英国から我が家に

  1. 前回は、先々週の日曜日、英国から一時帰国した娘とホテルで会ったと

書きました。

彼女は京都行を含む業務出張のあと、さらに日本滞在を伸ばしました。

その後半の一週間、イースター休暇中の孫二人が日本にやってきて合流しました。狭い我が家に泊まったので、先週は「てんやわんや」の日々でした。

滞在中の4月4日、我が家の桜も東大の桜も満開になりました。

 

2.12歳と6歳の兄妹の日本到着は3月30日(土)。

ヒースロー空港までは父親が送り、そこからあとは、通関で旅券を見せることから始まり、初めての二人だけの大旅行です。

 母親が羽田空港まで迎えに行き、我が家に戻ってきたのが午後7時半、早速賑やかな夕食です。二人とも日本食が大好きで、妻が作ったハンバーグにご飯、なめこ入りの味噌汁に大満足でした。

3.二人とも英国で生まれ、育ち、現地校に通い、学校で日本語を使うことはありません。彼ら同士の会話はほとんど英語です。

母親はこんな機会に少しでも日本語を覚えさせようと必死です。祖父母へは、「下手な英語ではなく、日本語を使って欲しい」という注文です。

4. 二人とも二つのパスポートを持って旅行します。

(1)行きの英国の空港では英国の旅券で出国し、羽田では日本の旅券で入国し、帰りの英国での通関ではまた英国の旅券を見せます。

(2)日本は出生主義ですから、生まれた親が日本人なら日本国籍

英国はこれに加えて出生地主義も認めます。生まれた場所が英国なら英国国籍。

 

(3) ですから今は二人とも二重国籍です。

しかし、日本の国籍法14条(国籍の選択)は「外国の国籍を有する日本国民は(略)22歳に達するまでに(略)いずれかの国籍を選択しなければならない」と定められています。

5.12歳の孫息子はあと10年でその「選択」を迫られます。

(1)世界には、「二重国籍」を認めている国の方が多いのですが、日本で法改正の動きは全くないようです。

(2)将来どちらを選択するか、本人はまだ考えてもいないでしょう。

しかし、何れどちらかを選ばなければならないとしたら?ということを多少は感じつつ日々を過ごしているかもしれません。

(3) 英語が母国語の日本人として生きるのか?それとも5歳のとき家族とともに英国に移り住み英国籍を取得したカズオ・イシグロを見習うのか?

自らのアイデンティについての探求が続きます。

6.いまはまだ、「どちらが良いか?」という比較の眼で両国を眺めているようです。

(1)日本は大好きと言うので、英国に比べてどこが良いか?と訊いたところ、「食べ物、天気、そして人」という答えでした。

(2)他方で、英国の良さは「住まいを含めた環境、自然災害の少なさ、ゆとり」でしょうか。

英国人は、優しさにやや欠けるように思う・・・この点は娘も同意見でした。

(3)どこまで真剣かはともかく、「将来、結婚する相手は日本人の女性がいい」という発言もありました。