広島・長崎原爆の日と蓼科でのお茶会が終わって

  1. 前回は、茅野市の平和祈念式と、山奥での野点について書きました。

(1)Masuiさんが、広島平和記念式典のテレビ中継を見ながら、「今頃私が参列しているだろうなと思った」と書いてくださいました。

優しい気持が伝わり、感激しました。

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(2)松井広島市長は式典で、「被爆者の願いを引き継いだ若者が行動し始めていることは未来に向けた希望の光です」と語りました。

 9日の田上長崎市長は、「第1回締結国会議にオブザーバーとして参加し、核兵器禁止条約を育てるための道を探ってください」と、政府と国会議員に訴えました。

 

 (3)7日付毎日新聞は、国連で軍縮担当事務次長として活躍する中満泉さんの言葉を紹介しました。

彼女は、オブザーバーとして参加した場合日本も発言できるため、「唯一の戦争被爆国としての知見、経験を持っている日本の貢献を期待している国がたくさんある」と指摘します。

また「政府や菅首相のように核禁条約の実効性に懸念を持っている立場であっても逆に「それを発信できる機会でもある」と説明します。

読みながら、中満さんは“日本政府よ、逃げるな!“と言っていると感じました。

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(4) 公明党の山口代表は「当面はオブザーバー参加、これが党の立場だ」と述べたそうです。口先ではなく本気で、連立を割るぐらいの気持ちで行動して欲しいです。

 

  1. お茶の集まりに京都から来てくれた従妹夫婦の話もしました。

(1)京都御所近くの自宅から電車を3回乗り継いで茅野に到着して、駅からホテルの送迎バスに乗ってさらに40分、片道だけで5時間弱かかる大旅行です。

(2)幸いに好天で、緑陰での集いは大成功でしたが、忙しい身で遠路はるばるよく来てくれました。

(3)お茶の宗匠ともども感謝していたところ、むしろ従妹から早速電話とメール、連れ合いから手書きの礼状が届いたので恐縮しました。

(4) 従妹の夫の手紙は、「茅野の一日、夏の思い出=山荘・山居と市井・洛中の家」と題した感想文の体裁です。

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ーー自然がいっぱい、水が美味い、空気が冷たくきれい、ところが車がなかったら生活しにくい。

 きっと人情も熱いのであろう。人とのつながりはその分だけ薄く、反対に濃い絆が生まれる。

――家に帰り、洛中の小さな庭。それは文字通り、箱庭の世界。自然の一部を小さく移したもの。空気も生あったかく、水もそれほど美味しいものではない。人とのつながりもそれほどのものではない。これは良い意味でも悪い意味でも・・・・

――(お住まいでの暮らしは)鴨長明の心境ではないかと想っています。茅野の夏のひと時は、実に楽しいものでした。

・・・など書いてあり、9頁に及ぶ直筆の手紙で、同文が宮本宗匠にも出ています。

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3. 京都人は、巻紙に毛筆とまでは言わないものの、いまもこうして手書きの手紙を出

すのかと感心しました。

 

(1)それにしても、言葉や文字で「お礼を言う」というのは大事ですね。

実は私はそのことを、英米の暮らしで学びました。当時の彼らは、何かしてもらったら必ず「有難う(Thank you)」と言うのが印象的でした。歩道の屋台でコーヒーを買って受け取った時でも、エレベーターを降りる時に先に譲ってくれた人にも。

 

(2) 20代に初めてアメリカで暮らしたとき、「英語でいちばん大事なのは“Thank you

“という言葉」と言われたことがあります。

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(3) 文字にすることも大事です。今は電子メールが主流かもしれませんが、当時は家

族・友人間でもビジネスでも、何かの機会に必ず「Thank you レター」・「Tank youカード」を書いていました。

ビジネスの場合は手書きは殆どありませんが、例えばビジネス・ランチが終わったら、すぐに礼状を出します。秘書が昼食から戻ってきたボスから、ランチの模様を聞き取って見事な英文をタイプしてくれます。ボスはそれにサインして、礼状はただちに発送されます。

 

(4)この礼状、本当に早く届きます。それでジョークがあって「某さんを昼食に招く約

束があって、そろそろ出かけようと思ったら、秘書が手紙が届いたと持ってきた。開けてみたら、昼食がいかに楽しかったという当の某さんからの礼状だった」。

(5)その代わり、「物のお礼」はしません。心のこもった言葉と手紙(あるいは

カード)をすぐに伝える、これが大事、かつこれで十分なのでしょう。