本を読む

『2038滅びに至る日々』(廣田尚久、河出書房新社)を読む

1.昨夜はラグビーW杯決勝を蓼科でTV観戦しました。 スタンドに「サー・エディーを首相に(Sir Eddie for PM)!」と書いて応援する英国人ファンがいました。たしかに優勝したら叙勲して「サー・エディー」になったかもしれない。「首相に!」というのが面白…

星野道夫と『旅をする木』再び

1.茅野の山奥には木々だけは豊富にあります。家人がエサ台を作って、ひまわり の種子を置いておくと小鳥が止まってついばんでいきます。 2.「木」といえば今回も、『旅をする木』から知った星野道夫さんのことです。 アラスカに暮らし続けて15年も経って書い…

『皇太子の窓』(エリザベス・グレイ・ヴァイニング著)再び

1.黒幕子さん、8月4日付ブログへのコメントのお礼が遅れました。「神長官守矢資料 館」の情報有難うございました。諏訪地方の古代の歴史に興味を持っておられることに敬意を表します。 また前回は岡村さんから、自分にも良い家庭教師がいた、映画「アラモ」…

エリザベス・ヴァイニング著『皇太子の窓』を読む

1.前回はフェイスブックで、京都から2人の方のコメントを頂きました。 飯島さんが、「昨年チェコで、宝塚歌劇を紹介するプロジェクトの手伝いをした。「禎子と千羽鶴」を音楽劇として地元の子ども達と共演した。チェコは歴史に耐えた経験から平和への思いが…

忘年会の合間に『公卿会議』(美川圭、中公新書)を読む

1. 忘年会のシーズンで都心のどこに出かけても人が多いです。 私も学校時代の友人とか、豪州やニュージーランドで一緒に働いた仲間の会とか、昔の職 場の同期の集まりとかに、いそいそ出かけています。 (1) 豪州やニュージーランドで一緒に働いた仲間の会は…

『ある正金銀行員家族の記憶』(八木和子)を読む

1. 本郷の東大キャンパスを歩き、三四郎池の写真を撮って、前回載せました。 犬を二匹並べて撮影している女性もいて、のどかな風景でした。 他方で、世の中は米中関係、Brexitの行方、パリの大規模デモなど先進国も不穏のまま年を越しそうで、気になります。…

G.オーウェルの「ナショナリズムについて」とマクロンの演説

1. 秋深まり、先週日曜日11日は好天で、家人と東大内のカフェで遅い朝食のあと、駒場公園にも寄って「旧前田侯爵邸」を拝見してきました。 修復のため2年以上閉鎖されており再び開館したのはごく最近です。そのせいか来館者も多く賑わっていました。重要文化…

『ザ・ナイン、アメリカ連邦最高裁の素顔』と『憲法で読むアメリカ現代史』

1. 高原は朝夕は涼しくなり、早くも秋の気配です。稲も実りつつあり、コスモスもそばの花も盛りで、野には赤とんぼが舞っています。 2. 前回は、アメリカ最高裁が、これから保守化していくのではないかという話をしました。 8月に読んだ、 (1)『ザ・ナイン…

『議院内閣制―変貌する英国モデル』(高安健将、中公新書)を読む。

1. 本日は「西日本豪雨」の記事が新聞1面の大見出しです。 当方は早い梅雨明け宣言を聞いて早々と信州にやってきましたが、当地も強い雨が降りました。それでも、畑の草取りをしました。じゃがいもの花が咲き、ヤマボウシの白い花も咲いています。早くも災害…

小さい薔薇の花と、「待賢門院」&「堀河局」

1.文字通り猫の額ほどの庭の片隅で、二年前に調布の神代植物園で買った薔薇の小さな花がまた元気に咲きました。散っては、また何度も花を咲かせます。 薔薇を自分で育てるほどの庭の広さも元気も知識もありません。しかし見ていると、この花がその棘もあって…

本と本屋と日本人のユーモアと

1. 先週はネット上に桜の写真があふれたでしょうね。私も性懲りもなく素人写真を載せます(東大駒場キャンパスの並木と我が家の老木)。 我善坊さん、山口さんコメント有難うございます。山口さんのは「コンナコトカイテイイノカ」とありますが、このブログ…

ロンドンの本屋「サッチャーズ」と「ウォーターストーン」

1. 前回は、2年半ぶりに乗ったロンドンに行く車内で、スマホも増えたが、本を読む 人もそこそこ多いこと、 小学1年生の孫が毎日学校から借りた本を読まされること、本の選択も、進み具合も自主性に委ねられている、しかし保護者はそれをチェックする必要が…

『円山応挙論』(冷泉為人、思文閣)を読む

1. 岡村さん、長文のコメント有難うございます。絵本に詳しいですね。やはりお孫さんとの関わりでしょうね。 今回は私は絵本ではなく、『丸山応挙論』(冷泉為人)という堅い本についてです。 昨年11月25日に京都の思文閣出版から出ました。9500円もする大著…

『1941決意なき開戦』(堀田江理、人文書院)を読む

1. 当地も秋めいてきました。稲が実り、蕎麦の花も満開です。 そろそろ山を下りる予定で身の回りを整理しつつ、読書も続けています。 今回は読み終えたばかりの『1941決意なき開戦、現代日本の起源』(堀田江理、人文書院、2016年)についてです。なかなかの…

茅野の図書館で『小倉昌男、祈りと経営』(森健、小学館)を読む。

1,我善坊さん、仁太郎さん、コメント有難うございます。 「毎日」を購読の我善坊さんは、プチ鹿島の言う「書生肌のおじさん」にぴったりですね。 仁太郎さんは、「全寮制・相部屋」の学校で苦労されたようですね。英国のパブリック・スクールはいまだに原則…

いまウェーバー『職業としての政治』オルテガ『大衆の反逆』を読み返す

1. 東京は梅雨にしては雨が少ないですね。田舎の畑では作物だけではなく草もまたまた伸びてきていることでしょう。 今年もそろそろ半分が終わりそうですが、何だか楽しい話題が少ない気がします。私の場合 社会の出来事は新聞から知るのが主ですが、新聞によ…

村上春樹現象と『騎士団長殺し』を読む

1. 数日前の朝の散歩道、東大駒場キャンパスの桜並木も落花の風情。野の花はいま盛りです。 氤岳居士さんコメント有難うございます。 「学部では、「歴史」だの「化学」だの「文学」だのリベラル・アーツを学ぶ」は「学部」と書いたから誤解を招いたのでしょ…

詩集「わが涙滂々――原発にふるさとを追われて」

1. 前回のブログでは雑誌「道標」に文章を載せている友人を紹介しました。ほぼ同世代の仲間の中には、文章だけでなく、絵を描いたり、合唱を続けたり、漢詩をつくったり、民謡や詩吟を教えたり・歌ったりと多才な人たちが居て、元気に活動しています。まとま…

司馬遼講演「キリスト教文化と日本」や雑誌「道標」&「あとらす」

1. arz2beeさん、有難うございます。まだ『沈黙』をめぐって話が続きますが、「神を忖度するのは異端に思えます。神は絶対で・・・問答無用の存在と感じる」という指摘を興味深く読みました。前回の、我善坊さんの「遠藤周作のいう「和服のキリスト教」はや…

遠藤周作「沈黙」とスコセッシ監督「沈黙」

1. 我善坊さん、コメント有難うございます。お気持ちはよく分かりますが、「議会から独立して」というのは立法権に対する例外措置、憲法の改正が必要で、実現は難しいでしょうね。 国家権力が、自らの権力基盤を揺るがすような制度設計を率先してやるとは、…

『資本主義の終焉と歴史の意義』(水野和夫)を読む

1.(はじめに) 世田谷区の有志がボランティアで5年前に始めた読書会は、順調に続いています。 8月を除いて月1回の土曜日、梅ヶ丘の区民会館に20人ほど4時間も集まり、事前に多数決で選ばれたテキストを推薦者が発表し、皆で話し合います。 9月は、『…

『保守主義とは何か』(宇野重規、中公新書)を読む

1. (JR東海からの「制裁」)についてここ2回書いてきました。 まだ友人から親切なメールが来ますので、感謝とともに報告します。 彼は、JR東海ジパング倶楽部・事務局に電話してくれて以下の回答があったそうです。 「車内での点検を強化するようになったの…

京都:披講と『砂漠の青がとける夜』

1. 7月11日から京都に2泊して水曜日に帰京しました。 祇園祭のハイライト、17日の山鉾巡行にあわせて鉾や山が立ち始めていました。 主目的は叔父・叔母の霊祭出席であり、古くから続く「和歌」の家なので、神主さんの祝詞に続いて、参列者の玉串奉奠の前に…

桜が咲く前に司馬遼の『本所深川・神田界隈』を読みながら

1. 東京の桜は明日にも開花宣言とのこと。我が家のは、道路に大きく張り出してあぶないので一昨年、残念ながら枝をほとんど切ってしまいました。それでもほんの少し残った枝につぼみが膨らんできました。 2.前回のブログのコメント有難うございます。平野さ…

増補『日本語が亡びるとき、英語の世紀の中で』(水村美苗)を読みながら

1. 冬らしい寒い日が続き、年寄りは暖かい室内に閉じこもる時間が多くなります。 幸いに、東大の駒場キャンパスが歩いて10分ほどなので、図書館やカフェで過ごし、持ってきた本を読んだり、備え付けの雑誌を読んだりします。 今はキャンパスは関係者以外でも…

イシグロの『忘れられた巨人』再びと小説を読むこと

1. かわうそ亭さん、コメント有難うございます。 http://kawausotei.cocolog-nifty.com/easy/ ブログを拝見しましたが、たまたま同じ日にイシグロの『忘れられた巨人』について、同じような読後感を書いておられるのは、同志がいたという思いでした。 かわう…

再び、「曲学阿世」と南原繁の「現実的理想主義者」のこと

1,今年の梅雨は、いままでのところ、東京と蓼科では長雨しとしとではなく降るときは短時間に激しくという傾向のようですね。 雨降りに散歩するほど勤勉ではなく、屋内で過ごす時間が増えますが、テレビは好きでないのでいきおい本を拡げることになります。 …

東京新聞,反知性主義,そして鷲田清一さんとオルテガ

1. 前回のブログで、もう梅雨だというのに快晴の1日があり、蓼科高原は蓮華つつじが満開で、北アルプスから富士山まで丸見えだった、と書きました。 同行した友人がその折りに撮った写真を送ってくれましたので載せておきます。 こなしの花も山々も美しく写…

『それでも日本人は「戦争」を選んだ』を読む

1.我善坊さん再度のコメント有難うございます。エリート論やオルテガの名著『大衆の反逆』についてブログで話し合ってもう4年になるのですね。相変わらず同じようなことを考え続けているなと懐かしく思います。 2.忘れずに、愚直に考え続けるというのは、せ…

『夢との対話、心理分析の現場』(滝口俊子)や『国家の暴走』(古賀茂明)

1. 海太郎さん有り難うございます。イタリアの「子供の読書運動」面白く読みました。 日本は、前回紹介した斉藤美奈子さん(文芸評論家)の言によると「子供より、むしろ大人が読んでいない」のだそうですが。2, 「大人でも読書会をやってみたい」とのコメン…