豆台風は日本滞在で何を得たか

  1. 次女夫婦と二人の孫が英国に帰って10日経ち、静かな日々が戻りました。

(1)膝が痛む妻に同行して整形外科に行ったり、買物を代行したりで時間が過ぎました。

 

(2)英国組の来日は例年夏休みが多いですが、昨年は桜の頃と年末年始の2回でした。

時差の調整もあるし、時間とお金を使ってよく来るよと感謝しつつ、娘夫婦の懐具合も気になります。

向うは「会わせたい」と思うのでしょうが、当方はそんなに無理しなくてもと、思いに少しずれがあります。

娘自身も、たまに日本の空気を味わい、ストレスを発散したいかもしれない。

(3)子ども達に、日本への愛着とつながりを持ち続けてほしいという気持ちも強いでし

ょう。

二人は英国生まれ・育ちで学校は現地校。兄妹同士の会話はほとんど英語です。

上はもうすぐ13歳で、日本流の中学3年生。この9月からは全寮制の5年間の高校で学びます。

(4)学校では英語漬けです。滞在中の我が家でも、毎朝勉強をしていました。

例えばパソコンに向かって、「“ローマ帝国の興亡”について資料を自分で検索してエッセイを書く」課題に取り組む朝もありました。歴史の宿題だそうです。

映画にもなった大長編『指輪物語』の最後の1冊『王の帰還』を読まされてもいます。

外国語ではフランス語とラテン語を学んでいます。

  1. その上での日本語はなかなかハードでしょうが、親としては、滞在時に少しでも日本語に慣れさせようと努力しています。

我々とのコミュニケーションは日本語です。

親の努力もあってか日常会話は問題ありません。読み書きは苦手です。

(1) チェスとジンラミーというトランプ遊びを教えてもらいました。

日本語で人に教える時間も、彼らにとっては勉強になる筈です。

(2) 加えて、父方の祖父母から音楽のレッスンを受ける時間もありました。

 7歳の孫娘は昨年6月に能舞台に登場する機会があり、今回の滞在でもお稽古に行きました。これも、小さい時から古典芸能を通して日本文化に触れてほしいという、親の願いかもしれません。

 

3.彼らがこれからどう生きていくか?

(1)見届ける時間は私にはありません。

しかし 例えば人種は日本人だが、慣れ親しんだ言葉や学校や友人は英語であり英国であるという人間は、これからの世界で珍しくないのではないか。

(2)その上で、新年だから初夢を語れば、そういう存在が「コスモポリタン世界市民)的」生き方として肯定されるような世界が広がってほしいと思います。

(3) ただその場合も、自らのルーツに日本があるという自覚と、日本文化への関心と愛着は持ち続けてほしい、とも願っています。