2018-01-01から1年間の記事一覧

ハチ公像、そして大岡信の『日本の詩歌、その骨組みと素肌』

1. 今年最後のブログです。前回には渋谷の忠犬ハチ公像の写真を載せました。年末に なっても、外国からの観光客が行列をつくってハチと一緒に写真を撮っています。 コメントを頂いたHiranoさんによると、自分にはこういう外国の友人が何人も居る、愛犬にHach…

忘年会の合間に『公卿会議』(美川圭、中公新書)を読む

1. 忘年会のシーズンで都心のどこに出かけても人が多いです。 私も学校時代の友人とか、豪州やニュージーランドで一緒に働いた仲間の会とか、昔の職 場の同期の集まりとかに、いそいそ出かけています。 (1) 豪州やニュージーランドで一緒に働いた仲間の会は…

『ある正金銀行員家族の記憶』(八木和子)を読む

1. 本郷の東大キャンパスを歩き、三四郎池の写真を撮って、前回載せました。 犬を二匹並べて撮影している女性もいて、のどかな風景でした。 他方で、世の中は米中関係、Brexitの行方、パリの大規模デモなど先進国も不穏のまま年を越しそうで、気になります。…

サーロー節子さん講演「被爆者として北米に生きて」

1. 先週は、まだ穏やかな日が続きました。 所用があって、久しぶりに本郷の東大キャンパスまで出向き、三四郎池の紅葉も見てきました。 4日(火)には、六本木の国際文化会館でサーロー節子さんの講演を聞いてきました。 2. その前に前回のダニ・ロドリック…

ロドリック教授「トリレンマ」説とエコノミスト誌「オーストラリアの支配」

1. 小さな庭の冬薔薇を見ながら我が家を出て、さざんかが咲き銀杏が紅葉する東大研究所から大学キャンパスへと朝の散歩を続けています。 ・家人とお喋りしながら歩きますが、娘がロンドンの金融で働いているせいか、英国のEU離脱の行方が気になり、そんな…

三田祭・駒場祭と若者から聞いた「出西窯」

1. 先週の日曜日は法事があり、谷中の天王寺という古いお寺に行きました。とくに「売り」がある寺ではありませんが静かなたたづまいを好むのか、最近外国人の旅行者の姿をよく見かけるようになりました。門前のななかまどが紅葉し始めていました。 2. 週の後…

G.オーウェルの「ナショナリズムについて」とマクロンの演説

1. 秋深まり、先週日曜日11日は好天で、家人と東大内のカフェで遅い朝食のあと、駒場公園にも寄って「旧前田侯爵邸」を拝見してきました。 修復のため2年以上閉鎖されており再び開館したのはごく最近です。そのせいか来館者も多く賑わっていました。重要文化…

米中間選挙、再びリベラリズムとJ.S.ミルについて考える

1.11月に入り、東大駒場の銀杏並木が少しずつ色づいてきて、歩く楽しみです。 2.米国の中間選挙については日本のメディアも大きく報じました。 翌日朝刊一面でほとんどの新聞は「ねじれ」議会という見出しでした。 他方でニューヨーク・タイムズ(NYT)は「…

エコノミスト誌175周年とリベラリズムという思想

1. 前回は、娘が赤ん坊を連れて一時滞在をした話を書きました。 先週末、英国に帰国する二人を羽田空港まで送っていきました。 帰りはひとりで空港を暫く歩き、伊藤園の栗あんみつを食べてから、バスで帰りました。渋谷まで40分ほどで週末は道も空いており、…

「赤ちゃん連れて旅行はダメ?」と国連での「BTS」

1. 先週の東京は、よい日和の日が多く、秋も深まりました。週末には、東大のグランドを使って、近くの保育園が運動会をやっていました。 我々夫婦は朝、生後8カ月の赤ん坊をバギーに乗せて東大付属の研究所内を散歩しました。 これには訳があって、私事で恐…

大阪なおみ選手と「ハーフ」「ダブル」の話

1. 秋らしい気配になってきました。駒場の東大の銀杏並木を歩くのも気持ちよく、週に何日かは図書館に入り、隣にあるカフェで珈琲を飲んで時間を過ごします。 そのあと渋谷まで足を延ばして、東急百貨店にある「丸善&ジュンク堂」を覗きます。 最新のエコノ…

アメリカ最高裁カバノー判事とエコノミスト誌の論説「Kava--no」

1.庭の芙蓉もそろそも終わりですが、今日のような曇り空によく似合う花です。 我善坊さん、コメントと質問有難うございます。平安初期の「陽成天皇」がなぜ、後期の崇徳院や後鳥羽院と並んで、百人一首で「院」と呼ばれるか? 雲の上の話なので考えたことも…

台風24号の直前に、京都で「百人一首かるた会」

1. 柳居子さんコメント有難うございます。アメリカの政治・社会は、今回の最高裁判事選任の大騒動に象徴されるように、トランプ支持と反トランプとに真っ二つに分断されています。「皆が選んだ」とは誰も考えていない状況のようです。ところで、先週の台風24…

米国トランプ大統領をめぐる話題と中間選挙

1. このブログは原則日曜日の朝にアップしていますが、今回は1日早い土曜日です。たまにはトランプ大統領を取り上げることにしました。 (1)アメリカで中間選挙が近づいていることもあって、最近、関連のニュース(三面記事的な報道を含めて)がいつも以上に…

松代大本営跡、象山地下壕を訪れる

1. 柳居子さん、「松代へ大本営を移転させる計画」についてコメントを頂き、有難うございます。 前回のブログに書いたように、ここを見て、歴史を知ることが今回の旅の目的の1つだったので、ご報告したいと思います。「松代大本営」という名前をご存知の方…

友人と渋温泉や松代を旅する。

1. 前回は停電になって急遽、東京に帰ってきたことを書きました。 先輩から「どうも東京が一番恵まれているみたいです」というメールを頂きました。ご指摘の通り、このところの災害で、東京はかなりセーフですね。当初は帰京した5日から,友人2人と旅行に行…

夏はそろそろ終わるが、災害は終わらない。

1. 蓼科高原は9月に入って、すっかり秋らしくなり、稲も実り、そばの花も満開です。今年は猛暑のせいか稲の実りも早いようで例年なら10月初めの刈り入れが刈り入れが終わるのではないかと言われています。 そろそろ東京に帰る準備をしないといけないなと家人…

『ザ・ナイン、アメリカ連邦最高裁の素顔』と『憲法で読むアメリカ現代史』

1. 高原は朝夕は涼しくなり、早くも秋の気配です。稲も実りつつあり、コスモスもそばの花も盛りで、野には赤とんぼが舞っています。 2. 前回は、アメリカ最高裁が、これから保守化していくのではないかという話をしました。 8月に読んだ、 (1)『ザ・ナイン…

アメリカの最高裁判事選任とトランプ

1. 甲子園高校野球での秋田の農業高校の大活躍は、何となく楽しかったです。 現地農業新聞の号外も出たそうですね。 我々老夫婦は畑でじゃがいもを作ったりして、プロの農業をやっている方にはご迷惑をかけていると思いますが、それでも農業高校の頑張りは…

沖縄や広島やアウシュヴィッツを旅するということ

1. まず初めに、2011年5月23日付「「胸中の公平な観察者(アダム・スミス)」とアメリカ憲法」と題するブログに7年後の18年8月15日に「勉強になりました」とコメントを頂いたinoue3さんにお礼を申し上げます。こんな昔に書いた文章を今だに読んでくれる人が…

「広島原爆の日」と「沖縄慰霊の日」

1. 前回のブログで、海外旅行者の増加がとくにヴェネチアなど欧州の受け入れ都市で大問題になっているというタイム誌の記事を紹介しました。4人の方からフェイスブック上コメントを頂き、有難うございました。 「8月15日も近づき戦争の悲惨を反省する機会も…

タイム誌が伝える「観光旅行の落とし穴(The Tourism Trap)」

1. 空蝉(うつせみ)について、柳居子さんのコメント有難うございます。 句会に出席されるのですね。いい趣味ですね。 手元の「歳時記(山本健吉編)」に、 「空蝉を見る妻の瞳(め)のうるむなり」という句が載っていました。 それにしても暑いですね。当地…

当地にも台風12号と豆台風、吉田拓郎の「夏休み」

1. 先週は大相撲御嶽海の「県出身力士初の優勝」で,信濃毎日は号外を出し、朝刊は二日続けて彼の大きなカラー写真と記事とで埋まりました。何せ、木曽郡の小さな町の出身ですから大騒ぎです。 横綱不在でも連日満員御礼の相撲を見て幸せな日本国は、異常な暑…

猛暑の名古屋での大相撲その他

1. 前回は古いレコードを涙を呑んで捨てたことを書いたところ、十字峡さんから「京都の某市民活動センターがレコード図書館を開設して寄贈を受け付けている」という情報を頂きました。 情報提供に感謝です。ただし私のは、個人的な思い出は1枚1枚強いのです…

蓼科の雨の日と、「議院内閣制」再考

1. 猛暑の中、被災地とボランティアの人たちの映像をテレビで見ながらのブログです。 老人はせめてささやかな寄付をするぐらいで、他にどうしようもないのです。 当地茅野市でも10日と12日の夜は「土砂災害特別警報」が出ました。 雨水が傾斜のある道路を勢…

『議院内閣制―変貌する英国モデル』(高安健将、中公新書)を読む。

1. 本日は「西日本豪雨」の記事が新聞1面の大見出しです。 当方は早い梅雨明け宣言を聞いて早々と信州にやってきましたが、当地も強い雨が降りました。それでも、畑の草取りをしました。じゃがいもの花が咲き、ヤマボウシの白い花も咲いています。早くも災害…

エコノミスト誌が語る「民主主義はどのようにして死を迎えるか」

1. 関東甲信は早くも梅雨が明けたそうで、暑さが続きます。 朝早くから暑い中、東大キャンパスでは野球部の選手が練習をしています。 こちらは涼気を求めて散歩がてら図書館に入ることが多く、そこで雑誌を読んで時間を過ごします。 英米の雑誌は米朝首脳会…

『日本の国難』(講談社現代新書)と「地方都市の健康寿命」

1. 柳居子さん、我善坊さん、コメント有難うございます。 我善坊さん「コナシは実に美しい花です」とありましたので、霧ヶ峰湿原での写真をまた添付します。 2. 柳居子さん、「京都も一地方都市」とは千年の都の住人のご謙遜ですね。しかし「動かないという…

新しいDellのTVと蓼科高原の日々

1. 昨日の東京は終日肌寒かったですね。朝の散歩の途次写真を撮りましたが、淡い色の紫陽花は雨や曇り空によく似合いますね。 もっぱらPCと読書で時間を過ごしました。 TVはあまり好きではなく、天気予報とBSの国際ニュースぐらいしか見ません。そう言えばブ…

エコノミスト誌が語るロイヤル・ウェディングと英国憲法

1. 前回のブログで、ウィンザー城内の礼拝堂でのハリー王子の結婚式で「黒人霊歌“スタンド・バイ・ミー”が歌われた」と書きましたが、早速若い人が「この歌は黒人霊歌ではない」と訂正してくれました。私のような老人は知らなかったのですが、1961年に作られ…