- 残り少なくなったキャンパスの銀杏の葉を、惜しみつつ眺めています。
- 先週は、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)のノーベル平和賞授賞式がありました。受賞のニュースは10月20日のブログに取り上げました。
今年のノーベル平和賞は日本被団協へ - 川本卓史京都活動日記
(1)1時間16分の「式」の模様は、ノーベル委員会のサイトからいまも視聴できます。
(2)「非現実的・ナイーブ」という批判はいくらもあるでしょうが、核廃絶を求める日本人の長年の活動にノーベル賞委員会が注目し、今年の推薦候補197個人と89団体の中からこの団体を選んだという事実に、私個人は意義深いものを感じています。
(3)授賞理由は、
・被爆の実態を伝えることを通して、核兵器の恐ろしさを世界に訴え、「核のタブー」の確立に多大の貢献をしたこと。
3.「式」はノルウエーの首都オスロで現地時間12月10日午後1時から。
受賞者を代表して3人が登壇し、国王夫妻と皇太子夫妻が列席して始まりました。
(1)ノーベル賞委員会委員長による授賞理由説明のあと、音楽演奏を経て、賞が授
与され、田中代表理事の20分強のスピーチ。
(2)終わると国王夫妻を始め全員のスタンディング・オベーション。
そして演奏と歌唱による「荒城の月」が披露され、王室4人がメンバーそれぞれと握手をして、式は終わりました。
4.田中さんのスピーチは20分強。車椅子で現れた92歳の氏は、演壇では立って、しっかりした日本語で語りました。
(1)団体の運動について説明し、1つは被爆者の支援・救済、2つは「「核兵器は極めて非人道的な殺りく兵器であり、すみやかに廃絶しなければならない」という世界に向けた訴えと活動。
(2)次いで自らの長崎での被爆体験を語る。
「その時目にした人々の死にざまは、人間の死とはとても言えないありさまでした」。
(3)そしてその後の活動内容を語り、次世代に継承されていることにも触れます。
(4)最後に以下のように締めくくります。
「人類が核兵器で自滅することのないように。
そして、核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて頑張りましょう」
4.日本政府の反応について、11日の毎日新聞は伝えます。
「石破首相は、(略)受賞について「核廃絶に向けた発信の努力が報われたものだ」と表明。核禁条約への正式参加は「極めて困難」としながらも、オブザーバー参加については「どのようにして役割を果たせるか検討する」と含みを残した」。
今年のノーベル平和賞が日本政府に,従来からの変化を少し与えたのではないか、と感じています。