国籍問題

1.お2人のコメント有難うございます。 名無しさん「田舎にステイタスを感じている馬鹿」とのこと、確かにそうですね。 しかし英国人は「田舎(country)」を実に愛し、大事にします。まさに「ステイタス」です。彼らの方が私よりさらに「馬鹿」なのでしょう…

信州暮らしと「小さな村の物語イタリア」

1. 信州の田舎暮らしが続いています。昨日の、いや昨年の繰り返しの様な平凡な日々です。昨年の20日には、地元のリーダー2人、東京からの一時滞在5人総勢7人の老人がボランティアで「オーハンゴンソウ」駆除作業。 我々夫婦も参加しましたが、今年は22日、昨…

茅野市豊平の畑で、丸山眞男も思い出す

1. 当地も長雨と日照時間の不足が続いています。 18日付信濃毎日には「長野市や飯田市では今月、平年の3倍ほどの降水量を記録し、日照時間は3割少なく、ブドウやリンゴなどの着色が鈍ったり、野菜の生育が遅れたりしている」とあります。 AI や核やネットの…

第22回茅野市平和祈念式に出席して

1. arz2bee さん、「小倉昌男さんの理解が進んだ」とのコメント嬉しく拝読しまし た。私もかねてから尊敬する人物です。大学での「社会起業論」の講義でも氏のことを何度も語ってきました。 2. 8月6日早朝には、22回目の「茅野市平和祈念式」に参加してきま…

茅野の図書館で『小倉昌男、祈りと経営』(森健、小学館)を読む。

1,我善坊さん、仁太郎さん、コメント有難うございます。 「毎日」を購読の我善坊さんは、プチ鹿島の言う「書生肌のおじさん」にぴったりですね。 仁太郎さんは、「全寮制・相部屋」の学校で苦労されたようですね。英国のパブリック・スクールはいまだに原則…

信州の田舎暮らしと東京新聞が懐かしい

1, 7月中旬から茅野市の山奥に住む時間が長くなりました。 福岡・大分や秋田の豪雨はまことに悲惨・お気の毒ですが、長野県中部、いわゆる「中信」は有難いことに比較的災害の少ない地域です。 それでも7月下旬は雨も多く、特に夜によく降ります。 友人2組…

コメントのお礼―漢詩と新島襄と元気な若者たち

1. このブログは原則として週に1回アップすることにしていますので、3人の方からコメントを頂いたお礼が遅くなりました。 まず前回7月16日付ブログ「新島襄の漢詩“寒梅”について」、黒幕子さん、我善坊さんのお2人、まことに有難うございます。何れも尤もな…

新島襄の漢詩「寒梅」に思う。

1. 前回は、7月初め、若者たちと朝早く会って「社会起業家精神」について喋ったことに触れました。 その数日前には、東京鶯谷駅に近い「吟道会館」で詩吟の先生たちと話をする機会がありました。 僭越ながら、同志社の創立者・新島襄について駄弁を弄したの…

「社会起業家精神と私たちに出来ること」

1. 前回は、生前退位をして「上皇」になられたら京都に〜と希望している京都人が居るという話を書きました。 http://www.asahi.com/articles/ASK6D51N0K6DPLZB01K.htmlそこでつまらぬジョークを思い出しました。 「世界にいま、永遠に退位しそうもない女王が…

京都から須磨迎賓館での結婚式

1. 先週の週末の話です。京都に1泊し、翌日は神戸市須磨まで足を伸ばし、昔の教え子の結婚式に出席しました。 宇治市にある、京都の名前の付いた私立大学に13年在籍し、2011年に定年退職して東京に戻って以来、こういう機会は珍しく、須磨は行ったことがない…

京都から遅く帰宅して憩う

1. 我善坊さんコメント有難うございます。 「オルテガは大衆に危惧をいだき(知的)エリートを高く評価したというのが日本での評価のようですが〜」とあります。 私は「日本での評価」は、西部邁を少し読んだぐらいでよく知りません。しかし西部氏は「オルテ…

いまウェーバー『職業としての政治』オルテガ『大衆の反逆』を読み返す

1. 東京は梅雨にしては雨が少ないですね。田舎の畑では作物だけではなく草もまたまた伸びてきていることでしょう。 今年もそろそろ半分が終わりそうですが、何だか楽しい話題が少ない気がします。私の場合 社会の出来事は新聞から知るのが主ですが、新聞によ…