2017-01-01から1年間の記事一覧

『アメリカの憲法が語る自由』と日本の「憲法改正」

1. 英国の総選挙も終わりました。メイ首相の思惑が外れてEU離脱の交渉は難航するでしょう。しかしトランプやハード・ブレクジットを支持するか不支持かを問わず、 どちらの国も、2大政党がそれなりに機能して「チェック&バランス」が働いているのは、羨まし…

電車で人と喋り、電車で本を読む。

1. いつも書いていますが、東京新聞というのは面白い新聞で、リベラルを標榜しつつ、芸能・文化・スポーツが大好きです。5月最後の31日夕刊は、「正々堂々、大関高安誕生、平成生まれ日本出身初」が1面トップの大きな写真入り記事でした。 大相撲と言えば、5…

トランプ「ロシアゲート」と「憲法を守る」人たち

1. いまの「かの時」は、まだ薔薇咲き誇る「時」でしょうね。前回のブログは、「かの時に我がとらざりし分去れの方への道はいずこ行きけむ」の歌を紹介しました。 たまたま直後に友人に会ったので、この歌を披露しました。「誰の歌か知ってる?」の質問に、…

「信濃のコロンボ」と信濃追分「分去れの碑」

1. 花と緑の美しい季節になりました。神代植物公園の薔薇が咲き誇っています。 それぞれの花のイメージに合わせてどういう名前を付けるか、栽培者の楽しみでしょう。「イングリッド・バーグマン」「マリア・カラス」「ジナ・ロロブリジタ」など美女の名前が…

詩集「わが涙滂々」の英訳本と東京新聞の記事など

1. 連休の田舎暮らしを終えて東京に戻りました。 孫も英国に戻りました。学校が始まり、出掛ける前に一人でチェス盤に向かっているという写真が届きました。「詰め将棋」ならぬ「詰めチェス」というのもあるのですね。前々回、たった2人が参加する課外活動で…

連休は蓼科の田舎で畑仕事

1. 連休は老夫婦2人で田舎に過ごしています。 八ヶ岳にはまだ雪が残りますが、里に下りると桜や花桃が満開、家の周りも徐々に木の芽が芽生えています。 老骨に鞭打って畑仕事に精を出しました。 3軒の仲間で地元のオーナーの畑を借りて、耕し、畝をつくり…

『ことばを鍛えるイギリスの学校』(山本麻子)のことなど

1. GWの連休が始まり、老夫婦で田舎に来ています。桜がちょうど盛りで、鯉のぼりも舞っています。 前回はイースター休暇で一時帰国した孫のことを書きました。 英国の小学校のことにも触れたいと思います。 といっても、とくに詳しいわけではなく、彼が通っ…

東京新聞「春はイースター商戦?」と駒場児童館へ散歩

1. 東大駒場は山桜と八重がまだ満開です。キャンパスは元気な新入生の姿が多くみられます。 他方で欧米の学校はしばらくイースターの休暇中。その間、英国から娘の友人一家が観光旅行に来日したことはブログに書きましたが、入れ替わりに今度は5歳の孫もやっ…

村上春樹現象と『騎士団長殺し』を読む

1. 数日前の朝の散歩道、東大駒場キャンパスの桜並木も落花の風情。野の花はいま盛りです。 氤岳居士さんコメント有難うございます。 「学部では、「歴史」だの「化学」だの「文学」だのリベラル・アーツを学ぶ」は「学部」と書いたから誤解を招いたのでしょ…

花を愛でる、英国人と無駄話、嘘はつかない、

1. 我善坊さん、いつも丁寧かつ的確なコメント有難うございます。 「くに(country)」と「国家(nation State)」という表記については、某友人からメールで質問もあり、説明をつけた方がよかったかもしれません。 こういう表記にした理由を補足すると、以下の…

「毎日がエイプリル・フール?」とタイム誌「真実は死んだのか?」

1. 今回もロンドン郊外から届いた花写真を載せます。 ワーズワースのよく知られた詩「水仙」に「黄金色の〜(golden daffodils)」と歌われる花です。 「そして私の心は喜びに満たされ、水仙とともに踊り出すのだ(And then my heart with pleasure fills ,A…

国連「世界幸福度報告書2017」で日本は51位

1. 柳居子さん長文のコメント有難うございます。見事な「無形資産」を披露して頂き、他の高齢者にも大いに参考になりますね。100歳になるまでチョコレートが届くことでしょうと、長寿を祈りあげます。「幸福な日本人」の1人でしょう。 ロンドン郊外に住む、…

タイム誌の記事「longevity」とダボス会議「人生100年時代」

1. 東京の桜の開花はもうすぐです、いまは散歩コースの駒場民芸館の前庭に、終わり近い紅梅のうしろに白い木蓮が盛りです。 前回は、元気に活動している同世代の人たちに触れました。 たまたまタイム誌3月6日号が、表紙と特集は相変わらずトランプですが、第…

詩集「わが涙滂々――原発にふるさとを追われて」

1. 前回のブログでは雑誌「道標」に文章を載せている友人を紹介しました。ほぼ同世代の仲間の中には、文章だけでなく、絵を描いたり、合唱を続けたり、漢詩をつくったり、民謡や詩吟を教えたり・歌ったりと多才な人たちが居て、元気に活動しています。まとま…

司馬遼講演「キリスト教文化と日本」や雑誌「道標」&「あとらす」

1. arz2beeさん、有難うございます。まだ『沈黙』をめぐって話が続きますが、「神を忖度するのは異端に思えます。神は絶対で・・・問答無用の存在と感じる」という指摘を興味深く読みました。前回の、我善坊さんの「遠藤周作のいう「和服のキリスト教」はや…

『沈黙』は異端か?日本人にキリスト教は根付くか?

1. 我善坊さんの丁寧なコメントおよび、フェイスブックでもいろいろ有難うございます。 我善坊さんの「『沈黙』はやはり異端ではないのか?」と FBからの「日本人にキリスト教は向かないのではないか?」 の2つは重なり、ともに重要な論点だと思います。これ…

遠藤周作「沈黙」とスコセッシ監督「沈黙」

1. 我善坊さん、コメント有難うございます。お気持ちはよく分かりますが、「議会から独立して」というのは立法権に対する例外措置、憲法の改正が必要で、実現は難しいでしょうね。 国家権力が、自らの権力基盤を揺るがすような制度設計を率先してやるとは、…

タイム誌「カリフォルニア共和国の逆襲(The California republic comes roaring back)」

1. 寒い日が続きますが、朝の散歩道、駒場民藝館の紅梅白梅が早くも咲き始めました。東京では、春は徐々に近づいています。 前回のブログで「国境をまたいで猫はあくびする」という“平和の俳句”を紹介し、昨年12月に東京新聞に掲載と書いたのですが、これは…

京都冬の旅&かるた会&NPO「ミンナソラノシタ」

1. その後も、小さな庭に神代植物公園産の冬薔薇(ふゆそうび)が満開です。寒さに耐えて健気です。 こちらは寒さに耐えて、先々週末、京都に2泊しました。私事で恐縮ですが、いとこ達が集合して「新春かるた会」をやりました。単なるお遊びですが、結構楽し…

京都から帰ったらトランプ大統領就任

1. 先週末、京都に2泊しました。時おり雪が舞う寒さでしたが、帰る日はよく晴れて新幹線から富士山がきれいに見えました。 2. 帰京して、ブルーレイにとってあったトランプ大統領就任式の模様を見ました。16分の演説で気づいたのは、 オバマのシカゴでの退任…

オバマにとっての「レトリック」と「2016年タイム誌今年の人」

1. 今週末は京都に行く予定なので早めにブログ・アップします。前回紹介したオバマ退任演説について、もと職場の友人が「彼のスピーチには、ギリシャ・ローマの修辞技法(レトリック)が実に効果的に使われている」と教えてくれました。格調の高さにはもちろ…

オバマ大統領退任演説と「現実はいつかあなたに追いつく」

1. 猫の額ほどの庭に、昨年晩秋に調布の植物公園で買い求めた薔薇が、けなげに美しい花を咲かせています。公園で満開だった品種「イングリッドバーグマン」に似ているかなと思いながら眺めています。 先週のブログは、聡明で活動家の文化人類学者だったオバ…

アメリカ大使館員の踊る「恋ダンス」など

1.今年も元旦の朝から家人が庭のかりんの枝にオレンジを置いておくと、小鳥が飛んで来てきれいに平らげていきます。平和な光景です。 もっとも家人は憤慨していますが、大きなヒヨドリが我が物顔にたくさん食べて、小さな目白は少し上の枝にとまって親分が食…

2017年お正月に考える

1. おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。 忘年会も終わって暇になったので、昨年末以来たまった新聞雑誌を読んでいます。 まずは、安倍首相の真珠湾訪問です。 (1) 安倍首相のスピーチは、なかなか良かったと思います。 「不戦の誓い」を確…